俺色にそまれ
先週末、中井では「染めの小道」という染物のイベントをやっていました。
伊野尾書店の前にもこんなのれんが出てたり。
落合・中井地区は染物の町なんですね。
私も小学校のときに社会科見学で近くの染物工房さんにお邪魔させていただき工房の奥さんに「あら本屋さんの息子さん」と言われ恥ずかしかったことを昨日のように覚えております。
早く中井に「染物ラーメン」「染物カレー」「染物コロッケ」が生まれて石ちゃんが「通りの達人」で中井に取材に来ることを心から願っております。
★話題の手記を2つ
○「逮捕されるまで 空白の2年7カ月の記録」市橋達也(幻冬舎)
冒頭の書き出しが素晴らしいです。
大阪のフェリー乗り場で警察官に逮捕されるまさにその瞬間の話が素晴らしく緊迫感のある描写で、あれで一気に引き込まれます。
これから裁判を控えていることもあるのか、リンゼイさん事件のことに関する言及はほとんどなく、ひたすら事件が発覚して以降の逃亡の描写です。
一貫して自分の今置かれている状況でどのような行動をすれば生きていけるか、捕まらずにいられるかという点で選択すべき行動が見えており、頭の良い人だと思いました。
無人島でヤドカリを食べたり寝るところを作ったりしてサバイブする能力もあり、自分の健康状態から取るべき行動も見えており、どうしてもお金が必要であればどこへ行って何をすればいいか、そのためには何を我慢していつ動けばいいか、そういった一連の行動力と判断力は単純に人としてすごいと思います。
説明のあまりない、淡々とした描写が続きますがそれもまた読む人になんともいえない緊迫感を与えています。
それだけになぜこんな頭の回る人があんな事件を起こしてしまったんだろう、と考えざるをえません。
○「何かのために sengoku38の告白」一色正春(朝日新聞出版)
昨年11月に尖閣中国漁船事故の映像をYou tubeに流した元海上自衛官の本。
You tubeに流す前にまず民放テレビ局に放送してもらえないか考えてたり、それが難しいとわかるや海外のテレビ局
(「C社」「A社」というイニシャル表記ですがおそらくCNNとアルジャジーラではないかと)
に放送してもらおうと考えたり、もしYou tubeにアップロードして即削除されたら「次の方法を考えていた」り(具体的な方法については「真似されるとイヤなので書かない」そうです)、いろいろ考えていたみたいです。
この本と前後してウィキリークス関連の本がいろいろ出ましたが、合わせて読んでみたいところです。
○「WikiLeaksウィキリークス アサンジの戦争」(講談社)
○「日本人が知らないウィキリークス」(洋泉社新書y)
○「機密告発サイト ウィキリークスの真実!」(宝島社)
★「思春期暴発」というコピーが素晴らしい
○「惡の華」押見修造(1~3巻発売中、以下続巻)マガジンコミックス
青年誌でアクの強い作品をよく描いてる押見修造が少年マガジンで連載している作品。
ちなみに書名は旧字体なので、「悪の華」で検索すると出てきません。
思春期特有の痛さと過剰さとエキセントリックな激情がよく描かれてます。
20年前だったら大槻ケンヂが放っておかなかったろうなあ。
なんかイメージ近いなあ、と思ったらやっぱり作者の押見氏も読んでいたそうです。「月光の囁き」喜国雅彦。
★なんか続いてますが
また西武線の本が。でもこれはすごい。
○「西武鉄道完全データDVD BOOK」(メディアックス)
何がすごいって、120分も収録されてるDVDには「史上初」(表紙より)という池袋~西武秩父間の運転席映像が80分も入ってるんですよ。
って80分って、これまるまるノーカットじゃないかな。すげ。
本の方も車両データはもちろん全駅データ(乗降客数とか開業年月日とか)や、変わったところでは西武鉄道グッズなんてのが載っております。西武鉄道キューピーストラップなんてこんなの駅売店で売ってたんだ。知らんかった。
ともあれ値段も若干張りますが、昨今の西武線特集の中では最強の一冊ではないかと思います。
★3月下旬、上野動物園にパンダがやってくる!YAH!YAH!YAH!
ってニュースが盛んですが、写真集出るそうですよ。
○「仙女と比力(仮)」二見書房 1,400円(本体)
こちらも3月下旬発売。
著者のところが「中国パンダ保護センター・日本パンダ保護協会 編」となっております。
いろんな組織があるものです。
そういやあの二頭のレンタル費用はン億円だよ、やってらんねえよ、みたいな話を現都知事が数年前イヤそうに会見で言ってましたがその問題はもういいんでしょうか。
ちなみにパンダは今現在でも和歌山のアドベンチャーワールドと神戸の王子動物園でも見られるそうです。あまりニュースになりませんが。
(H)