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January 31, 2020

月まで3キロ


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○「月まで3キロ」伊与原新 (新潮社)


人生にはどうにもならないことがある。

むしろどうにもならないことだらけだ。

好きな人が自分を好きとは限らない。

やりたい仕事ができるとは限らない。

やりたい仕事で生活できるだけの稼ぎを得られるかもわからない。

望み通りのものが手に入らなくても、生きていくしかない。



周りで評判が良かった小説、伊与原新 「月まで3キロ」を読んだらすごくよかった。


短編集。

忘れられない人生の瞬間と、少しばかりのサイエンス。


事業に失敗し、家族も出ていって自殺しようとする男性がタクシーに乗ると「この先に、世界で一番月に近い場所があるんですよ」 と運転手に不思議なことを言われる表題作が素晴らしくて泣きそうになった。

他の作品も地方都市で定食屋を営む主人公と娘のところに毎日ご飯を食べに来る女性との交流を描いた「エイリアンの食堂」をはじめ、みんなよかった。


先日発表になった本屋大賞2020の候補作には漏れましたが、この本は私の本屋大賞です。


毎日に少し疲れた人におすすめ。


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