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January 2014

January 22, 2014

なんかよく発表する本屋だな

先日直木賞と芥川賞が発表になりましたが、
http://www.yomiuri.co.jp/national/culture/news/20140116-OYT1T01034.htm?from=navr

昨日は本屋大賞の候補作も発表になりました。
http://www.hontai.or.jp/

今年は本命不在な感じがするなあ。
どれが取るんでしょ。

本屋大賞の一位作品が発表になるのは4月のことですが…その前に自分が投票した作品が候補作に入らなかったので、ここで『俺の本屋大賞』として発表したいと思います。
ってなんか最近発表してばっかだな。

今回は個人的にこれだったと思うですよ。

○「なぎさ」山本文緒(KADOKAWA)

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「なぎさ」は若者と呼ぶには年を取りすぎ、中年と呼ぶには少し早い気がする30代の夫婦と妻の妹、夫の部下の四人を中心とした現代小説です。
平穏な見た目と裏腹にいつかは破綻しそうな生活を続ける夫婦のもとに妻の妹が「カフェを開業しようと思う」と持ちかけ、その間に夫とその部下が働くブラック企業の仕事は着々と二人を追い込んでいき、そして作中もっとも重要な他人の人生をかき回すタイプのある男の登場で話はブワーッと展開していくのですが…。

この小説はなんとなく目の前の仕事や生活をこなし続けながら心の奥に「でもこれでいいんだろうか?」とうっすら考えては見なかったことにしてしまうアラサーからアラフォーの皆さんが読んだらギクッとする話がちょいちょい混ざってます。
それが何かは読んでもらうにして、ひじょーうにハッとさせられるエピソードやセリフが多い。
一つだけ挙げるならオビにもある『同じ悩みにそろそろ飽きろ。人生の登場人物を変えるんだ』になるんですが。
ホントにね、読みながら自分のことをいろいろ考えてしまう、そんな小説でした。

なんだろう。ビックリするような話ではないんですが、非常によかったです。
山本文緒はこれが15年ぶりの長編小説だったそうですが、15年分をこれに吐き出したんだなあ…と、そんな読後感になりました。

 

☆NET21えほん大賞

伊野尾書店も加盟している書店グループNET21で各書店の児童書担当者がおすすめの絵本を出し合い大賞を決定する「街の本屋が選んだ絵本大賞」を展開してます。

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いろんな絵本があるので見てってください。
今回大賞とったパンダの家族が銭湯に行く、というほのぼのした話と思いきや「ええ~」と驚きの展開が待ってる、ほのシュー(ほのぼの&シュール、あるいはほのかにシュール)な絵本です。

○「パンダ銭湯」tupera tupera/さく (絵本館)

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☆2014年伊野尾書店最初のリコメンドコミック

○「ミュージアム」巴亮介/著(講談社ヤングマガジンコミックス、現在2巻まで発売中)

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店主の嗜好というか趣味をだいぶ理解いただいてる常連のお客様から「これ好きじゃないですか?」と薦められたので読んでみたのですが…読んでて うわあああ!!(((゚Д゚)))  ってなりました。

いわゆるシリアルキラー系のホラーサスペンスなんですが、描写的にやりすぎず、でも「ウエッ!?」となる仕掛けがあり、そしていくつも張られる伏線と謎。
面白いです。
最近のサスペンス系コミックの中では文句なく一番面白い。

なんかね、絵が妙に上手くて、冷たいんですよ。なんで余計怖いという。
あ、じゃあこれは『俺のマンガ大賞2014』にしよう。
これからあと11ヶ月もあるのにこんな名称つけてよいものなのかとも思いますが。

しかし、“母の痛みを知りましょうの刑”はすごかった。読んでください。

 

☆母といえば

○「マザーズ」金原ひとみ

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が文庫化されました。
単行本が出た2011年、もっとも私の心を強く揺さぶった衝撃作です。
まだ読んでなかったらぜひ読んでみてください。忘れられない読書になると思います。

 

○「クリィミーマミはなぜステッキで変身するのか? ~愛されるコンテンツを生むスタジオの秘密
」布川郁司/著 (日経BP)

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「クリィミーマミ」「うる星やつら」「幽遊白書」「NARUTO」などの大ヒットアニメを手がけたアニメスタジオ代表によるアニメビジネスのお話。

「良い作品を作りたい。でも良い作品を作るにはお金がかかる。ではどうしたらお金が稼げる?」
といった経営の根源的な話から、
「アニメ業界は狭い。人材の流動が激しい。だが、狭いいなくなっては困る人材は結局自分のところで育てるしかない」という話や、
「どうやってジャンプ作品を引っ張るか」といったシビアな裏話など、いろんな話が出てきます。

