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August 2015

August 31, 2015

「中井文庫2015」開催のおしらせ

今年も9/1~10/31までの間、蕎麦屋店主、歯医者、大学教授、作家、漫画家、写真家、プロレスラー、バーテン、書店スタッフなどいろんな方々によっておすすめの文庫を選んだフェア「中井文庫」を伊野尾書店にて開催いたします。

今年の参加者は、

(五十音順)

☆青山裕企さん(写真家) https://twitter.com/yukiao

☆河合良文さん(目白大学社会学部メディア表現学科教授)

☆梶原直子さん(歯科医/中井駅前歯科)

☆清野茂樹さん(アナウンサー) https://twitter.com/kiyoana

☆九龍ジョーさん(ライター・編集者)https://twitter.com/wannyan

☆島田潤一郎さん(夏葉社) https://twitter.com/natsuhasha

☆そえまおにゃん(バーテンダー/新宿ゴールデン街「ハニー」)https://twitter.com/MILKROSEXXX

☆竹下幸之介さん(プロレスラー/DDT) https://twitter.com/Takesoup

☆寺内梨奈さん(角川春樹事務所・編集部)

☆直井翔太郎さん(双葉社・営業部)

☆羽山 將太さん (信用金庫職員)

☆平山夢明さん(作家)

☆古橋由美さん(栗田出版販売)

☆belneさん(マンガ家) https://twitter.com/radio_be

☆柳澤健さん(ノンフィクションライター)

☆脇本久さん(手打蕎麦「又八郎」店主)

☆伊野尾書店スタッフ一同

といった方々です。
意外な人が入ってると思います。
意外な1冊をおすすめしてもらってたりします。

どの人がどんな本を選んでいるのか、9/1よりぜひ店頭でご確認ください!

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August 17, 2015

理解する難しさとやさしさ ― 田亀源五郎「弟の夫」

私は中学から男子校に通った。
中高一貫の学校だったので6年間、同じ敷地内に男子しかいない環境にいた。

中1の頃は純粋に楽しかった。
けど中2の途中くらいから男子しかいない環境に閉塞感を感じていた。
高校に入った頃になると絶望感のようなものを感じるようになった。

女子がいない。
わかっていたことではある。
けれど中学入学前の小学六年生にはそれがどのくらい灰色のことなのか、想像もつかなかった。
その頃読んでた「少年マガジン」には安達哲が「ホワイトアルバム」という青春マンガを書いていて、その中では同じ高校に通う男女が日々起きる小さな出来事やハプニングに振り回されつつ、自我の確立と好きな相手と思いを通わせる様が美しく描かれていて、そのような学園生活(実際にはこんな学園生活を送る高校生は共学でもごく少数だったと思うが)に憧れながら、垢抜けないグレーのジャージに着替えて体育の授業に向かっていた。

男子校にいると世の中に確実に存在するはずの女性という存在が別の世界で生きている人たちに思えてくる。
学校にいる女性は30代後半の英語教師と、まだ20代後半の音楽教師、購買部のおばちゃん、食堂のおばちゃん。
それしか目にしない。
あとは500人くらいすべて男だ。
そうすると良いも悪いもなく、だんだんそういう「男しかいない世界」が普通になってくる。
それでなくても思春期の高校生が集まっている場だ。
同級生の中には休み時間などにふざけて「おまえ乳もませろ」とか身体を触ってくる人間がいて、大半はふざけてやってただけだと思うが、中には「彼の場合はもしかしたら違うのかもしれない」と思う人もいた。
真実はわからない。
別段それ以上何もないのだから、わかる必要もなかっただろう。

しばしば噂は流れてくる。
「何組のAはホモで、よく一緒にいるBもそうなんだってよ」とかその類の話だ。
誰も事実を確認できないし、確認できないからこそ噂は流れる。
噂はしばしば登場人物の組み合わせを変えて教室に流れた。
そのたびに「うええマジ!?」みたいな喜ぶような反応があちこちから出ていた。
今思えば恋愛の噂話ができないのを無理やりそういう話で代用していたのかもしれない。
当時の私たちにとって「ホモ」という言葉は誰かを貶めようとするときに使う一番強い言葉だった気がする。
私も教室でプロレス雑誌とか見ていたから、「男の裸が好きなホモ」と何度か言われた記憶がある。

