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October 2012

October 22, 2012

窪美澄を読まないなんて人生の楽しみ半分失っている

先日、熊本と博多に行ってきました。
同じNET21グループに今年から加わった熊本の長崎書店(大変ややこしいですが熊本の長崎書店です)と博多にあるブックスキューブリックというこれまた有名な個人書店を見学にいったのが表向きの理由で、本当は九州新幹線に乗ってみたかったのと現地でラーメン食べたかっただけです。
やーうまかったラーメン。

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これは熊本で食べた「天外天」というお店のですが、がっつんがっつんしたとんこつラーメンでだいぶ血圧が上がりました。
しかし熊本はいまや完全にくまモンに制圧されていますね。
街中でどこへ行ってもあの顔が貼ってあるし、お菓子から下着からブックカバーにガラス工芸までありとあらゆるくまモングッズがあったのですけど、あれ作ったのって小山薫堂なんですってね。
なんか流行るところには流行らせる人間が必ずいるなあ、というか。

そのくまモンを一躍有名にした『ゆるキャラグランプリ』のホームページ見ると、まあ有象無象っぷりがすごいですね。
http://www.yurugp.jp/entry_detail.php?id=117

現在のところ次期ゆるキャラグランプリ最有力候補の今治の「バリイさん」なんかはいいにしても、「としまくん」「ねり丸」「日光仮面」あたりとか…本気か。本気なのかこれ。

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★「時折、自分だけが重たい荷物を持っている気がしてしまうし、自分以外のまわりの人たちが、とてもうまく人生を楽しんでいるように私からは見える。いつもじゃない。だけど、ときどき、それがひどく悲しい。そして、それを誰にも言えないからつらい」(「クラウドクラスターを愛する方法」)

先日、11月公開の映画「ふがいない僕は空を見た」の試写会に行ってきました。
田畑智子さんと永山絢斗くん(瑛太の弟さんだそうで)の熱演が胸に迫るとてもよい映画でした。
が、家に帰って気になった箇所を確認しようと思って原作を再読し始めたら、やっぱり全然いいんです。小説が。
初めて読んだときに湧いてきた熱い感情がまたせり上がってきて、改めて「やっぱ違う」と思ってしまいました。

窪さんの小説はいつも胸を締め付ける。
窪さんの書く話はとても強く心にささる。
だから私はいろんな人に窪美澄の小説を薦めます。
が、先日ある人からは「あんまりこういうのは…」というような、かんばしくない反応が返ってきて、少しその行為を改めようと思いました。
誰でも彼でも受け入れられる小説なんてそうはないよな、と。

今頃になって気づきましたが、窪さんの小説は「家族」がキーワードになっているものが多いです。
今回の二作もそう。
窪さんの心に開いている穴は「家族」なのかな、と思います。
そして同時に私の心に開いている穴も「家族」であることに、この本を読んで気づかされました。

心にある「家族」という穴を埋めるために窪さんは家族の話を書き、私たちは心にある穴を窪さんの描く家族の話で埋めている。
そう思ったとき、窪さんの本に対してあまり良い反応を示さなかったその知人が、猛烈にうらやましく思えました。
あの人の心には「家族」という穴はなくて、そこの部分はしっかり埋まっているのだ、と。
同時にそれ以上の大きな別の穴が心にあるのだろう、と。

窪さんの最新刊「クラウドクラスターを愛する方法」には子供の頃に母親に出て行かれた体験を持つ30歳の女の人の話が出てきます。
親同士の仲が悪い。
嫁と小姑の関係が悪い。
母親の支配が苦しい。
世間ではよく聞くことではあるけれど、よく聞く話をちゃんと聞いてくれる人はいない。
誰も自分をわかれない。
けど誰かにはわかってほしい。
そして人は他人を求める。
いつまでもいつまでもそれを繰り返すのかもしれない。
優しさと心の痛みはつながっている。
窪さんの小説を読むと、私はいつもそんなことを思います。

○「ふがいない僕は空を見た」(新潮文庫)

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○「クラウドクラスターを愛する方法」(朝日新聞出版)

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★だんだんだだーん抜けていく 

○「僕は髪の毛が少ない」新井キヒロ(メディアファクトリー)

