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December 2019

December 31, 2019

伊野尾アワード2019

早いもので今年も残すところあとわずかになりました。

となると、毎年恒例のアレを発表しなくてはなりません。
いや義務ではないので、勝手にやってるだけなんですけど。


伊野尾書店店長が選ぶ今年のあれこれ、題して「伊野尾アワード2019」を発表いたします!


…とその前に、もう一か月以上前になりますけど11月23日の本屋プロレスにご来場のみなさま、ありがとうございました。
私、てっきりここでなんか報告したような気がしてたんですがTwitterに書いただけでブログには何も書いていませんでした。

https://twitter.com/inooshoten/status/1198268811918508032

当日は小雨が降る中、たくさんの方にお集りいただき本当にありがとうございました。

なお試合の模様は動画中継サイト「DDT Universe」で見ることができます。
時間が余ったので急遽はじめた私のつたない前説まで入っています…。
https://www.ddtpro.com/universe/videos/7697


といったところで本題に戻りましょう。

伊野尾書店店長が選ぶ「2019年最高の本」はこちらです!

 


〇「しょぼい喫茶店の本」池田達也(百万年書房)


はい。
ずっとこのブログや、私のTwitterをフォローいただいてる方は「ああ」となるかもしれませんが、たまたま何かのリツイート的なもので見に来た初めての方とかだと「何この本…知らない」という方も少ないないのではないでしょうか。
正確な部数は百万年書房の北尾代表に聞かないとわかりませんが、たぶん1万部とかそれぐらいだと思います。ちなみに樹木希林さんの『一切なりゆき』は29刷150万部だそうです(2019年9月現在)。

そんな「しょぼい喫茶店の本」が、私は2019年に読んだ本の中でもっとも印象に残りました。

まず面白い。

真面目一辺倒の大学生が就活がうまくいかず、真面目ゆえに「自分は社会に必要とされていない」「働かない人間=価値のない人間=死んだ方がいい」というような直情的な考えで自分を追い詰めてしまい、部屋から外に出られなくなってしまう。
何度か自殺も考えてマンションの手すりに手を掛けるところまでいきながら留まり、部屋で見ていたTwitterで「えらいてんちょう」さん(以下「えらてんさん」)の存在を知り、そこでえらてんさんの勧める「しょぼい起業=自分一人が食べていけるくらいの小さな商い」に触れ、「そういうのだったらできるかも」と考える。
そしてカフェでバイトした経験から、自分一人でできるような小さな店舗で喫茶店を始めることを思いつく。

しかし自分は現在自宅に引きこもっている大学生。開業資金なんてない。銀行が貸してくれるとも思えない。
でも店をやりたい!

そこで著者の池田さんが考えたのが「Twitterを使って開業資金を出してくれる人を探すこと」。
でもどうやって?

…というところをまずお楽しみください。
結果から言うと池田さんはお金を持ってる人がTwitterを見てポンと出してくれるような「流れ」を作るためにいろんなことを始めます。それがまずすごい。

で、いろいろあってどうにか店を始められるところまで来たあとに「このままじゃ店を畳まないといけないかも…」という「経営危機」を迎えます。
どうしてそうなったか。それをどう切り抜けるのか。
さらに店をやってると出てくるいろんな予想外の出来事。

そういった話の連続がまるでドラマのようで、つい「これこの先どうなるの!?」と読んでしまいます。
実録体験記としてよくできてるし、「商売を始める」ということが今の現代社会ではもう「冒険」なんだなーとあらためて実感させられます。

そして「お金を稼いで、いいところに住んで成功する!」みたいな目標から遠く離れた「自分らしい生き方を選択する」というところが非常に現代的でした。

「大きなお金を稼いで、社会的地位を経て成功する」という島耕作的な生き方ではなく、「自分の好きなものを人生にする」が憧れになる、2019年の生き方の象徴。
それを感じたからこそ、この『しょぼい喫茶店の本』を今年の一冊として選びました。

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【文芸書部門】

〇「傲慢と善良」辻村深月(朝日新聞出版)

考えましたが結局これが一番面白かった。響きました。

8月に書いたレビューと重複してしまうので詳述は避けますが、ミステリー仕立てのストーリーの中に婚活から恋愛、家族、地方コミュニティ、緩やかな男尊女卑世界、毒親、パラサイトシングル、マウンティング…という現代的なテーマがミルフィーユのように積み重なった作品でした。

http://inoo.cocolog-nifty.com/news/2019/08/post-4db39e.html

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それ以外の印象的な小説作品を並べると


〇「どうしても生きてる」朝井リョウ(幻冬舎)

