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May 2013

May 27, 2013

飲み会には這ってでも行け!

先日の乙武さんの入店拒否騒動にはいろいろ考えさせられるものがありました。
騒動自体は当事者間で解決したようなのでどっちが悪いとか何とかは置いておきますが、ウチの店でも同じような問題が起きかねないな、と思ったのです。

ウチの店の通路は狭いです。
車椅子だと通るのは問題ないですが、通路の角を曲がる部分に余裕がなく、かなり窮屈です。
そして、通路が狭いので車椅子の方がいると必然的にそこは通れなくなります。

過去何回か、混んでいる時間帯に車椅子の方が来たことがあります。
入店は拒否しません。
入ってもらって結構です。
ただ、一箇所で立ち読みというか、止まって読まれるとその部分が「通行止め」になってしまう関係上、場所の移動をお願いしたことがあります。
また、事前に欲しいものがハッキリしている場合、こちらで聞いて取ってくることがあります。
もしその車椅子のお客様を入店させることで他のお客様に大きく負担をかけてしまうとこちらで判断した場合、ちょっと待ってくれませんか、ぐらいは言うかもしれません。

店をやってると「なるべく多くのお客様に快適に利用してもらいたい」という心情が自然と出てくるものです。
店頭に立っていると、お客様の価値観や考え方というのは本当にまちまちだなあということをよく実感します。
積んである本の上に荷物を置くことに抵抗がないという方は結構いらっしゃいます。
それはその人のマナーがどうというより、「そもそもそのことが誰かにとって気分を悪くさせる行為とは考えもしなかった」というケースがほとんどです。
マナーという言葉はよく使われますが、私はマナーというのは実体のないまま都合よく使われてる言葉で、実際にはその手のトラブルや問題は「価値観や注意点の差異」という実感を持っています。
その差異を埋める啓蒙活動を、小さく小さく、波立てないように、日々薄く広くやっていって、「ここの店ではこういう風に買い物(や食事やサービスを)をしていくものなのだな」と理解してもらうのが商店や飲食店の務めというか、日々のルーティンワークなんだろうと思います。
その中で「これは合理的でないかな」という部分はこちらで直しつつ。
そう考えると日々の人間関係と似てるなーとも思うのですが。

それにしても、本当にいろいろ考えさせられる騒動でした。
ツイッターの怖さとか。
そのちょっと前にあった「上原多香子盗撮騒動」もそうでしたけど。

『善意の第三者の良識ある意見』のおびただしい山積がホント脅威ですよね…ってこの投稿もそこに入るのか。

どうしても、「あのイタリア料理店がこれが宣伝になってお客さんが増えるといいけどな」という風に考えてしまいます。
某食べ歩きサイトで検索したら「予算:一人6000円~7000円」と書いてあったので私はそうそう行けないと思いますが。

 

Photo

 

☆家事に忙殺されながら家計をやりくりしている奥さんが見たらキレそうな本ですが

○「飲みの席には這ってでも行け!」堀田秀吾(青春出版社)

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こんなこと言われたら本当に這ってでも行きそうな知り合いが2~3人浮かびますが、コミュニケーション論の本ですね。
タイトルの真意は「飲みの席はコミュニケーションの練習の場であると同時に、今後の仕事や人脈の発展の新しい可能性が待っている」という話がちょろっと出てくるだけで、大半は「人付き合いとは何か、どうすれば上手くいくか」という話で占められます。

で、パラパラ見てたらいいことが書いてあったのでちょっと抜粋します。

●「中二病はだいたいドヤ顔とセットです」(P.152)

(前略)

「昨日、一睡もしてねえんだよ~」

と「大変なオレ」を演出したり、

「オレが本気出したらそこらの奴には負けねえよ」

などとまったく根拠のない自信に満ちた言葉を吐くのが典型的な症例です。

ほかにも、
「オレ、イチローにバッティング指導受けたことあるぜ(=公開イベントで他に100人くらいいたけど)」
とか
「オレ、蒼井優と同じ小学校だぜ(学年違うし話したこともないけど)」
と有名人と自分を関係付けようとするのも中二病の症状と言えるでしょう。

(中略)

