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October 2013

October 30, 2013

お昼休みはウキウキウォッチング

「笑っていいとも」終わっちゃうんですね。
今頃ですけど。
「タモリ論」(新潮新書)の樋口毅宏氏が先週22日の発表を「玉音放送」と表現したのは相変わらずエキセントリックだなあと思ったものの、「テレビの時代」の終わりという意味は大変深く納得できるものがありました。
何か転換点的なものは感じます。

いいとも終了 終戦以来の日本の歴史的転換点とタモリ論著者
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20131028-00000001-pseven-ent

「日常」に即したテレビ番組だった気がするんですよね、「いいとも」は。変わらないぼんやりとした日常の一部というか。
これを超えるショッキングなテレビ番組終了のお知らせって今後しばらくないだろうなあと思いました。
なんだろう、「紅白歌合戦」くらいか。それも違う気がするし。
「ドラえもん」や「サザエさん」がなくなってもCS放送なんかじゃ流すんでしょ、って思っちゃうし。

聞けば最近はタモリさんは番組の冒頭と「テレフォンショッキング」とエンディングしか出てないことも多かったそうで。
2013年ってのはそういう年として記憶されていくのかもしれません。
もう一回「タモリ論」をよい場所に並べてみようかと思います。

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「小説家になるずっと前から、僕は夢想していました。
『テレフォンショッキング』のゲストに出て、タモリを襲うのです。
そして彼を『いいとも!』から自由にしてあげるのです。
だけど、そんなことができるわけがない。
だから僕はタモリを葬る代わりにこの本を書きました」
(「タモリ論」樋口毅宏 「あとがき」より)

  

○「平山夢明の全身複雑骨折」平山夢明(扶桑社)

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当店に3度の飯より平山夢明が好きなKという実用書担当がいるのですが、彼女が「今年読んだ中で一番面白かった本!」と力説しているのがこちらになります。
怖い話を書かせたら現在日本で右に出る者がいないぐらいの作家・平山夢明が頭がクラクラするほどの異様な人々のエピソードをこれでもかこれでもかと鬼盛りにしてきたコラム…なのかなあ。よくわかりません。おかしい人々の記録集。

まあおかしいといっても、バレンタインに好きなタレントにチョコレートを贈るのに「昔セキセイインコを飼ってたんだけど今でもそのことをたまに思い出す」ってエピソードを雑誌か何かで見たファンが死んだインコにチョコレートをコーティングして送ってきたとか、公園に行ってベンチに座ってる人に声をかけたら「イチョウが臭い卵をどんどん生んでやると言っている」と語る人だったとか、タクシーに乗ったら運転手が壁に向かって走ってブレーキを踏んでハンドルを戻してたり居眠り運転をしてた挙句「お客さん、これから私命懸けで運転しますから」って言い出したりとか、そういうそのあたりにいそうなごく普通な人々のお話を平山氏が大変マジメに報告する、そんな本であります。

どうでもいいんですけどこの本最初の予定ではタイトルを『平成金玉爆弾』にするつもりで担当編集さんが進めていたのが扶桑社の偉い人の会議でストップがかかったとかいう話があとがき替わりの清野とおる氏との対談に載ってますが、もしストップがかからなかったら扶桑社に何人かいらっしゃる女子営業の方々は書店の人間に「こんど出る『平成金玉爆弾』が…」とか、受注の電話に出れば「はい、『平成金玉爆弾』が5冊ですね」とか毎日言わなければいけなかったわけで、ホント金玉もどうかと思いますがゾゾ怖いものです。

  
○よりみちパン!セ「正しい保健体育Ⅱ 結婚編」みうらじゅん(イーストプレス)

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まさか続編が出るとは思いませんでした。
今回は結婚編です。
まえがきの「すべての男は福男である」からしびれまくりました。
福男、ご存知ですよね。
毎年1月に西宮神社でやってる、午前6時の開門と同時に大勢の男たちがダッシュして神社の本殿まで走り先頭から3着の人までが『福男』と呼ばれる栄誉を授かる、あの神事です。
みうらじゅん、いや、みうら先生によるとあれは精子が子宮にたどりつくまでの構図と同じなんだそうです。なので男の人生のベースにはすべて福男があるそうです。あるんだってば。