あの頃の私たちはなんであんなに同性愛者を嫌悪してたのだろうか。
女の子がいない環境への不満の裏返しというか、もしかしたら「ここにいたら自分も同性愛者になってしまうかもしれない」みたいな潜在的な不安がそういう攻撃性に変わっていたのかもしれない。
でも、私たちの学校は一学年で350人くらい、中高合わせた全校生徒で2000人くらいいたのだ。
それだけいればいろんな趣味嗜好をもった人がいるのが当たり前だ。
一学年下に「トラブルを起こして」停学になった生徒がいたが、その内容は一人の生徒が同級生に思いを打ち明けて、それを断られてどうのこうの、という話がまことしやかに流れた。
真実はわからない。
わかる必要もない。
結局卒業までに誰かから直接カミングアウトを聞く機会はなかったが、そういう話はわりと近いところにあるのだろう、と思っていた。

「弟の夫」(田亀源五郎、双葉社アクションコミックス)というマンガを読んだ。
アパートの管理人として生計を立てている弥一と小学生の娘・夏菜の父娘二人暮らしの家に、マイクと名乗る男がカナダからやって来る。
マイクは亡くなった弟の結婚相手だったという。
弥一は戸惑いながらマイクを自宅に招き入れる。
夏菜は「男同士で結婚って出来るの?」といったピュアな質問をマイクに向けるが、マイクは屈託なくそれに答える。
弥一は突然現れた「弟の夫」と微妙な距離感で接していく…。

一巻を読む限り、弥一は異性愛者だ。
だからといって同性愛者を撥ねつける気持ちはなく、なんとか理解したいという気持ちを持っている。
しかし、そう思いながら弥一はマイクのちょっとしたふるまいに「ビクッ」としてしまう。
同性愛者を近くに迎えた男性心理がすごくうまく描かれている。

人が人を受け入れること。
理解しあうということ。
とてもいいマンガだと思います。

ところで、私の好きなDDTというプロレス団体には男色ディーノというゲイレスラーが出ている。
ディーノは自分の試合の入場時に客席を眺め、好みのタイプの男性客がいると無差別にキスをする。普通に口にする。
それが常連客であろうと、たまたま何かのつきあいで見に来ただけの客であろうと、目についたところにいてロックオンされれば男性客は唇を狙われる。
男性客は逃げまどい、女性客はそれを見てゲラゲラ笑う。
かくいう私も会場でキスされたことがある。わりと一瞬の出来事だった。
何かの香水をつけているのか、ちょっといい匂いがした。

しかしここ数年、DDTとディーノの人気が上がってきて認知されるようになると、男性客はあまり必死で逃げなくなった。
キスされても笑顔で「いい記念になった」的なリアクションをしている客が多い。
そうするとあまり面白くないのか、あるいは単純に飽きてきたからなのか、最近ディーノは前ほど熱心に男性客を襲わない。
ずっと見ているDDTのファンからするとディーノは「ゲイレスラーの男色ディーノ」から「プロレスラーの男色ディーノ」になってきており、“ゲイ”の部分は「ああ、言われればそうだったね。まあいいんじゃん?どっちでも」みたいな感じになっているように見える。

みんなこうだといいのにな、といつも思う。
結局は慣れなのかもしれないけど。

夏菜「ねえマイク?」

マイク「ハイ?」

夏菜「マイクとリョージさん、どっちが旦那さんでどっちが奥さんだったの?」

弥一「(お…ちょ…夏菜!おまえなんてこと…)」

マイク「奥さんいません。どっちもハズバンド」

夏菜「ハズバン…どっちも旦那さん?」

マイク「奥さん女の人でしょ?」

夏菜「うん」

マイク「旦那さん男の人でしょ?」

夏菜「うん」

マイク「私とリョージ、どっちも男の人でしょ?」

夏菜「うん」

マイク「だから私のハズバンドはリョージ。リョージのハズバンドが私」

(「弟の夫」第四話より抜粋)