みんなが楽しめる話をすればいいのに、何でもかんでも「オレ、オレ、オレ」になってしまっているのです。

人付き合いの軸というのは、一緒にいる人が心地よいようにするのが大事です。

他人が気持ちよくなることをしていれば、相手も自分を気持ちよくしてくれます。

いやー…いるなあこういう人。

考えたら小学生男子ってだいたいこういう感じですよね。
「オレ、遊戯王のなんたらカード持ってるぜ!」とか、「オレ、ジャイアンツの坂本のサインボール持ってるぜ!」的な。
そう考えると男ってあんま変わらないのかもしんないですね。

ってその前に自分が言ってそうだ。自制しないとなあ。

あ、そういや俺、小橋建太の(略)

 

☆もうすぐAKB総選挙ですが

アイドルの本じゃなくて、アイドルを追っかける人たちの本。

○「アイドルのいる暮らし」岡田康宏(ポット出版)

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10人の熱狂的なアイドルオタクにアイドルの魅力から趣味と生活の両立から人生までいろんなことを聞いたインタビュー集。
年齢は20代から50代まで。
既婚者が4人、離婚経験者が1人、子供を持つ人も2人。
社長が1人、会社員が6人、自営業が1人、隠居が1人、職業不詳が1人。

まあ私も追っかけるものが違うだけで同じような人種なので基本的には何も言えないのですが、とにかくこの人たちからはよい言葉がいろいろ出てくるんですよ。

「アイドルって存在を見るものだから、長くやっているから素晴らしくなっていく、という世界ではない。
 歌唱力や踊りといった技術的な部分をスキルアップしたからといって、それがアイドルとして魅力的になるかというと必ずしもそうではない」

という言葉に唸りました。
人を見るわけじゃなくて、「存在」を見るんですね…。
なんかいろんなものに通じる神々しい言葉だ。

あと売れないグループを好んで推すのはなぜか?という質問に

「アイドルというのは自分とそのアイドルの関係がすべてだから。
 売れるとそのアイドルと自分との関係の中にノイズが入ってきてしまう」

というのにも深く含蓄を覚えた次第であります。
ここらへんビジュアル系バンドを追っかける女の子にも共通するものがありそうですが。

あとやたら連発される業界用語?にクラクラしました。
「接触」(握手会などファンとの直接交流があるイベントのこと)とか。
「DD」は知らなかったです。誰でも大好き。

 

○セールスランキング (4/26~5/26)

(一般)
1 色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年   文藝春秋
2 海賊とよばれた男 (上)          講談社
3 海賊とよばれた男 (下)          講談社  
4 ハダカの美奈子              講談社
5 続・世界のなめこ図鑑 ブックマークつき  エンターブレイン
6 野心のすすめ    林真理子         講談社
7 がまんしなくていい  鎌田實         集英社       
8 ダース・ヴェイダーとプリンセス・レイア   辰巳出版 
9 スナックさいばらおんなのけものみちバックレ人生大炎上篇  角川書店
10パズル&ドラゴンズ モンスター図鑑    エンターブレイン

(文庫)
1 よっ、十一代目! 鎌倉河岸捕物控22   角川春樹事務所   
2 新約 とある魔術の禁書目録(7)    電撃文庫
3 藁の楯                 講談社            
4 真夏の方程式              文藝春秋
5 県庁おもてなし課             角川文庫
6 永遠の0                 講談社
7 ダイナー                 ポプラ社 
7 模倣の殺意                東京創元社
9 珈琲店タレーランの事件簿2        宝島社 
10二流小説家                早川書房   

☆次のフェア

前回好評いただいた「一巻で完結する名作マンガフェア・リターンズ」を行います。
もちろん前回とはラインナップをまったく変えます。
6/3(月)から開催予定。

(H)

May 11, 2013

「青春の握り拳」よ永遠に

明日、5月11日、小橋建太が引退します。
何もない一若手としてのデビュー、努力に努力を重ねた成長、トップの厚い壁に跳ね返され続ける挫折、それを乗り越えて掴んだ栄光、激闘の代償としてのケガ、そこからのカムバック、「絶対王者」と呼ばれる全盛期、そして突然のガン告知、前例のないリハビリ、感動的な復帰戦、復帰したはいいけど動かない身体を抱える苦悩、団体代表にして終生のライバル三沢光晴の突然の死、戻らない体調と断続的に続く欠場、団体の危機、そして引退発表。
小橋のレスラー人生は自分の半生と深く結びついています。
プロレス少年だった自分がプロレス青年になり、プロレス中年となるまで、ずっと小橋の試合を見てきました。
明日はその最後の試合です。
心して、その姿を見て来ようと思います。