「理想の結婚相手とはどんな条件の相手でしょうか?
美人、スタイルがいい、料理が上手、話が楽しい…。
いろんな条件がありますがみうら先生の結論はこうです。
『介護してくれそうな人』
これに尽きるんだってさ。どんな「週刊ポスト」だよ!って思ったんですが、この先の部分が面白い。
そこは読んでみてください。

で、ここまで書いてきてもうわかったと思いますが、みうら先生は大変ありがたい教えを説いてますが完全に男に向けてしか書いてません。
なので、いずれ「よりみちパン!セ」シリーズから女子向けの「正しい結婚」という本が出るのではないかと推測しております。著者は雨宮まみさんあたりで。

   
【こんなの入れました1】サイン本

おかげさまでサイン本が何冊か店頭に並ぶようになりました。
今、雫井脩介さんの「検察側の罪人」、和田竜さんの「村上海賊の娘」のサイン本があります。
数少ないのでお早めに。

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【こんなの入れました2】

○「胞子文学名作選」 編集・田中美穂
作・永瀬清子、小川洋子、太宰治、井伏鱒二、松尾芭蕉、小林一茶、伊藤香織、谷川俊太郎、多和田葉子、野木桃花、川上弘美、尾崎一雄、河井酔茗、栗本薫、宮沢賢治、佐伯一麦、前川佐美雄、内田百閒、尾崎翠、金子光晴 (港の人)

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苔、羊歯、茸、黴、麹、海藻……。
町の片隅、山の奥や海の底にひっそりと息づき、鮮やかな花や大きな木々のように人間たちに注目されることもなく、ときには敬遠されがちな、これらの生物たちもまた、命の営みを日々活発に行ない、私たちの暮らしや環境を支えてくれる大切な存在です。
本書は、これらの生物が登場する小説や詩を集めたアンソロジーです。ふだん見落とされがちな、自然界の密やかな存在に目を向けた諸作品を「胞子文学」と名づけ、文学の新しい楽しみ方を発見します。
大変評判がよいので入れてみました。
カバーから内容から作りが本当に凝ってます。とっておきたい本。

 

【こんな雑誌出てます1】

☆アイソン彗星

11月終わりから12月にかけて見られるという世紀の大彗星・アイソン彗星についての雑誌がこのところ増えてます。
「満月くらい明るくなるかも?」とも言われているそうで、私も見てみたいと思います。

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【こんな雑誌出てます2】

「語れ!ゾンビ」(ベストセラーズ)

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ゾンビブームが叫ばれて久しいですがついにこんな雑誌が出てしまいました。世も末です。
中を見ると、

・俺たちの好きなゾンビ映画総選挙
・最恐! ゾンビメイク講座
・「ゾンビ役者」独占告白

すごいですね。
ゾンビメイク講座は女の子がモデルになってるんですが、そのメイクでどこに行くんでしょうか。やっぱ

墓場か。あ、ゾンビはショッピングモールに集まるんだっけ。まあいいやなんでも。

こんなん出されたら「映画秘宝」が黙ってないだろうなあ。
ぜひ「切株映画」に続きこういった分野で張り合っていただきたいものです。

(H)

October 15, 2013

ちょっと間隔が空きましたが元気です。

先週は夏のように暑くて、今日明日は台風で、大変せわしない秋です。

まさか店の中に手帳、カレンダー、年賀状作成本、家計簿という年末商品が並んでる状態で気温30度とかそんなことがあるとは思いませんでした。

しかしこれだけスマホやタブレットが普及してどうなるのかと思われてた手帳がこの4年でほとんど売れ行きが落ちていないというのは声を大きくして伝えたい事実であります。
いやもちろん業界全体はわからないですけど、それでもそんなに落ちてないんじゃないかなあ。
実際仕事で打ち合わせしてると紙の手帳使ってる人が多数ですし。

スマホ・タブレットで思い出しましたが今光文社文庫買うとスマホ・タブレット用のタッチペンをさしあげてます。

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画面を指で押そうとするとどうしても隣を押してしまってやきもきする方は光文社文庫をどうぞ。
私の好きな光文社文庫は佐藤正午「身の上話」と、荻原浩「神様からひと言」です。
食品メーカーのクレーム処理係のサラリーマンの悲哀を描いた「神様からひと言」は半沢直樹にハマった人なら面白く読めると思います。