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August 12, 2015

セールスランキング

しばらくランキングを出してなかったので久々に出してみます。

【書籍売れ行きランキング】 (2015/7/11~8/10)

1      火花   又吉直樹       文藝春秋

2      流   東山彰良        講談社
 
3  村上さんのところ   村上春樹     新潮社

4  妖怪メダル 萬全集 極         小学館

5  奥田民生になりたいボーイ出会う男すべて狂わせるガール 渋谷直角  扶桑社    

6  人間の分際   曽野綾子           幻冬舎新書

7       教団X     中村文則            集英社
 
8       家族という病   下重暁子     幻冬舎新書

9       アラサーちゃん 無修正 (4)  峰なゆか   扶桑社   

10      色の心理学                エイ出版社  

こういうランキングを作って、文芸書(「火花」「流」「教団X」)が3冊入るってのがすごく久しぶりな気がします。
とにかく又吉さんありがとうございます、という感じで。
又吉さんに隠れてますが東山さんの「流」もすごく売れています。読んだ人みんな「面白かった!」と言ってますね。私も近いうち読みたいと思います。

【文庫売れ行きランキング】 (2015/7/11~8/10)

1 意次ノ妄 居眠り磐音江戸双紙  49  佐伯泰英  双葉社 文庫
   
2 桜吹雪 新・酔いどれ小籐次   3   佐伯泰英 文藝春秋 文庫
   
3 母性              湊かなえ     新潮社 文庫
   
4 魔法科高校の劣等生  17 師族会議編  電撃文庫
   
5 ソードアート・オンライン  16     電撃文庫
   
6 探偵の探偵        松岡圭祐        講談社 文庫
   
7 民王           池井戸潤        文藝春秋 文庫
   
8 禁断の魔術      東野圭吾          文藝春秋 文庫
   
9 ときぐすり      畠中恵          文藝春秋 文庫
   
10 ブルーマーダー     誉田哲也         光文社 文庫
   

居眠り磐音は来年1月に同時発売する50・51巻で完結してしまうそうですね。

http://www.shinbunka.co.jp/news2015/07/150715-02.htm

おつかれさまでした…と思いつつも何かこれに替わるシリーズ出てこないだろうか…とも。

それと雑誌のランキングも出してみました。
月刊誌と週刊誌を一緒に出すとが「少年ジャンプ」「週刊文春」「週刊新潮」で占められてしまうので、週刊誌は一ヶ月のうち一番売れ行きがよかった数で算出しました。