そしてなぜクリィミーマミはステッキで変身するのか?というのは…書いていいのかな。まあ読んでください。

ちなみにソフトバンクのCMで家族のお父さんが犬なのは最初に作った家族ドラマ風のCMを社内でプレゼンしたところ孫正義社長が「これ、犬をどこか出してほしい」と言い、けど15秒の中に「ペットの犬」を入れる余裕がなく、困った末に「犬をお父さんにしてしまおう」としてしまった話を電通CMプランナーの人が前にテレビでしていました。
発想の転換がすごいよ。

○2014年のベストセラー(1/4~1/20)

【一般】
1 ゼロ-なにもない自分に小さなイチを足していく  堀江貴文 ダイヤモンド社
2 大東亜論 巨傑誕生篇   小林よしのり  小学館
3  大河ドラマガイド 軍師官兵衛 前編             NHK出版
4 新老人の思想    五木寛之   幻冬舎新書
5 まんがでわかる7つの習慣     宝島社 
6 ポケモンX・Y公式ガイドブック完全カロス  オーバーラップ
7 昨夜のカレー、明日のパン   木皿泉  河出書房新社
8 呆韓論    室谷克実   日本工業新聞社
9 カレンダー ’14 C115 壁掛 14  日本能率協会
10 自分を嫌うな   加藤 諦三   三笠書房

【文庫】
1 空蝉ノ念 居眠り磐音江戸双紙45  佐伯泰英  双葉社
2 永遠の0   百田尚樹  講談社
3 百鬼夜行抄14    今市子  朝日新聞出版
4 下町ロケット   池井戸潤  小学館
5 新約 とある魔術の禁書目録9    電撃文庫 
6 血の扇 御広敷用人大奥記録5   上田秀人 光文社文庫
7 ケルベロスの肖像    海堂尊     宝島社文庫
8 三匹のおっさん   有川浩    文藝春秋 
9 たまゆらに   山本一力    文藝春秋
10 モンスター   百田尚樹  幻冬舎

本の売上は下がってる中で年々手帳とカレンダーの売上は減らない…というか増えてたりするんですよね。
だんだん配るところが減ってるのが大きいのでしょうが。

(H)

January 06, 2014

伊野尾書店2014年戦略発表会

謹賀新年

あけましておめでとうございます。
2014年になりました。
21世紀も14年目ですよ。
そろそろ2000年生まれ、21世紀生まれのアイドルが出てくる頃ですね。

今年は消費税が8%になったり、ワールドカップがあったりしますがどんな一年になるのでしょうか。

という一年の始まりにあわせて、ここで「伊野尾書店2014年戦略発表会」というのを行いたいと思います。

本当ならどこかホテルの大会議場かなんか借り切って、私がスーツ着て壇上でパワーポイントで作った資料的な映像を出しながらあの変な棒みたいなのを持って「ステイハングリー、ステイフーリッシュ」とか説明するとハクがつくのでしょうが、時間と費用の関係でこのままブログでの発表と代えさせていただきます。

ひとつ目。

1)「店長のおすすめ」を月1で更新する

はい。
今もやっているんですが、まあ正直更新時期は適当だったりします。
ほっとくと2ヶ月くらいそのままだったり。
それをもうちょっと、コンスタントにやっていこうということですね。
「今月のおすすめ」を文字通り「今月」にしていこうかと。

そんなわけで1月のおすすめ本はこちらです。

○「想い出あずかります」吉野万理子/著(新潮文庫)

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子供達の思い出をお金に換えてくれる不思議な質屋さん。
けど、二十歳までにお金を戻して引き上げないと、大切な思い出はみんな記憶の彼方から消えていってしまう…。
これはいい話です。
エグさはないですけど、心が温まる、冬の夜に読むのにうってつけの小説です。

私も十代の頃の甘酸っぱい恋の思い出がまるでないのはきっと質屋に入れてしまったからだと思われます。お金をいただいた記憶もないのですが。不思議ですね。ファンタジーです。

ちょっと話が飛びました。ふたつ目にいきます。

2)お年寄りにやさしい店になりたい

本当は「お年寄りに便利な店になる」と書こうと思ったのですが、まあそもそも便利かどうか、やさしいかどうか決めるのは当のお客さんであってこちらじゃねえしな…と思ってるうちに願望みたいな書き方になってしまいました。

実は去年から、近隣にお住まいのお年寄りのお客さんに限り「お取り寄せを前金でいただき、商品が入荷したら自宅のポストに投函する」というサービスを始めました。
擬似アマゾンです。

