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July 17, 2016

選挙と本屋


先日の参議院選挙が終わって開票結果が出たときに、SNSを見てるとまわりで「こんな結果になるんだ」という声がちょこちょこ見られました。
その中でも

・こんなに自民党が勝つとは(そして野党が票を伸ばせないとは)思わなかった
・あれだけ演説動画が出回っていた(そして称賛されていた)三宅洋平が落選するとは思わなかった

という二点をよく見かけました。

この、自分がなんとなく思い描いてた「現実社会」と本当の現実社会にズレを感じて「あれ?」となることは、本屋をやってて非常に多いです。

一番感じたのは古くなりますが、2001年の9.11テロのときでした。
あのときはテレビを見て「大変だ!」となり、翌日から関連しそうな本を手配しました。
イスラム、アメリカと世界、グローバリゼーションといったテーマの本が多かったです。
それが店に届いて、「緊急!テロはなぜ起きたか」的なミニコーナーを作りました。

ところがそのコーナーが思ったほど売れていかない。
いや、見てたお客様は非常に多かったんです。
実際、ポツポツとは買われました。
でもこちらはもっとバーッとした売行きを想像していました。
多くの人は世界情勢に切迫感を持っていて、このテーマについて関連したなんでもいいから読みたい、くらいに思っていたのですが、蓋を開けてみればそこまででもなかった、という感じでした。

あのときが一番「あれ?」と思った瞬間です。

その後もいろいろな社会的な事件、情勢に応じて関連書を並べたミニコーナーを作ったりしました。(もちろん今もしていますが)

たとえば小泉首相が郵政民営化を唱えて総選挙になったときは「官と民」みたいな本を揃えたり、年金未納問題が発覚したときは社会保障の本を揃えたり、リーマンショックのときは経済や金融の本を増やしたり、3.11の時は地震関連本、そして原発関連の本を揃えたり。
このなかでいうと3.11の地震、放射能関連の本は少し売れたのですがあとはあまり売れませんでした。
そしてどんな大きな社会的な出来事が起きても、店頭ではやっぱり雑誌やコミックやビジネス書あたりが売れていくわけです。

そうするとだんだん「みんなテレビでさんざんやってるようなことは本を買ってまで読まないのだろうか?」という考えが浮かび上がってきます。
繰り返しますがゼロじゃないです。少しは売れる。けど、「世の中が大騒ぎになっている」ことを考えればあきらかに少ない。

そのうち、
「メディアで伝えるニュースを同じように見てても感じることや気になることは人によってまったく違う」
「そもそも同じニュースを見ていないかもしれない」
ということを思うようになりました。
言い換えると、自分とはまったく違う・自分には理解できない感覚を持った人が、世の中にはものすごくたくさんいる。
むしろそちらが多数派だったりする。

この15年くらい、ずっとそういう誤差みたいな感覚を感じながら仕事しています。

テレビを見てるとあまり感じませんが、ネットを見てると今の内閣の方針に危機感や警戒感を持ったニュースや意見を非常によく目にします。
そういうのを見てると「国民のほとんどが不安を持っているのでは」と思ってしまうのですが、選挙をやれば「現内閣を支持」が多数派です。
有権者の半数近くが選挙に行かないのも原因のひとつかもしれませんが、ともかく選挙をすると自分の感覚がこんなマイノリティーなんだ、ということを毎回否応なく感じさせられます。

その誤差のようなものをもう少し体系的につかめると、社会に一台変化があるときにでも本屋に来てくださるお客様が潜在的に何を欲してるか、こちらもつかめるんじゃないかなと思います。
今はまだぼんやりと“こんな感じなのかな”しかつかめてません。

とりあえず先日読んだ、ブロガー議員として有名な東京都北区区議会議員であるおときた駿さんが,4人のギャル男に政治を教える『ギャル男でもわかる政治の話』(ディスカバー21)はめちゃめちゃよい本でした。
「日本を三代目J Soul Brothersに例えるとアメリカはEXILE」で国際関係を説明しますから。
これタイミングが少し遅れてればイギリスのEU離脱問題はSMAP…なんでもないです。
日本の社会保障負担を「ドラえもんと未来のセワシにたよりまくるのび太」で例えるという豪快さに惚れました。

