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October 2014

October 18, 2014

中井文庫フェアは10月末までで終了します

大変間が空いてしまいまして気がつけば季節は秋になっていました。
私の中で10月というのは「着るものが長袖に」「栗拾い」「プロ野球が佳境」「英検の試験がある」といったものが全部セットになってタグ付けされております。
私が学生だった頃は英検の試験がある日はだいたい日本シリーズ第二戦に当たっていましたが、いまだとクライマックスシリーズに当たってるんでしょうか。
中学生の頃、英検の試験会場にラジオを持ち込んで「近鉄-巨人」の日本シリーズ第二戦を聞いていたのを覚えています。確か藤井寺球場でリベラが桑田から逆転タイムリーを打って山崎慎太郎が勝ち投手になった試合です。
歴史に名高い加藤哲郎氏の「巨人は(略)」ヒーローインタビューが出るのはその二日後です。
まだ昭和でした。

そんな10月っぽい本をいくつかそろえて売ってます。
いくつかご紹介します。

○「10月はたそがれの国」レイ・ブラッドベリ/著 宇野利泰/訳  (創元推理文庫)

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ブラッドベリの傑作短編集。
外国小説のとっかかりに、というテーマで本を探していてこれに行き着きました。

萩尾望都さんは二十歳の頃にこの作品を貪るように読みふけっていたそうです。
ちなみに以前紹介しました「先生の白い嘘」の2巻が先日出ましたが、こちらも萩尾望都さんが絶賛されています。
あまりにも方向性が違う二作品ですがそれがいいと思います。

しかし「先生の白い嘘」は2巻に入ってさらに凶悪な展開になってきました。
巻末の萩尾さんのコラムがまた破壊力ある名文なのでぜひ読んでほしいと思います。

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○「だれかの木琴」井上荒野(幻冬舎文庫)

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真面目な旦那さんと子どもがいる普通の主婦が、たまたま行った美容室の美容師さんからもらった一本の営業メールに舞い上がって最初はその美容室に行く頻度が増える程度だったのが、そこから少しずつおかしくなっていく…という、大変おそろしいお話。
個人的にはこれオチが怖いんですよねえ。
いや怖いところいっぱいあるんだけど。
美容師さんに彼女がいる、とわかってからの取る行動とか。
2ちゃんねるの鬼女版とか発言小町とか気団速報とかあの辺をついつい読んじゃう、という人に自信をもって薦めたい一冊です。

○「デッドエンドの思い出」よしもとばなな(文春文庫)

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あんまエグい本ばかり続くのも何なので、普通にいい本を。
よしもとばななさん自ら、「これまで書いた自分の作品の中で、いちばん好き」(あとがきより引用)と語る、5篇の珠玉の短編集。
淡々とする中に温かみがあって、読み終わったあとは自分自身の幸せを感じられる、そんなお話。
この本はまた装丁が美しいです。

 

☆中井文庫 まもなく終了です

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いろんな職業の人のおすすめの本を集めた「中井文庫」が大変ご好評いただいております。

あるとき、男性のお客さまに
「ここで本推薦してる『バーテンダー』の人はよくこのお店に来るの?」
と聞かれたので
「いや、昔バイトしてたときの後輩です」
と答えたら「あ、そうなの!俺、ここのお店よく行くから」と言われひとしきり彼の話で盛り上がったりとか、「写真撮っていいですか?」と言われたり。
本も売れてますがそういうお客さんとの会話のとっかかりになったりすると、また楽しくなります。

そんな中井文庫の10/18時点でのセールスランキング。

1位 「ゲイルズバーグの春を愛す」ジャック・フィニイ  【栗田出版販売 古橋さん推薦】
2位 「腰痛放浪記 椅子がこわい」夏樹静子  【中居鍼灸院 小島さん推薦】
3位 「キミは他人に鼻毛が出てますよと言えるか デラックス」北尾トロ  【扶桑社 梶原さん推薦】
4位 「今夜、すべてのバーで」中島らも  【バーテンダー 山田さん推薦】
5位 「ユーラシア大陸思索行 改版」色川 大吉  【目白大学教授 多田さん推薦】
5位 「更紗夫人」有吉佐和子  【作家 窪美澄さん推薦】
7位 「ムーン・パレス」ポール・オースター  【店長の私推薦】 (すみません) 

いやー、正直30年以上前に出た「ゲイルズバーグの春を愛す」が一番売れるとは思いませんでした。
私も読んだことないんで、これを機に読んでみようかと思います。

しかし、これはどういうアレで売れ行きが決まってるんでしょうか。
推薦者の知名度よりはコメントなのかな、という気もしますが、「いいコメントだな」と思いながらそんなに売れてない作品もあったりするので、正直よくわからないです。
それも含めて面白いなーと思います。

今月末、10/31で終了しますのでまだ見てないという方はお早めに見に来てください。

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☆今月の気になる雑誌

○「PRESIDENT 2014年11.3号  悪口を言う人はなぜ、悪口を言うか?」

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気になる特集です。
真ん中の女性は誰だろう、と思ったら先日のセクハラヤジ問題で渦中の人になった塩村文夏都議でした。また絶妙な人を拾うなあ。
パッと開いたら「すぐに他人を攻撃する人との正しい付き合い方」でむむっ、と前のめりになってしまいました。
こんな本もよく売れてますしね。

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みんな抱えてる問題なのでしょうか。

 

☆今月の気になる新書

○「税金を払わない巨大企業」富岡幸雄/著 (文春新書)

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「ソフトバンク 純利益788億8500万円 →納税額 500万円」
「ユニクロ  純利益756億5300万円 →納税額52億3300万円」(2013年3月期)

ってオビが出てるんですが、これだけでもう読みたいですよ。
ソフトバンクってこんな税金払ってないの?

  
☆今月のよかったコミック

「空也上人がいた」山田太一/原作 新井英樹/著 (小学館IKKICOMIX)

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山田太一の小説を新井英樹が漫画化、ってことで「ええっ?」と思って読み始めたのですが、想像をはるかに上回るくらいよかったです。
すごい圧倒される話です。
漫画だからできた表現もあったり。
新井英樹はアクが強くて…と敬遠される方も多いと思うんですが、これは本当にいいです。
どのくらいよかったかというと、巻末で二人の対談が載ってるんですがそこで「山田太一原作のドラマの最高傑作は『早春スケッチブック』」と新井氏が言ってるのを見てついレンタルで借りてしまったくらい、いいです。
ぜひ読んでほしい作品です。

(H)

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