1 文藝春秋 文藝春秋 月刊誌
   
2 コロコロコミック 小学館 月刊誌
   
3 週刊文春 文藝春秋 週刊誌
   
4 少年ジャンプ   集英社 週刊誌
   
5 週刊新潮 新潮社 週刊誌
   
6 女性自身 光文社 週刊誌
   
7 家庭画報 世界文化社   月刊誌
   
8 少年マガジン 講談社 週刊誌
   
9 婦人公論 中央公論新社 週刊誌
   
10 ち ゃ お   小学館 月刊誌
   
11 MYOJO 集英社 月刊誌
   
12 Tokyo Walk e r KADOKAWA 月刊誌
   
13 オレンジページ オレンジページ 週刊誌
   
14 ビッグコミックオリジナル号 小学館 週刊誌
   
15 NHKラジオ ラジオ英会話   NHK出版 月刊誌
   
16 TV fan      共同通信社   月刊誌
   
17 ダイヤモンド ダイヤモンド社 週刊誌
   
18 女性セブン   小学館  週刊誌
   
19 JTB時刻表     JTBパブリッシング 月刊誌
   
20 STORY 光文社 月刊誌
   
21 Sweet(スウィート) 宝島社     月刊誌
   
22 週刊朝日 朝日新聞出版  週刊誌
   
23 少年サンデー 小学館 週刊誌
   
24 クロワッサン マガジンハウス 週刊誌
   
25 TVライフ首都圏版 学研マーケティング 週刊誌
   
26 暮しの手帖 暮しの手帖社  月刊誌
   
27 螢雪時代 旺文社     月刊誌
   
28 SEVENTEEN 集英社 月刊誌
   
29 NHK きょうの料理   NHK出版 月刊誌
   
30 首都圏版月刊ザ・テレビジョン   KADOKAWA 月刊誌

どうなんでしょう。
雑誌のランキングは書店によって結構違ったりします。

雑誌も結構売れ行きが変動するので、また機会作って調べたいと思います。

 
そういえば今回の又吉フィーバーの中で一番気になったのがこの雑誌です。

http://hi-bana.com/

ツイッターアカウント(@hibanaofficial )あるから「又吉じゃない方のヒバナです」とか書けば絶対いい宣伝になっただろうなと思うんですが…。やりにくいかな…。

(H)

August 03, 2015

逃げる言葉をつかまえて―  「真説・長州力 1951-2015」

はじめて長州力を見たのは小学二年か三年生くらいだろうか。
彼が古館伊知郎に「革命戦士」と呼ばれている頃だった。
長髪を振り乱し、団体の長であるアントニオ猪木に反目し、それまでのプロレスの動きを「歩く」と表現するならば常に「走る」ようなプロレススタイルをしていた彼は子供心にカッコよく見えた。

やがて彼は古館伊知郎の実況するテレビ朝日の「ワールドプロレスリング」に出てこなくなった。
しばらくして、日本テレビの「全日本プロレス中継」の中に出てきた。
けれど「ワールドプロレスリング」では絶対的な中心選手だった彼は「全日本プロレス中継」の中だと何人かいるスター選手の一人、ぐらいの扱いで、ちょっと居場所が狭そうだった。

やがて「全日本プロレス中継」にも彼は映らなくなり、しばらく姿を見ない時期を挟んで、次に見たのは再び「ワールドプロレスリング」の中だった。もう古館伊知郎はいなくなっており、私は中学生になっていた。
長州が全日本から再び新日本にUターンしていった後、空洞化した全日本プロレスでは天龍源一郎が「天龍革命」と呼ばれる日本人同士が激しいファイトをする路線を始めていた。
私が本格的にプロレスを見始めるのはここからだ。
なので当時の私にとって長州力は「あっち行ったりこっち行ったりフラフラしている人」という印象だった。

長州がかつての反逆の矛を向けていたアントニオ猪木は、再び長州が出戻ったあたりから徐々にリングと距離を置きだしていた。
1988年7月、長州は初めてアントニオ猪木に勝利する。
その試合を私は家族旅行で来ていた鬼怒川温泉の旅館のテレビで見ていた。
その旅行でどこに行ったかとか何を食べたとか何一つ覚えていないのに、和室の部屋の真ん中にあった小さなブラウン管のテレビ画面に映った、棒立ちの猪木の背後から長州がリキラリアットを浴びせ、そのまま押さえ込むようにして勝った瞬間をずっと覚えている。
大げさに言えば「歴史が変わった」と思った。
もう戻れないんだ、若き長州がずっと猪木に勝てなかったのはついこないだだったのに、その時代は過ぎ去ってしまい、もう戻れない。
同時に自分もただ両親の愛情を甘受してれば日々が過ぎたあの頃に、もう戻れないんだと克明に思い知らされた。
この半年後に天皇陛下が亡くなり、時代は昭和から平成になり、その年の暮れにはベルリンの壁が崩壊した。
いろんなものが「もう今まで通りじゃいられないよ」と思春期の自分に言ってきてるようだった。
その最先端に立っていたのが、長州力だった気がする。

やがてアントニオ猪木がプロレスから政治に舞台を移し、長年のライバルだった藤波辰巳が体調不良で長期欠場するようになると、長州は新日本プロレスの現場責任者のポジションにつく。
組織の序列を変える闘争の志士だった長州力は、気が付くと組織をまとめ上げる側の人間になっていた。
レスラーとしても第一線を張ってたが、それ以上に「新日本プロレス責任者」としての顔を強くしていく。
それは「自分たちがこの世界で一番であり、他の組織や人間はどうであれ自分たちより下」という威圧的な姿勢であり、新日本プロレスのファンからすればその絶対的な姿勢は頼りがいがあったと思うが、大仁田厚のFMWやみちのくプロレスが好きだった自分からは他の団体やレスラーを見下すような姿勢が鼻についた。