「むずかしいことをわかりやすく教える」というのは良い本を構成する上で最大の要素だと思うんですが、この本はよくできています。
もちろん細かく言えばはかなり強引なんでしょうが、最初にとっかかりとして読むにはすごくいい本です。
国政だけでなく自治体選挙編も読みたいです。

http://www.d21.co.jp/shop/isbn9784799319192

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☆夏、はじめました

夏の書店の風物詩、各社文庫夏フェアはじめました。

新潮文庫はキュンタ(ロボットだそうで)のしおり、
http://www.100satsu.com/

角川文庫はオリジナルのブックカバー、

http://www.kadokawa.co.jp/hakken/kadofes/summer/present.php

集英社文庫は「しおりにもなるぱっちんバンド」
http://natsuichi.shueisha.co.jp/present/index.html

をそれぞれお買い上げごとに差し上げてます。

しかし、集英社文庫ナツイチはずいぶん凝ったサイト作ってますね。
http://natsuichi.shueisha.co.jp/ 

このショートムービーといい、「あなたのナツイチ診断」といい。

ナツイチ診断やってみましたが中条あやみさんが私のために紹介してくれた一冊は「僕のつくった怪物」(乙一)でした。

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そして集英社夏のコミックまつり「ナツコミ」も始まりました。
http://natsucomi.shueisha.co.jp/

対象商品をお買い上げのお客様にワンピースのバッジさしあげています。

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☆サイン本

○雨宮まみさん「まじめに生きるって損ですか?」(ポット出版)

○田房永子さん「キレる私をやめたい」(竹書房)

ともにサイン本入りましたが残りわずかです。
(7/16現在「まじめに~」残り2冊、「キレる私を~」残り1冊)
お早めにどうぞー。

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☆最近読んだ本

○「脳が壊れた」鈴木大介 (新潮新書)

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「最貧困女子」などの著作があるライターの鈴木大介氏が脳梗塞で倒れるまでと倒れたあとを書いた手記。
鈴木さんは41歳で脳梗塞に倒れました。
病気の原因はいくつかあれ(詳しく書かれます)、自分と同年代の人間がこういう病に倒れることに「自分にもそういう可能性があるんだ」と重苦しく不安を突きつけられました。

脳梗塞に限らず脳の病気になると、認知症の高齢者や発達障害の人と同じような症状が現れるそうです。
病気と老化は違っていても「脳が壊れる」と出てくる現象は似るようです。

鈴木さんの奥さんの話が大変よいです。
病気は誰のせいでもなく、まして奥さんがどんなであれ、他人がとやかく言うことではありません。
現実に、この夫婦はお互いがお互いを必要としている関係であり、そこは無理に美しい物語にすることもなく、著者が言う「人は一人しか支えられない」をそのまま体現した結果、このような夫婦の物語ができたんだなーと沁みました。
そう、いろいろ沁みる話が出てきます。
(最終章のサプライズとか)

闘病の物語はお涙頂戴の要素の強い/弱いはあれど、結局似た結論にたどりつくのだな、と感じました。

結局、人は誰かに助けられるわけで、「人の支援は資産」なんだと思います。
非常に考えさせられる手記でした。

 

☆おまけ

○「NumberPLUS プロレス2016」のどこかにひっそりと出ました。けど探さなくていいです。

 「Number」は写真がホントすばらしいです。

 飯伏さんのと鈴木みのるの記事が特によかったです。

Number2016

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http://number.bunshun.jp/articles/-/826016

※中邑真輔版の表紙と内藤哲也&オカダ・カズチカ版の表紙の2種類が出ていますが柳澤健さんが書いた記事が差し替わってるほかはすべて同じ内容です

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