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『僕は友達が少ない』というライトノベルが流行った頃からよく冗談で次は「僕は髪の毛が少ない」って本が出るよ、って言ったりしてたんですけど…まさか本当に出るとは。しかも元祖『はがない』と同じ版元で。

かつて「ハゲしいな!桜井くん」という髪の薄い男の子が好きな女の子に(あれ彼女だったっけ?)に自分のハゲがバレないように隠し通そうとするコメディマンガがありましたが(意外に長かった)、今やここまで直球な本が出るようになりました。
内容は20代半ばで髪が薄くなり始めた著者の深い苦悩(それはそれ夏目漱石並みに)とそれをどう脱却したか、の体験記なんですが…痛いね。胸に痛いよ。同じ髪の薄い人間として。

たぶん女の人にはいまいちピンと来ないと思うのですが、男性にとって髪が少なくなっていくことがどれだけ精神を蝕んでいくか(ホントだって)、ここまであからさまに書いた書物はそうそうなかったと思います。
それだけでも素晴らしい体験記なんですが、具体的な脱却への道が綴られているところも素晴らしい。まあすべては受け入れることしかないんだけど。
木村拓哉とかそういう悩みに一切無縁な一部の人を除く30代以上すべての男性におススメしたい一冊であります。

ただひとつだけ…いや、ふたつだけ著者に言いたいのは、

○「むかしはハゲている人の方が偉かった」という言説は実際髪が薄くなってる人間には何の慰めにもならない
○額がスカスカしてきたのを真ん中から後ろの髪を前に持ってくる髪型にしてごまかして「これで大丈夫」だと思ってもそう思っているのは当人だけである

ということであります。これマジ。

 

★尼崎の事件

なんだか大変な話がズルズル出てきているわけですが、同じような事件として巷間に上ってきている北九州連続殺人事件の「消された一家」(新潮文庫)がヒタヒタと売れてきております。

豊田正義はいま尼崎に行っているのでしょうか。
気になります。

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★今週の雑誌

「オレンジページ」のリメイクおかず特集はすばらしいですね。

「前の日の余った夕ご飯を翌日のおかずにしたい」という需要は絶対あるんだから。
ちなみに我が家には「煮物が余って困った時はルーさえ入れればカレーにできる」という絶対法則があります。
肉じゃがが余ったらカレー。
鶏肉と大根の煮物もカレー。
ルーさえあればおでんもカレーにできることが証明されています。

いやあんまやらんけど。

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★今週のひとこと

「ジョジョメノン」いくらなんでも作りが少なすぎだろう。
屁の突っ張りはいらんですよ。

(H)

October 08, 2012

西武新宿駅一番ホームに特急「おくちちぶ」号が止まっていた頃

台風が来たりゲリラ豪雨で結構な目にあったりそれでいて気温はまだ夏みたいなままで、気がつけばもう神々が出雲に行ってる10月で、神無月というとどうしても武藤敬司のモノマネをしているあまり売れない芸人の方を思い出してしまう今日この頃ですが、いかがお過ごしでしょうか。

私の中でぶどうと梨が出回って近所の小学校が運動会を始めるとプロ野球がクライマックスになる、というのが10月の認識なのですが今年も日本ハムと巨人がリーグ優勝しました。
わが千葉ロッテマリーンズは前半戦を首位で折り返し8月半ばくらいまで1位だったのに、結果的にはなぜか5位です。
どういうことでしょう。
何この急失速ぶりは。
水嶋ヒロの「KAGEROU」かよ。
ちゃんとした記録的なものは調べないとわかりませんが、約1ヶ月で順位をここまで急激に落としたチームというのは長いプロ野球史上でも早々ないんじゃないかと思います。
さすがです。
さすが我らの千葉ロッテマリーンズ。
そして一軍がそんな急失速しているのに、二軍は日本一というのも強いんだか何なんだかワケがわかりません。
http://hochi.yomiuri.co.jp/osaka/baseball/npb/news/20121007-OHO1T00100.htm
選手層が厚いのか薄いのかちっともわからん。

ちなみに今週、日本ハムの栗山監督の本が出ます。

○「覚悟 理論派新人監督は、なぜ理論を捨てたのか」(ベストセラーズ)

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中をまだ見てないので詳細がわかりませんが、理論を捨ててたのでしょうか。
気になります。
ついでにいつのまにかフニャフニャな感じになってしまった斎藤くんも気になります。

