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January 06, 2019

上下巻合わせて704ページの大作・吉田修一「国宝」を私はなぜ読もうと思ったのか

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○「国宝(上・下)」吉田修一(朝日新聞出版)

 
 
吉田修一の長編小説、と聞くと私はいつも構えてしまいます。
 
「絶対面白いんだろうな」と思いつつ、同時に「テーマも重いんだろうな」と。
読み始めると絶対面白いに決まってるです。
わかってるけど、なんとなく腰が重い。
 
この「国宝」もそうでした。
気になりつつ、上下巻のボリュームになんとなく腰が引ける。
しかも歌舞伎の話。
知らなくはないけど、縁遠い世界です。
 
しかし秋ぐらいでしょうか、よくいろんな小説をうちで買ってくださる常連のお客様からLINEが来たのです。
(問い合わせや感想などの連絡したい人に私はLINE交換しています)
 
「吉田修一の『国宝』、読んだ?
 いま新幹線の中で下巻読んでるけど、泣いてます」
 
それを見た時に「やっぱりこれは読まないといけないなー」と思ったのです。
 
 
と言いながらそれからもバタバタして、やっと読むことができたのはこの年末年始でした。
 
「国宝」。
 
素晴らしかったです。
 
面白かった。
先が気になってどんどん読んでしまい、気がつくとどんどん寝る時間が遅くなりました。
 
 
 
 
極道の子として生まれながら、数奇な運命で歌舞伎役者への道を歩むことになる喜久雄。
歌舞伎界の名女形の息子としてその道を継ごうとする俊介。
 
「国宝」は二人を中心に展開される壮大な人生ドラマです。
青春期の友とのかけがえのない時間。
甘酸っぱい恋。苦い別れ。
重くのしかかる家柄、歴史。人の悪意。スキャンダル。家族がいることの喜び。賞賛。
交差する人生の悲喜劇。
 
彼らの人生をたどるうちに自分自身も彼らとともに青春を生き、艱難辛苦を経て檜舞台への階段を駆け上がり、そしてともに老いていくような、不思議な追体験をした気分になりました。
講談調の独特の語り口もあって、この小説自体が一幕の大芝居のようです。
 
歌舞伎を知っていれば「ああこれは…」という楽しみ方も増えるでしょうが、知らなくても全然読めます。そして歌舞伎を見てみたくなる。
 
先のお客様が私にLINEしてくれたように、今度は私が別の誰かに伝えたい。
 
「『国宝』は2018年を代表する作品であり、どんな人にも自信を持って薦められる小説です」と。
 
 
(H)
 

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