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December 02, 2017

降伏の記録

○「降伏の記録」植本一子(河出書房新社)

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「かなわない」「家族最後の日々」に続く植本一子さんのエッセイ3冊目。
正直、「そろそろもういいかな」という思ってしまい手つかずにしていたら読んだ人から「これは読んだ方がいい」と言われ読みました。
そしてそれは正しかった。

この本は植本一子三部作の最終章なんだと思います。

植本さんのエッセイはすべて同じフォーマットで成り立っています。
家族と自分をめぐる日常の身辺雑記が続き、そこに突然爆弾のような告白が落とされる。
テンションは変わらない。ただ書いてるモードがまったく違ってる。
内容はまったく異次元に変わってるのに、同じテンションで語られるギャップに動揺させられる。

今回も同じような作りです。
違うのは、日常雑記のパートからすでに不穏の種がそこかしこに落ちていることで。
そしてそれは終盤落とされる(よくこれを書くなあ…)という爆弾に静かに向かっていくのですが、すでに爆弾の導火線が見えていた分、今回はまったく予想できないものではありませんでした。

ただ、思ってることと、それを本に書いて公に発表することはまったく別の次元であって、それを表に出してしまうことに植本さんの物書きの業を禁じ得えなかったです。

共感するにせよ反発するにせよ、誰しもどこかに引っかかりを覚える作品ではないかと思います。
多くの人から感想を聞きたいです。

http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309026206/

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