ただ今にして思えば、長州は必死だったのだと思う。
新日本プロレスという組織を、そしてプロレスという極めて特殊な業種が観客を呼ぶエンターテイメントコンテンツとして摩耗しないよう、必死だったのではないか。

田崎健太「真説・長州力 1951-2015」(集英社インターナショナル)は長州自身の言葉と、彼に関わった多くの人々の証言で構成される。
学生時代の知人、友人からは好意的な証言が続くのに対し、プロレス入りしてから関わった人の中からは非難する声も出てくる。
キラー・カーンはとあるエピソードを紹介して「刺し殺してやろうと思ったこともある」と証言している。
一方で、和田城功や石井智宏のように、今でも長州に感謝を述べる若き弟子たちもいる。

この本は決して長州のいいところだけを書いた「美しい半生記」ではない。
部分部分、長州本人にとって聞かれたくないであろうことについても田崎さんが質問する様子が本の中に出てくる。
そのたび長州は明確な回答をせず、本人独特の言い回しをしたり、相手が理解しやすいよう言葉を継ぐのではなく言葉の節々を省略するような微妙にわかりにくい言い方で、何かを応える。
逃げるわけではない、また嘘をつくこともないが、かといって相手にわかるよう伝えることもしない。

それを読んでるうちに思った。
長州力は、まだ必死なのではないだろうか。
プロレスというジャンルと「長州力」という稀代のスターを保つために彼、本名・吉田光雄が抱えてしまった荷物は、もう背中から降ろせなくなってしまったのではないだろうか、と。

2015年。
棚橋弘至が、中邑真輔が、飯伏幸太が街のあちこちで、いろんなメディアで姿を見せる。
スポーツグラフィック誌「Number」は14年ぶりにプロレス特集を組んだ。
会場は若い女性が詰めかけるようになり、プロレスがふたたび脚光を浴びている。

けど、今のこのプロレスは長州力が守ってきたプロレスと、少しだけ違う。
もちろん同じ競技ではあるんだけど、長州力は閉じようとした。いろんなものから守るために、身を固めて閉じようとした。
それが正しかった時代ももちろんあった。
ただ、今は棚橋弘至が開いて受け入れるようにしてしまった、というだけで。
どちらにもよいところがあり、そして時代の経過ととも「悪い」と断罪されるところもあるだろう。

長州力とは何者なのか。
長州自身が半生を語り、こんなに長州を語る人間が出ているのに、それでもやっぱりわからない。
「プロレスは底が丸見えの底なし沼」と語ったのは元週刊ファイト編集長の井上義啓だが、もしかしたらこれは人にも言えるのかもしれない。

90年代、プロレスビジネスの頂上を見た長州は2002年の新日本プロレスを退社後、設立したWJプロレスの失敗で地獄を見ている。
多くのお金を失い、信用を失い、そして幾人もの盟友が彼から離れていった。
新日本プロレス時代、運転手付きのキャディラックに乗っていた男は、現在「コンビニに一人で行けるようになった」とうれしそうに語り、安居酒屋を気に入ってそこで酒を飲むという。

人は変わる。
変わらないところもあるけど、変わるところも数多くある。

この本を読んでますます長州のことがわからなくなった。
わからないからきっとこれからも人を知ろうとするだろうし、これからもプロレスを見続けるだろう。

「プロレスというのは凄い世界だから、簡単にわかられても自分が傷つく場合がある。
 だから巧く言葉で逃げている。
 あとはニュアンスで感じていただければいいんです」―長州力

(「真説・長州力」より)