〇「むらさきのスカートの女」今村夏子(朝日新聞出版)

〇「平場の月」朝倉かすみ(光文社)


でしょうか。

「どうしても生きてる」は“現代社会の生きずらさ”に対して朝井さんが煎じて燻って苦しみながら「こんな感じに思ってるんだけどどうだろう?」と考えを出してきたような作品。短編集ですが、特に最後に収録されている『籤』という作品にそれを感じました。

「むらさきのスカートの女」も前にレビュー書きましたがhttp://inoo.cocolog-nifty.com/news/2019/05/post-6796bc.html 
『普通普通っていうけど、じゃあその普通って何?』というテーマを一見平穏な生活の中に入れてくる、不穏な作品でした。
読んだ後いろんな人と語りたくなる小説。

「平場の月」は『大人の恋愛小説』みたいな宣伝をされてましたが、自分には「人生の峠を越えた年代による人の触れ合い」の美しさと上手くいかないはかなさを描いた作品に読めました。「存在」そのものが人生の支えになる関係。
40代半ばになった自分にとって今後の人生のテーマになるような作品でした。

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【2019どうもありがとう賞】

〇「鬼滅の刃」

〇「おしりたんてい」

〇「十二国記」


もうホントにね…2019年はこのへんの作品が下がる一方だった書店の売上を押し支えてくれました。
そうそう、ベストセラーって、普段本を読まない人や本屋に来ない人も買ってくからベストセラーなんだよな…とあらためて認識しました。

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【コミック部門】


〇「ダルちゃん (1、2)」はるな檸檬(小学館)

「24歳女性」に擬態する、「ダルダル星人」のダルちゃん。
「普通」じゃないから、社会のルールを一生懸命覚えて、居場所を探します。
誰かに合わせて生きていると、自分が本当は何を考えているのかわからなくなるけれど、
それで相手が喜んでくれているのなら、人に合わせることの、何がいけないのだろう――。


これは本当に名作でしたね。『伊野尾アワード』をこれにするか「しょぼい喫茶店」にするかで迷いました。

名言が非常に多く出てくる作品なんですが、

 「普通の人なんて/この世に一人もいないんだよ」

 「存在しないまぼろしを/幸福の鍵だなんて思ってはいけないよ」

のところで私は電流に打たれたような衝撃がありました。

せつなくて、人生の深淵が書かれています。ずっと本棚に残しておいて時々ページを開きたい、そんな作品です。

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【ビジネス・自己啓発・コミュニケーション論・現代社会学・とにかく人生の役に立つことが書いてある本部門】

〇「よかれと思ってやったのに 男たちの『失敗学』入門 」清田隆之(晶文社)

恋バナ収集ユニット「桃山商事」のメンバーである著者が女性たちの生の声を通して「男女でこんなにも違う景色が見えているのか」を調べ上げた報告&分析の一冊。
たとえば、

・食べたいものを聞いても「なんでもいい」という彼氏
・タオルやTシャツの置き場所を覚えない夫
・備品を元に戻さない職場の男性たち
・体調が悪くなっても病院に行きたがらない父親

などなど。

あああ…すみません…なんか思い当たる節がある…。

これ読んでると整体でツボを押されて「いててて!」となるときのような、痛い、でもここ押さないと身体はよくならないんだろうな…という気持ちになってきます。

われわれは「車検を通らないで公道に出ている車」みたいなものでは、と思います。
実はタイヤが少し右に曲がっている。
実はフロントガラスが汚くてろくろく前が見えていない。
実はライトが光らない。

けどパッと見は「普通の車」の振りをして公道(=社会)に出ている。
「え?俺のタイヤ曲がってる?そうかな。ていうか、この道路が少し左にズレてるんじゃないの?」
「え?ライト光らない?そんなに問題かな。道路はだいたい街灯ついてるから大丈夫なんじゃない?」
それで困ったりヒヤッとするのはたまたまその場に居合わせた人だけで、大多数の人にはわからない、みたいな。

というようなイメージがあるので、「自分車検」して整備していかないといけないと思うんですね。
この本はそういう「他の車や人とぶつからない、まきこまない」ための自分を整備する一冊だと思います。