☆講談社ノンフィクション賞

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結構前のニュースですが講談社ノンフィクション賞に高野秀行さんの「謎の独立国家ソマリランド そして海賊国家プントランドと戦国南部ソマリア」(本の雑誌社)と角幡唯介さんの「アグルーカの行方 129人全員死亡、フランクリン隊が見た北極」(集英社)が決まりました。
おめでとうございます。
これで伊野尾書店は「講談社ノンフィクション賞作家に野宿をさせた」世界唯一(たぶん)の書店になるわけで、うれしいような申し訳ないような複雑な感じです。
http://inoo.cocolog-nifty.com/news/2010/10/post-c008.html

「ソマリランド」と「アグルーカ」は同じ冒険ノンフィクションで、高野さんと角幡さんが早稲田大学探検部の先輩後輩ということで何かと比較されやすいのですが、読んでみるとやはり同じ探検記でも全くテイストが違うことに気づきます。
高野さんは近年新しい括りとして出てきた「エンタメノンフィクション」という言葉の代表格として取り上げられるように、結構ハードな体験だったり人類史的に貴重なリポートをしながら常に笑いを忘れないというか、ソマリアの奥地のはた目には危険極まりない土地に行きながらどこか隣の県に行ってるような妙な身軽さがあるのですが、角幡さんの本は自身の冒険とその土地にまつわる過去の伝説の解明を織り混ぜる本格的冒険譚でありながらマイナス40度の北極で異常にたかぶる性欲に悩まされたり、ほぼ人類未踏の地であるカナダ北部の不毛地帯を旅するためのボートをアマゾンで8900円くらいで買ったり、冒険に携帯電話を持って行くべきか否かというところで悩んだり、非常に身近というか等身大な感じのする話を書いてます。

「アグルーカの行方」は19世紀にヨーロッパ各国がさまざまな政治的事情から北極圏とベイルート海峡経由でアジアへとつながる道、「北西航路」を探すことが国家事業として手掛けていて、そんな中イギリスが過去最大規模の予算と準備で送りだしたフランクリン隊が北極の氷に船が閉じ込められ、生き残った隊員の何人かがカナダ北部に向かって隊員が南下していったという「アグルーカ(イヌイットの言葉で“大股で歩く男”の意)伝説」を角幡さんが北極探検家の荻田泰永さんと共に実際に自分の足で歩く、1600キロ徒歩行を描いた話です。
マイナス三十度の氷の世界で重さ100キロ近い荷物を載せたソリを引いて一日20キロほど歩くと消費カロリーは5000カロリーを超えて尋常じゃないくらいの量を食べても身体が痩せていくとか、テントの中で吐く息がツララになるとか、ホッキョクグマに遭遇した時の話とか、次々に知らない話が出てきます。
北極という存在は知っておれど実情はほとんど知らない土地に、なぜ多くの探検家がこれまで入っていったのか、そのことを丹念にわかりやすく突き詰めた話でした。

2冊を中心に「あなたの知らない世界」というノンフィクション棚を作りました。
どれも面白い話ばかりですので手にとってみてください。

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たまたまですが、最近講談社イブニングコミックから「敗走記」というマンガが出ました。

http://kc.kodansha.co.jp/magazine/special_detail.php/02134/6181

こちらは関ヶ原の合戦に敗れた西軍・島津義弘の敗走路をマンガ家のしまたけひとさんが同じ時間、同じ道で追体験したというコミックエッセイです。
自ら「ヘタレ漫画道」と言ってるように、歩きながらいろんなヘタレなことをつぶやいている、ちょっと変わった漫画ですが上の2冊とリンクしてる部分は多いように感じます。

 

☆セールスランキング(9/14~10/13)

(一般)
1 ロスジェネの逆襲             ダイヤモンド社
2 フライパンひとつでつくるおかず      扶桑社    
3 祈りの幕が下りる時            講談社    
4 エッセで人気の「おいしくて太らないおかず 扶桑社    
5 人間にとって成熟とは何か         幻冬舎    
6 モンスターハンター4 ウルトラエボリュー 集英社   
7 住んでみたドイツ 8勝2敗で日本の勝ち  講談社    
8 艦隊これくしょん-艦これ- 鎮守府生 1 KADOKAW
9 トラウマ恋愛映画入門           集英社   
10会うたびに「あれっ、また可愛くなった?」 角川中経出版 