来週、小橋建太の自伝が出ます。

○「小橋建太 悔いは、ない」(ベースボールマガジン社)

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5/16発売予定。

同時期に週刊プロレス増刊、引退試合詳報号も出ます。

 

○ピース又吉がむさぼり読む新潮文庫フェア

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というのをやってます。

こういう芸能人を絡めた企画はなかなか一書店ではできないんで、ありがたいですね。

いくつかの本には又吉さんのコメントがついてるのですが、遠藤周作の『沈黙』について語ってる文章の中での

「人生に必要なのは悟りではなく迷いだと思います」

ってのはキラーフレーズだなと思いました。

にしても又吉さんは本読みなんだなーというのが伝わってくるラインナップです。

来年は「ケンドーコバヤシがむさぼり読む幻冬舎文庫フェア」とかやらないかしら。

 

 

☆今週の小説

○「復讐」タナダユキ(新潮社)

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北九州の小さな町に赴任した若き中学校教師・舞子は、始業式の朝、暗い目の少年に出会う。

教室で明るく優等生として振舞う彼には、ある忌まわしい記憶があった。

その過去に呼応するように、置いて来たはずの秘密が少しずつあらわになっていく…。

 

日時も、場所も、関係する人もまったく異なる2つの殺人事件。

片や、被害者の家族。

「可哀相に」と哀れまれ、「でもあの子が……すれば死なないですんだのじゃないかしら」と陰で囁かれる。

片や、加害者の家族。

遠巻きに、話しかけることもなく、でも確実にこちらを見ながら、「あの子のお兄さんがあんなことを…」と責めるような視線で貫かれる。

それぞれの残酷な過去を背負ってきた二つの魂が出会った時、それまでになかった人生が動き出す。

同じく犯罪被害者家族の苦悩を描いた東野圭吾の「さまよう刃」を思い出しました。

「背負わされた」人々の、ヒリヒリとした痛みが伝わってくる小説です。

 

 

☆今週のノンフィクション

○「ドアの向こうのカルト ---9歳から35歳まで過ごしたエホバの証人の記録」佐藤典雅(河出書房新社)

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「聖書の勉強をしている者ですが」とインターホンを押し、「ポストに雑誌入れておくので後で読んでみてください」と「ものみの塔」という小冊子を置いていくことで有名な「エホバの証人」という宗教組織に9歳から35歳まで入っててその後脱会した人の手記。

 

真面目で教育ママだった母親がエホバにハマっていくことで息子である著者は禁欲的な思想信条を強いられ、学歴や社会成功を否定され、交際する人間も限定されていく中で「自分とは何か」「人生とは何か」「神とは何か」という問いに揺さぶられていきます。

読み終わって、「この人よくこの環境の中で自分を保っていられたな」と感心してしまいましたた。

ここまで周りがズブズブだといろんなことに疑問を感じることすら難しくなるだろうに、しっかりしてるというか、常に冷静な第三者の視点を持てているのが凄いです。

あと細かい話ですが、「自分とは何か」に悩む場面で何度も読み返すマンガが「軍鶏」と「宮本から君へ」というところでズギュンと来てしまいました。

 

 

 

☆店長の趣味

○「失恋日記」柏木ハルコ(祥伝社)

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柏木ハルコが大好きなので久しぶりの本が出てうれしかったと。それだけです。

柏木さんは女性なのに妙に男の身勝手さを甘やかして書いたり、そうかと思うと突き放したり、非常に不思議な芸風をお持ちだと作品を読むたびつくづく思います。

今作はいろんな女性マンガ誌に単発で書いた作品を集めた本ですが、ある日突然ダンナから「好きな人ができた」と告げられ、かといってそれは不倫の告白でもなんでもなく、本当に純粋にただ他に好きな人ができた(けどまだ何もしていない)ということを告げられる、困惑極まりない奥さんの話を描いた「夫の片想い」が大変面白かったです。

 

 

 

☆今週の雑誌

○「dancyu」 カレー特集

Dancyu201306

dancyuはチャーハンとか餃子とかカレーとか「B級グルメの究極」みたいなのを上手く扱うなーという印象があります。

「東京カレンダー」はA級ですよね。こないだの肉特集は売れました。

わたしは「おとなの週末」派です。

 

○当店の西原理恵子

手前味噌ですが上手いと思います。

Saibarakanban

(H)

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