いろいろ書いたけど、ほんと男性は読んだ方がいいと思います…。

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【プロレス本部門】

今年は妙にたくさんプロレス本が出たので、その中の一冊を決めたいと思います。
本当だったら本屋プロレス開催のきっかけとなった高木社長の「年商500万円の弱小プロレス団体が上場企業のグループ入りするまで」とか、元週刊プロレス記者である市瀬英俊さんが半生を費やした渾身の一冊「夜の虹を架ける 四天王プロレス『リングに捧げた過剰な純真』」 あたりを入れないといけないんですが、インパクトで言ったらこれでした。

〇「50歳で初めてハローワークに行った僕がニューヨーク証券取引所に上場する企業でゲストコーチを務めるまで」ケンドー・カシン(徳間書店)

いや、これ表題のWWEに雇用された話は第一章で終わっちゃって、あとはカシンがずーっと好き勝手にペラペラいろんなことを言ってるだけの本なんですけど、それがめちゃめちゃ面白い。
この場合の面白いとは「え、そんなこと書いちゃっていいの!?」的な、悪いファン的な意味での「面白い」ですね。
たぶん読者が増えれば増えた分だけ「意味がわからない」「そんなこと書くなよ」みたいな反応が増えてきてしまうので、筋合いの悪い私のような好事家みたいなファンが読みながらところどころブハッと噴き出してる、なんだコイツ気持ち悪い…みたいな扱いでちょうどいいような気がします。

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【2019年の実用書トレンド】

今年はそんなにブランニューな健康ブームとかも起きず(スーパーでゴボウ茶を見るたびに南雲先生を思い出します)、あいかわらず『やせる』『長生き』『ストレッチ』みたいなのが代わる代わるやってきていました。
味噌汁で長生きするそうですよ。

そんな中、少しブームになってるのが
「腹をすかせろ」
でしょうか。


〇「空腹こそ最強のクスリ」青木 厚 (アスコム)
〇「月曜断食 『究極の健康法』でみるみる痩せる!」関口 賢  (文藝春秋)


知らない人は全然知らないと思いますが、書店では今年このあたりが結構なベストセラーになっていました。

食糧難の時代→飽食の時代とやってきて、次は「空腹の時代」がやって来るんでしょうか。やだなあそれ。

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【2019年の児童書トレンド】

 

別格的に売れまくった「おしりたんてい」は置いておき、完全に1ジャンルを確立したのが「生物雑学」みたいな本。

2017年にベストセラーとなった「ざんねんないきもの」(高橋書店)はその後シリーズ第四作まで出て、シリーズ累計350万部だそうです。
すんごいですね。
サンシャイン水族館で実際に展示までしてました。

あと『わけあって絶滅しました。』(ダイヤモンド社)。
こちらも続編の『続 わけあって絶滅しました。』とあわせてシリーズ68万部。

どちらもバラエティ番組のノリを子どもの本に投入して作られた印象があります。

そして今、児童書コーナーで圧倒的シェアを取ってるのがこれ。

どっちが強い!?
https://mangagakushu.kadokawa.co.jp/kagaku/

日本男子は「宮本武蔵vs佐々木小次郎」から「アントニオ猪木vsジャイアント馬場」はては「グラップラー刃牙vs範馬勇次郎」まで似たようなポジションのキャラクター二人を見るとすぐに「『コイツとコイツを戦わせたらどっちが強いんだ!!』が発生する病」に憑りつかれていますが、当然それは人間以外にも発動します。
それを本にしたのがKADOKAWAのこの通称「vsシリーズ」。
「ライオンvsトラ」とか「ゴリラvsクマ」あたりはともかく、「サシハリアリvsグンタイアリ」あたりはマッチメークとしていささか弱いのではないか…と思いつつ、新刊が出ると着実に売れていきます。
おそらくこの先の流れは結局ジャイアント馬場とは戦えなかったアントニオ猪木が柔道やボクシングといった他ジャンルの選手と異種格闘技戦を始めたように「ゴリラvsクジラ」とか「ゾウvsダイオウイカ」みたいな『そもそもルールをどうするねん=ルール設定こそが真の戦い』みたいな戦い模様にシフトしていくのでは、と想像しています。

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【気になった2019年書店店頭でのトレンド】


〇コミック既刊格安パックの波

電子書籍が定着して、その影響を一番受けたのはコミックですが今年ぐらいから「人気コミックシリーズ既刊の先頭巻をパックして期間限定で格安販売する」という試みが増えてきました。
「空母いぶき」「あひるの空」「ケンガンアシュラ」など。

