「偶々放浪記」小指
○「偶々放浪記」小指(白水社)
文章多めのコミックエッセイ。
埼玉県寄居町、茨城県石岡市、横浜市菅田町など、 あまり有名でない、映えスポットがあるわけでもない、 注目されない街を巡り歩いた旅の記録。
著者の小指さんは1985年生まれの女性(画家でもあるそう) なのだが、怪しい場所、怪しい店、怪しい人にどんどん近づいて、 そして面倒な目に遭う。
描かれたのは今より少し前(2010年代?)で、 たぶんここは今だと少し変わってしまったんだろうな… という場所も多い。
( 山谷の話はかつて訪れた商店街が改修されて街の赴きが消えてしま った話まで含めて描かれる)
知らない街の話が多く、「こういう感じの街なんだ」 と思うことが多い。
好奇心は加齢とともに衰退していく。
私自身、 若い頃はこういった国内の陰りがある街を散策するのが好きだった が面倒な人に絡まれたり、 汚い店に入って出てきたものが美味しくなかったりするような体験 にもう疲れてきてて、 今は普通に平均的な店で平均的な美味しいものを食べたいな… と考えるようになった。
なので代わりに追体験してくれるような、 こういう紀行文はありがたみしかない。
石川町で路上でビニール袋に牡蠣やアサリを詰めて売っている、 怪しい人たちの話が印象に残った。
「散歩の達人」や「じゅん散歩」に決して出てこない、 ディーブで胡散臭い、街の記録。
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