もともとは、お取り寄せを頼まれた足の悪いおばあさんから「出てくるのが大変で…」と言われたことに端を発しました。
そのおばあさんは腰が曲がってて、買い物を入れるカートを常に押してて、いつも「大変そうだな」という印象があったので、「お金を先に払ってってくれるなら入荷したら届けますよ」という話になり、商品が入荷したら自宅ポストに届ける、ということをしました。
そうするとずいぶん喜んでもらったので、またそれでお願い、ということがあり。
以来、店で出てくるのが大変そうなお年寄りの方にはこちらから声をかけています。

で、マネしてわかったんですけど、アマゾン的なサービスってたいそう喜ばれるんですよ。
いやもちろんマネしてるのは「手配して宅配」の部分だけなんですけど、外に出るのも大変、という層は間違いなくいます。そしてその中でネットサービスが活用できる人はそれほど多くはないでしょう。

欲しい本がある、けど新宿とか池袋といった繁華街まで出て大きな書店で探すのはちょっと億劫、インターネットは触れない…というような方に喜んでもらえるサービスを提供していきたいなと思っております。

みっつめ。

3)改装します

今年中に店内改装をします。

「改装」たって店内の印象がまるでガラッと変わるような、そこまでのものはどうにもお金の絡みでできそうにないのですが、棚を変えたり、置き場所変えたり、ちょっとお店に入ったときに見た目の印象が変わる工事的なものを春先に行う予定です。
正式に決まったらまたお知らせします。

よっつめ。

4)「店長伊野尾と本の話をする会」(仮称)の開催

これはちゃんと固まってないのにフライングで発表してしまいますが、今年夏か秋くらいにお客さんと本の話をするお茶会的なものをやりたいと思ってます。
つうのは日頃、お店に来ていただいているお客さんに「最近おすすめの本ありますか」みたいなことを聞かれたときに、ゆっくり話せる時間的余裕がないんですね。
もうちょっとお客さんと話せる時間が欲しいなあと思い、こういう企画を考えました。

そもそもどれくらい集まるのかさっぱりわからないのですが、5人くらいでもいいかと思うし、万一多くなっても20人くらいで止めたいかなと思ってます。
開催の時期も場所の選定もどういった内容にするかもこれから詰めて考えるのですが、なんか楽しい企画にしたいと思ってます。

五つ目。これで最後です。

5)伊野尾書店はポイントカードを作りません

はたしてこれを「戦略」と呼んでいいのかという気もしますが、伊野尾書店では今後自店だけのポイントカードは発行しないことを宣言します。
や、自店オンリーのポイントカードですよ。
今後、「中井商店街で共通のポイントカードを作る」とかなったらやらざるをえなくなるかもしれませんが、私の知る限り今の中井商店街ではそれもまずないと思われます。

あと、伊野尾書店も加盟している中小書店グループNET21では共通ポイントカードを作っていますが、これに伊野尾書店は参加していません。
理由は「無闇に顧客情報を集めることに不安がある」「集めても活用しきれない」「運営にお金がかかる」「そもそも自分が使える店が限られるタイプのポイントカードを持つのが嫌い」の4つです。

あと、ウチぐらいの規模ですと、ポイントカードで「この人がこういう本買ってる」「この人はこんなに本買ってる」って調べて何かやるよりも、「お客さんの顔覚えろよ」って意識があるんですね。そこでいつも買ってるお客さんにはできるなりのサービスをしたい、というような。
なんかそういうのを大事にしたいです。

それと、配達先として定期的に納品している企業や学校はともかく、店に来る個人の人が何を買ってるかは、データ化しなくていいと思うんですね。
もちろんいつも来られる常連の方が何を買ってるかは積極的に覚えたいと思いますが、中にはアマゾンで買うと全部履歴が残ってしまうからフランス書院の文庫は出先の書店で買う、という方もいるわけじゃないですか。
そういうのをリアル書店までが購入データにしなくていいと思ってます。個人的には。

というわけで伊野尾書店ではなるべくお客さんの顔を覚えながら、一方では匿名性が保たれる、どこの誰だかわからないまま本が買える店でありたいと思っております。

とまあ、どこが「戦略」なのかわからない発表もあったと思いますが、本屋としての基本的な部分は変えずに、それでいて時代に合わせてできるサービスはいろいろやっていきたいなと思っております。

今年もよろしくお願いいたします。

伊野尾書店 店長 伊野尾宏之

(追伸)
今月号の「ソトコト」が本屋特集なのですが、ちょっとだけ紹介してもらいました。
また今回もプロレスの写真で紹介されてます…。

Sotokoto20142

http://www.sotokoto.net/jp/latest/?ym=201402

ちなみに本屋プロレスを闘った飯伏幸太選手は先日の新日本プロレス東京ドーム大会でIWGPジュニアヘビー級チャンピオンになりました。おめでとうございます!
http://www.njpw.co.jp/match/detail_result_game.php?e=781&c=5940

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