  
★西武線沿線から見る戦後日本史

○「レッドアローとスターハウス もうひとつの戦後思想史」原武史(新潮社)

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西武新宿線、西武池袋線の奥の方、東村山・清瀬・秋津・東久留米周辺にはかつてハンセン病の隔離施設や結核療養所が多数あった、という話を私はこの本を読んで初めて知りました。
なぜ東京の西側、西武線沿線に団地が多いのか。
なぜ清瀬に共産党員が運営する「赤い病院」ができたのか。
どうして西武鉄道は秩父まで特急を通したのか。

うちの父親は私が小さかった昭和50年代に秩父や芦ヶ久保によく連れていってくれました。
乗るのはいつもレッドアローです。
幼かった私はレッドアローのおもちゃを与えられてうれしかったのですが、大人になってからは「父はなぜメジャーな伊豆や箱根でなく、マイナーな秩父があんなに好きだったのだろうか?」と思ってました。
この本にはそのレッドアロー開通当時の話も出てきて、当時の「練馬区民」「所沢市民」といった人々が「西武線沿線住民」として囲われていく様子が刻々と綴られています。
父はきっと、何もなかった路線に「観光」が生まれて行くことにはしゃいだのだなと思いました。
ちょうどいま私たちがスカイツリー開業にはしゃぐように。
長年、西武線ととも生きている自分にとっては何か人生の答え合わせを示されたような一冊です。

 

★「検事さん、人間って嘘をつく生き物ですよね」

○「僕の心の埋まらない空洞」平山瑞穂(新潮社)

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ストーカー殺人事件を起こした犯人の供述を聞くうちに、聞いている検事が少しずつおかしくなり…とか書くとミステリーっぽく聞こえますが、違います。

この小説は21世紀版の「こころ」です。いや違うかもしれないけど、近い話だと思う。
人間の抱える業の深さを突き付けます。
読んだ人はまず全員、心に痛い部分があるのを自覚すると思います。
そしてそれはおおよそ世の中ではよくないこととされている。
表に出れば非難される。
されているけど、きっと内心身に覚えがある。

オビの「それ以上はダメ!」という書評家の大矢博子さんのコメントが秀逸です。
ポイントは「震え上がる既婚男性、続出!」という部分。
けど女の人にも絶対あると思います。
ないとは言わせない。
少なくともある程度の年齢であれば。

もう、読み終わって「あ~」としか言えませんでした。
あー。
平山瑞穂さんに会ったら「なんでこういう話を書こうと思ったんですか?」って聞いてみたいです。

★9月のセールスランキング

〈一般〉
1 置かれた場所で咲きなさい  幻冬舎
2 生きる悪知恵 正しくないけど役に立つ60のヒント 文春新書
3 ペコロスの母に会いに行く  西日本新聞社
4 光圀伝  角川グループパ
5 戦後史の正体 1945-2012  創元社
6 憑物語  講談社
7 悩む力  集英社
8 ノエル a story of stori  新潮社
8 変見自在 日本よ、カダフィ大佐に学べ  新潮社
8 やっぱり、ただの歌詩じゃねえか、こんなもん  新潮社
8 ソロモンの偽証2 決意  新潮社

〈文庫〉
1 ツナグ  新潮社
2 俺の妹がこんなに可愛いわけがない(11)  電撃文庫
3 魔法科高校の劣等生(7) 横浜騒乱 下    電撃文庫
4 散斬 交代寄合伊那衆異聞  講談社
5 もぐら  中央公論新社
6 もぐら 讐  中央公論新社
7 プラチナデータ  幻冬舎
8 珈琲店タレーランの事件簿 また会えたなら  宝島社
9 ニート・ニート・ニート  角川文庫
10 第三の時効  集英社

三羽省吾の「ニート・ニート・ニート」が結構売れてます。
三羽省吾については今度また語りたいと思います。

★もういくつ寝ると

手帖やカレンダー、家計簿、年賀状作成本…もう来てますよ。
まだ半袖着てますけど。

(H)

10/9(火)から営業時間が変わります

10/9(火)から営業時間が下記のようになります。

〈月曜~金曜〉   10:00~22:00
〈土曜・日曜・祝日〉11:00~20:00

平日が夜10時までとなります。
土曜日の営業が短くなります。

よろしくお願いいたします。

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