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August 20, 2018

芸能界の天と地を見た男の40年史 ~岡野誠 『田原俊彦論』

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○『田原俊彦論 芸能界アイドル戦記1979-2018 』岡野誠(青弓社)

日本のこの40年の芸能史の中で、田原俊彦ほど栄枯盛衰を極めた人はいないのではないかと思う。
『3年B組金八先生』でデビュー、たのきんトリオで人気爆発、その後アイドルとして下降線をたどりかけたところで1980年代後半には主演ドラマ『教師びんびん物語』の大ヒットでまた大人気に。
しかし1994年の長女誕生会見の際の「何事(結婚も出産も)も隠密にやりたかったけど、僕ぐらいビッグになってしまうとそうはいかないということがよくわかりました」という発言がマスコミからのバッシングに遭い『傲慢』というイメージをつけられ出演が徐々に減少。
2000年代にはテレビからすっかり消えていく。
だがここ何年かでバラエティ番組などでバッシング報道された当時の事情などを語る機会などもあり、徐々に再評価の動きも出てきている。
 
そんな田原俊彦の40年の足跡と、彼を取り囲んだ時代背景を語る本。
いかんせん著者の田原俊彦愛が爆発していて、後半になるにつれ「田原俊彦はこんなものじゃないはず」「田原俊彦は再評価されないといけない」的愛情表現が多いのが目につくが、全体的には面白かった。
1994年の長女誕生会見の「僕くらいビッグになると」発言がきっかけで始まったマスコミの集団バッシングについて、それはどのように始まり、どう世間に伝えられたのかの検証が興味深い。
インターネット登場以前、マスコミは芸能人に「逐一我々の取材に応じるのは当たり前」と考えており、それに芸能人たちは時に嫌気を感じながら応じていた。
今みたいにブログで発表すればそれでよかったり、マスコミ側の横暴さがネットで叩かれることもなかった時代はお互い不幸な軋轢が生まれたんだなーとあらためて実感する。
そして田原俊彦が凋落していくのと交差するようにSMAPがシーンに上がっていく話は象徴的だった。
 
2000年代後半くらいに井ノ原快彦がひっそりと田原俊彦擁護運動を自分の番組でしていたことを知る。
井ノ原快彦がホームセンターで偶然田原俊彦に会ったとき、2人は同じミネラルウォーターの箱をカートに入れてたが自分は一箱だったのに井ノ原が二箱入れてたのを見て「おまえ、力持ちだな」と田原俊彦が言った、というのはいい話だと思った。
 
『教師びんびん物語』は中学生の頃、夢中になって見ていた記憶がある。普通に感動して見ていた。
(この本で「2」以降何回かスペシャルが作られていたことを知りました)
あの主題歌「抱きしめてTONIGHT」について、バックダンサーの人が「あの曲の振り付けは(※足を高く上げる動きが多い)アスリート並みにすごく体力を使う動きなんです」と言ってて、テレビで初収録した時に気分が悪くなって吐いた、という話がよかった。
そんな動きを田原俊彦は56歳になった今でも(多少動きを簡易的にしてる部分はあるだろうが)コンサートで踊りながら歌うという。
この本読んで初めてあの曲は「どこがサビが不明」ということに気がついた。
トシちゃんに敬意を表して今度カラオケで歌おうと思う。
足は上がらないけど。
(H)

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