« 九月が永遠に続けば(毎年シーズン終わり間際になると勝ちだすロッテファンの叫び) | Main | 「プロ野球」を人生に選んだ青年たちの岐路 ~田﨑健太「ドライチ」 »

October 02, 2017

中井文庫2017中間報告

20171

ノンフィクションライター、劇作家からプロレスラー、女王様まで多種多様な23名の方々がおすすめ文庫本を紹介するフェア「中井文庫2017」、スタートから一か月が経過しました。
折り返し地点でもありますので、中間報告をさせていただきたいと思います。

おかげさまで今年は例年以上に反応(売上ともいいます)がとてもよいです。
これもひとえに買っていただいたお客様、選者の皆さま、ともにありがたく思っております。

今のところ一番人気はこだまさん(主婦、『夫のちんぽが入らない』著者)推薦のこちらの本です。

○『臣女』吉村萬壱(徳間文庫)

Photo

夫の浮気を知った妻は、ある日を境に身体が巨大化していく。
絶望感と罪悪感に苛まれながら、夫は異形のものと化していく妻を世間の目から隠して懸命に介護する。

しかし、大量の食料を必要とし、大量の排泄を続ける妻の存在はいつしか隠しきれなくなり、極限の日々で夫はある決断を迫られることに…。

やー、こだまさんはやっぱりすごい小説選ぶなあ…と思ったらこれが一番売れ行きいいです。
こだまさんのTwitterなどで買いに来てくれた方も多かったと思いますが、たまたま見て買っていただいた方も少なくない気がします。
こだまさんがなぜこの本を推すのか、ということは店頭で配布している小冊子にコメントが全文載っていますのでそちらをご覧ください。

著者の吉村萬壱さんは「はじめはホラー小説を書こうと思ってはじめた」そうですが、そんな小説が第22回島清恋愛文学賞という「恋愛小説の賞」を受賞してしまうのが面白いです。
相当ぶっ飛んでいる世界の中で恋愛、家族、ホラー、そうった「人間の感情」にまつわる物語が地続きであることを証明した稀有な小説だと思います。

http://www.tokuma.jp/topicsinfo?tid=9683

こだまさん推薦の『臣女』と並んでよく売れている、二番手作品はこちら。

 

○「男たちへ フツウの男をフツウでない男にするための54章」塩野七生(文春文庫)

Photo_2

推薦者は落合駅そばの合気道仙元館道場長・高島先生です。
http://www.sengenkan.org/about/

仙元館さんは合気道の開祖・塩田剛三が開いた養神館の流れを汲む由緒ある道場で、外国から合気道を習うためにここに来られる方も多い、落合の隠れた名所でもあります。
その館長である高島先生にはいつかこの「中井文庫」に登場していただきたいと思ってましたが、今年参加していただくことができました。

その高島先生が推薦したのがこちらの本。

こちらの高島先生の推薦理由も「なるほど~」と思わせる深いものがあります。

『男たちへ』は『ローマ人の物語』の塩野七生が男たちに贈る毒と笑いの五十四のアフォリズム(警句集)です。
本が出たのは1993年と、今から四半世紀も前ですがどの時代にも通用する深い言葉にあふれています。
印象に残った部分を一つ。

「若者が、優しくあるはずないのである。すべてのことが可能だと思っている年頃は、高慢で不遜であるほうが似つかわしい。
優しくあれるようになるのは、人間には不可能なこともある、とわかった年からである。 自分も他者も、限界があることを知り、それでも全力を尽くすのが人間とわかれば、人は自然と優しくなる。 優しさは、哀しさでもあるのだ。 これにいたったとき、人間は成熟したといえる。 そして、忍耐をもって、他者に対することができるようになる。」
(「男が上手に年をとるために」)

上記二つ以外にも「中井文庫」はいろいろ魅力ある本が揃っています。

10/31までの開催ですので、ぜひ足をお運びください。

« 九月が永遠に続けば(毎年シーズン終わり間際になると勝ちだすロッテファンの叫び) | Main | 「プロ野球」を人生に選んだ青年たちの岐路 ~田﨑健太「ドライチ」 »