(文庫)
1 オレたちバブル入行組           文藝春秋   
2 オレたち花のバブル組           文藝春秋
3 歌舞伎町セブン              中央公論新社 
4 未決 吉原裏同心  19         光文社
5 茶葉 交代寄合伊那衆異聞         講談社
6 凶悪-ある死刑囚の告発-         新潮社 
7 花の鎖                  文藝春秋
8 マリアビートル              KADOKAWA
9 魔法科高校の劣等生  12 ダブルセブン 電撃文庫
10陽だまりの彼女              新潮社 

半沢直樹さまさまでございます。
ちなみに池井戸潤の半沢直樹シリーズ最新作「銀翼のイカロス」が「週刊ダイヤモンド」で連載されていることはあまり知られておりません。
http://dw.diamond.ne.jp/category/icarus
   

 

【店長が気になった本】

○「田舎のパン屋が見つけた腐る経済」(講談社)

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岡山駅から電車で2時間以上かかる山の中のパン屋のご主人が書いた、ちょっと変わった経営と商売の本。
店は山の中。週に3日は休み。毎年1ヶ月の長期休業を取る。パンの値段は約350円。
どうやって経営してるの??という疑問がつきまくる話です。
まだ読んでませんがあとで読もうと思います。

 

○「努力する人間になってはいけない 学校と仕事と社会の新人論」芦田宏直(ロゼッタストーン)

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一部で話題になってたので仕入れました。
「努力する人間になってはいけない」ってのはどういうことだろう…と当該箇所だけパラッと読んでみましたが、「努力して目標を達成できない人間」のタチの悪さが解説されていて、大変面白かったです。

「努力して目標を達成できない人間」はたいがいマジメである。
マジメな人ほど肩の力を抜いたり発想の転換ができず、もっとマジメにがんばろうとする。
目標に届かないと残業したり早出出勤したりする。
それでも目標に達しないと「これ以上どうがんばれと言うのですが」といっぱいいっぱいになってしまう。
そうでなくて、自分の仕事の仕方を疑ってみる。違うやり方を考えてみる。
「努力する」の反対語は「努力しない」ではなく、「考える」である。
「努力する」ことは「考えない」こととしばしばつながってしまう。

というような話が載ってました。
面白そうです。

○「どうして人はキスをしたくなるんだろう?」みうらじゅん・宮藤官九郎/著 (集英社)

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この二人が恋愛や人生のことをなんやかやしゃべってて面白くないわけないじゃないですか。
とりあえずクドカンの高校3年生のときのファーストキスの話が最高ですね。
「童貞はキスですべてを手に入れた気になるよね」が最高です。
テーマ設定がいいですね。
「偉い大人ってどんな大人だろう?」
「お父さんはいつまで娘と一緒に風呂に入っていいんだろう?」
「どうして40歳を過ぎると欝になる人が多いんだろう?」とか。
しかし、「セックスのあとにはどんな会話をしたらいいんだろう?」と二人は一生懸命(でもないか)考えてますが、そもそもこういうのって女の人も考えたりしてるんですかね…。まあとにかくなんかすごい対談です。

 

○「バカボンのママはなぜ美人なのか」柴門ふみ/著 (ポプラ社新書)

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タイトルだけ見たら何の本だろう?バカボンの解説書?って思ったら「嫉妬論」でした。
バカボンのパパはあんななのに、どうしてあんな美人でやさしそうな奥さんがいるのか。
そこから引っ張ってきてるようです。
ただし、柴門さんは女性目線ですので「バカボンのママは誰からも嫉妬されてないだろう。なぜ?」ってそっちに行くわけですが。
男性作家だったら逆だったと思うんですけどね。

 

○「八角文化会館 Vol.3」

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地味に続いてます。今回は廃墟特集。ケーブルカー廃墟とか水浸し廃墟とか、日本にはまだまだ知らない世界がこんなにいっぱいあるんだということを堪能できます。八丈島には巨大な廃ホテルがあるそうです。

(H)

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