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8/13(木)~16(日)の営業について

 いつも当店を御利用頂き、誠にありがとうございます。

 お盆休みの期間、営業時間を下記のように変更いたします。

8/12(水)   通常営業

8/13(木) 12:00~21:00
8/14(金) 12:00~21:00
8/15(土) 12:00~21:00
8/16(日)  休み

8/17(月)   通常営業

 どうぞよろしくお願いいたします。

 ※8/13~8/16の期間に新刊は出ません

   伊野尾書店 

August 01, 2015

「ホラーまつり2015」始まりました


連日35度の猛暑でへだる毎日ですが、そんな中今年もこれを開催する季節がやってきました。

ホラー好き書店員、出版社社員、作家、その他仲間たちが選んだ恐怖のラインナップ「ホラーまつり2015」を本日より開始いたしました。

2015

(参照:去年の「ホラーまつり」の様子)
http://ddnavi.com/yoo_mei-contents/203524/?doing_wp_cron=1438428167.0175619125366210937500

今年は参加者も増え(下記参照)、その分カルト度も上がり、いろんな意味で自由に禍々しい本が多数ラインナップされました。

そんな中、私が推薦したのがこちらの本。

○「うなぎ鬼」高田侑(角川ホラー文庫)

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これはホラー小説というより、ホラー要素のある裏社会系サスペンス小説なのですが、面白くて怖かったです。

主人公は30代前半の男性。奥さんと小さな子供がいる。
彼は借金を抱えており、その大柄な身体と強面を買われ、ちょっとブラックな会社で集金の取り立て業務をやっている。
社長は「うちはヤクザじゃないから殺しはさせない」と嘯いてるが、どう見てもまともな人ではない。
しかし借金を背負った彼はそこから抜け出せない。

そんなある日、アルバイトをしないかと持ち掛けられる。報酬は50万円。
何をするのかと思えば、「車である場所に荷物を運ぶ」、ただそれだけ。

ただし、運ぶ荷物が何なのかは、絶対に教えられない―。

そして荷物を運ぶ先として彼が指示されたのは、とある水産加工工場だった…。

 

いやー、すでになんとなく想像してしまうと思いますが、あとは読んでみてください。
途中から意外な展開になっていき、面白怖かったです。

この「うなぎ鬼」は件の社長はじめ、出てくる登場人物がみんなキャラ立ってるんですよね。
少年画報社からコミック化もされてるんですが、コミックに向いている話かもしれません。

いやー…うなぎね。
うなぎ怖い。
もううなぎ食べられない!

ご堪能ください。

 

フェア見てると自分で買いたくなる本がちらほらありますね。

新刊ですけど小野不由美「残穢」(新潮文庫)、「山怪 ~山人が語る不思議な話」(山と渓谷社)は読もうと思います。

夏の夜を冷やしてください。

【「ホラーまつり2015」参加者一同】

文教堂 中川様
書泉ブックタワー 江連様
書泉グランデ 高松様
伊野尾書店 伊野尾
戸田書店山形店 笠原様
戸田書店豊見城店 田中様
紀伊國屋新宿本店 森様
進駸堂中久喜店 鈴木様
三省堂神保町本店 内田様
丸善日芸 小泊様
大盛堂書店 山本様
中目黒ブックセンター 佐藤様
アスク出版 今岡様
西村書店 箱守様
景文館書店 荻野様
学研パブリッシング ムー編集部 クリル様
扶桑社 宮崎様
岩波書店 辻内様
KADOKAWA 岸本様
KADOKAWA 似田貝様
図書流通センター 松村様
日販 奥田様
怪談社 紙舞様
怪談社 伊計翼様
怪談社 紗那様
佐藤青南様
村山早紀様
平山夢明様
中山七里様
塔山郁様
堀内公太郎様
岡崎琢磨様
岩城裕明様
あいま祐樹様
伽古屋圭市様
黒木あるじ様
小田イ輔様
法条遥様
櫛木理宇様
三津田信三様
高橋葉介様
神家正成様
美輪和音様

※伊野尾書店では全部は置き切れていません。推薦された本の中から20点ほどをピックアップして並べています

※中目黒ブックセンターでは全点揃えてあるそうなので、気になる方はぜひそちらをご利用ください。

※っていったいこれはどこの店のブログなのか…。

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