「あひるの空」の期間限定1冊100円はインパクトありましたね…。
その後の続巻の購入にもつながってる感じはありますし、よい取組ではないでしょうか。


〇出版社主導の店内アトラクションの増加

お客さんに書店の中で謎解きをしてもらおうという、ポプラ社の「おしりたんていなぞときイベント」が今年始まったんですが

https://oshiri-tantei-nazotoki.jp/

同種の『書店の中でお客さんに遊んでもらう』試みがポケモンやノンタンといった各社児童書人気キャラクターで開催されるようになりました。
『イベント』とついてますが実際はアトラクションですね。

お金と手間をどうするか、という課題はついて回りますが基本的にはいいことしかないので、店舗運営に負担がかからないのであればなるべく実施したいと考えています。

児童書以外でも出てくるかもしれません。


〇キャッシュレス決済多過ぎ

現在伊野尾書店でのお支払い方法はこれだけあります。

・現金
・図書カード
・図書券
・クレジット
・ギフト券(クレジット会社発行の商品券)
・PASMO、Suica、その他交通系IC
・iD
・楽天Edy
・PayPay

これだけあっても「クオカード使えますか」「LINE Pay使えますか」「nanaco使えますか」と日々尋ねられたりしています。
それまでもSuicaとかは多かったですが、10月の消費税導入時のキャッシュレス決済還元策が始まってから一気に増えました。

で、政府はよいのかもしれませんが小売店側からすると別にうれしくはないです。
上記でいうとPayPay以外すべて手数料を3~5%ぐらい引かれるからです。利益を減らしてるのが現状です。
(いずれPayPayも手数料が発生するようになるはずです)

そして図書カード、クレジット、電子マネー系決済は通信機器を使用するため、ちょいちょいアクシデントが起きてるのが現状です。
・通信障害
・インターネット回線の不具合
などがあるともう使えません。
先日はSuica決済の際にピッ!と音がしたもののレシートが出ず、端末の記録もなく引き落とされている様子がない、けどお客様は「引き落とされてるはず」ということでデータセンターに電話して調べてもらったところ「引き落とされてる、レシートが出なかった理由はわからない」みたいなドタバタがありました。

キャッシュレス決済は確かにお金の数え間違いや逸失はなくなりますが、その分利益が減って別の手間が増えてる、というのが実感です。
でもそれに合わせてかないといけないんですよね…。


【最後に】

2019年を振り返ると、3つのことが印象に残りました。


①店舗インフラの有難さ

秋ごろに外商ソフトのデータ更新ができなくなり、その理由を究明するのに苦労しました。最終的には「システムの復元」というので治ったのですが、「それまで何の問題もなく使えていたインフラがある日いきなり使えなくなる。理由不明。対応策を教わるもその通りやってもうまく動かない」というのが本当にストレスになりました。

その少し後に「いきなり店のネット回線が切れる」というアクシデントもありました。
ネット回線が切れると
・図書カード、クレジット、電子マネー系決済が使えない
・発注、検索、データによる在庫確認ができない
という事態に発展します。
このときもネットで見つけた「こうすれば復旧はず」という方策で直らず、さんざん苦労した末に「ルーターが故障している」ということがわかり、あわてて新宿のビックカメラまで買いに行って交換したことがありました。

11月には自動ドアから異音が出るようになり、修理・交換ということになりました。
自動ドアの交換には一度接する棚什器をどかさないといけなくなり、その撤去&復元には時間と手間がだいぶかかりました。

無事に営業できる、といのは店舗インフラが順調に動いているからできることで、その維持にはお金と手間がかかる。
逆にインフラが動かないとその修復にかかりきりになり、本業が手つかずになります。


②閉店するお店が続いた

中井の町ではこの一年の間に、地元で長く続けられてきた多くの店が残念ながら閉店してしまいました。
八百屋さん、スーパー、居酒屋、カフェ、パン屋さん、焼き鳥屋さん、ケーキ屋さん、カレー屋さん…。
たぶん記憶する限り一番「店が閉まった」一年だったと思います。

これだけ閉まっていくと街の空気は変わってしまうし、「いずれウチも…」ということが頭に浮かんでしまうときもあります。

一方で新しく開店されたお店もあります。
東京信用金庫前にできた「お茶の間キッチン カブトムシ」は自家製シロップで作ったお酒や野菜を使った酒の肴、ランチだとルーロー飯がおいしい素敵なお店です。
https://tabelog.com/tokyo/A1321/A132104/13239826/

新しくできるお店は少なくても「その町に希望がある」と判断されるから多額の資金と多大な労力を払ってまで出店されるわけで、そんな人たちがポツポツと出て来てるのだからまだ大丈夫なんじゃないか。

