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January 03, 2020

「東郷見聞録 世界一周プロレス放浪記」ディック東郷

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〇「東郷見聞録 世界一周プロレス放浪記」ディック東郷(彩図社)


プロレスラー・ディック東郷が2011年夏から2012年秋にかけて行った「世界中の国々を訪問し、現地でプロレスの試合やプロレス教室を開いて旅を続ける」ワールドツアーの旅日記。


オーストラリアから始まり、ヨーロッパ、アメリカ、南米と渡り最後はボリビアで引退試合を行う。 

ボリビアを最終地にしてるのは東郷がチェ・ゲバラを敬愛しており、レスラー人生の最後をゲバラが亡くなったボリビアで終わりにしたいから、との理由。


プロレス的な話よりも海外のこぼれ話が多く、テイストとしては同じ彩図社から出てる嵐よういちの「海外ブラックロード」に似ている。


プロレスというショービジネスは世界中にあれどレスラー側の事情や立場はそれぞれで、たとえば南米では体を作るためのトレーニングをするフィットネスジムが街中になかなかない。

これは「お金を払って身体的健康を維持する」という消費活動が市民に根付ていない…というより、賃金が少なく使える余裕ではない、という側面が強い。

ヨーロッパでは露骨なアジア人蔑視の差別を受けたりする。


いくらプロレス技術に自信があっても、知らないプロモーターから届いたオファー1本で「とりあえず行ってみよう」と言葉もろくに通じない国に一人で行くのは相当ハートがタフじゃないとできない。

また、海外で技術が未熟なレスラーと試合するのはケガした場合を考えれば日本以上に怖い。

この記録は東郷にしかできない偉業だと思う。

(H)


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