そんなアンビバレントな感情に引き裂かれた一年でもありました。


③意外にもった

②の延長みたいな話ですが、これだけ街から店が閉店していく時勢で、確実に世の中から本を読む人口は減っており、あげく10月には消費税が上がる。
もう秋以降はどうなってしまうんだろう…?という不安が今年の夏ぐらいにありました。

で、いざ消費税が10%に上がってどうなったかというと、10月は前年並み、11月・12月にいたってはなぜか前年より売り上げが上がりました。
いや、ありがたいんですが、理由はさっぱりわかりません。
20年やってますが「どうしてお客さんが増えるのか」「どうして減るのか」は外部要因も多くて考えても仕方ないというか、それより「自分たちでできることだけを考える」方が精神衛生上いいような気がします。

イチローや松井秀喜も「自分でコントロールできないことは気にしない」と言ってますしね。
https://asahi.gakujo.ne.jp/common_sense/morning_paper/detail/id=555


今年できたこととしては

・児童書の拡張、レイアウト変更
・同人誌、リトルプレスの取り扱いを始める(「でも、こぼれた」「うもれる日々」他)
・1万円選書
・サイン本の遠方発送
・「本屋プロレスagain」開催
・ベーカリーカフェ「キュイキュイ」さんのサブレ販売

また、多くの作家さん、著者さんにご来店いただきサイン本や色紙などを作っていただきました。
この場をお借りして御礼申し上げます。


いろんな方のご支援があって今も店がもってるな、と実感します。

働いてくれているスタッフ。
ご利用してくださったお客さま。
本を運んでくれる物流業者と取次のみなさん。
本を作る出版社の方々。
同じ書店グループNET21の方々。
商店街や街の方々。台風のときはホントお世話になりました。
さっき書いた自動ドアとか防犯カメラとかインフラを支えてくれる業者の方々。

よくスポーツ選手とかが記録を作った時とか引退の時に「たくさんの人の支えがあったから」「みんなに感謝したい」みたいなことをテンプレのように言いますが。

あれ、たぶん本当にそう思ってるんです。
ふと立ち止まると、自分はいろんな人に支えられてるな…と。

私一人でできることなんてほとんどありません。
常に誰かに手伝ってもらってるのが実情です。
そこに若干の「すまないねえ…」みたいな気持ちと「ありがたいなあ」という気持ちがあわさって、けど普段は次から次へバッタバタとやるべきことが訪れて、そういう気持ちが上塗りされてしまってるんです。

なのでちょっと落ち着いた年末にお伝えします。

いつもありがとう。


2020年もまた変わらぬおつきあいをいただければうれしいです。


伊野尾書店 伊野尾宏之

 

 

 

December 24, 2019

「スワン」呉勝浩

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〇「スワン」呉勝浩(KADOKAWA)


4月の日中、ショッピングモールで起きた無差別乱射事件。

21人が死亡、多数の重軽傷者を出した凄惨な事件は犯人も死亡することで幕が引かれる。

しかし後日、犯人に接触し『次に殺す人間はお前が選べ』と指示され、結果的に生き延びた少女に非難が集まる。

彼女が隠す「事件の最中に起きていたこと」は何か?


日常の中に突然発生した殺人事件で、居合わせた人のうち何人かに「他人に言えないこと」が生まれる。

それがなんだったのか、突き止めようとする弁護士。

偽証し、黙秘し、何かを隠す当事者たち。


常に誰かが「言えないこと」「言わないこと」を抱え、それを明らかにしようとしていく展開に読みふけってしまった。

正義とは何か。

「悲劇を乗り越える」とは具体的にどうなったら「乗り越えた」ことになるのか。

「『悲劇』はもうひとつの顔を持つ」のコピーが重い。


森村誠一の「人間の証明」を思い出した。あれも角川だった。

この作品もいずれドラマか映画になりそう。

徳下弁護士は堺雅人がやるような気がする。


(H)

December 17, 2019

年末年始の営業につきまして

いつも当店を御利用頂き、誠にありがとうございます。

年末年始の営業時間は下記の通りとなります。

 

12/30(月)  11002000

12/31(火)  11001800

1/1() 1/3(金)  休業

1/4(土) 11002000

1/5(日)  休業

1/6(月) 通常営業

 

よろしくお願いいたします。

 

※新刊発売は年内12/28まで、年始は1/4からです。

 

伊野尾書店 

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