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September 2010

September 26, 2010

お客さんに受けた注文が入って来ず出版社は出したと言うし取次は入ってないと言うしで自分でバイク乗っ て近場の本屋を手当たり次第に探しに行ったことのある30代書店員にしか書けない文章がきっとある

先週まで毎日30度越してて9月も下旬だというのに真夏日が続いていたのに秋分の日の雷雨以降一気に涼しいを通り越して寒くなった気がする今日この頃ですがいかがお過ごしでしょうか。
すっかり更新頻度が適当極まりなくなっていますが、まあ高田純次の次くらいに適当な店長が書いてますゆえご理解ください。

○文具取り扱いはじめました

 

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お隣のあかね堂さんが閉店されてしまったので、取り扱いをはじめました。
今はまだ筆記具・ノート類・香典袋程度しかありませんが少しずつ扱い品目を増やしていければと思います。

  

○出版社が本をあなたに一冊プレゼント

「いまミシマ社の本を買って誰かにプレゼントするとなんかミシマ社がタダで本を送ってくれるらしいよただし自社商品の中から」キャンペーンはじめました。

 

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詳しくは店頭備え付けのチラシをどうぞ。
無職のカップルが結婚してそのまま海外で旅をしながら暮らす生活を描いた異色ノンフィクション「遊牧夫婦」は結構おもしろいと思います。

 

☆一応実用書なんでPCマニュアル本のあたりに置いてます

○「エクセルができたくらいで好きになんかならないんだからねっ! 萌えてラクラク エクセル2007 」(学研)

 

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いや…すごいね…。
説明がすべて
「最小値の書式はMIN関数で設定すればいいわ」
とかそういう感じです…。

  

☆今年下半期に店長が推すこれしかないというコミック

○「馬鹿者のすべて(1)」村岡ユウ(ヤングジャンプコミックス)

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宇治田真28歳。職業・コンビニ店長。いじめられていた過去に疑問を持たないようにして生きてきた。
このままでいいのか? 
他人から馬鹿と呼ばれることを避けつづけてきた平凡な男が、不公平な世の中に立ち向かう。

15年前、新井英樹「宮本から君へ」を読んだとき、「これは俺の物語だ」と思いました。
5年前、花沢健吾「ボーイズ・オン・ザ・ラン」を読んだときも「これは俺の物語」だと思いました。
そして2010年、この「馬鹿者のすべて」1巻を読んだときも「…これだ」と思ってしまいました。

つまりはそういう作品です。
今この感想を書くためにちょろっと調べたら雑誌掲載時から2ちゃんねるでだいぶ話題になっていたようで、それもわかる気がします。
もうこの1巻だけで「何だこれ?」という気分にさせてくれるエピソードがゴロゴロ詰まってます。
しかもこの1巻の終わり方…もう素晴らしすぎます。
こんな面白いマンガが初回配本は一冊でした。
絶対おかしいです。
さあ言おう。
「不公平だよな」

 

☆今頃読みました

○「永遠のゼロ」百田尚樹(講談社文庫)

 

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言わずとしれた去年からのベストセラーですが、ようやく今頃になって。
読み終わって「ずるいな」と思いました。
これ、実はあらすじは一行で説明できるんです。

「主人公の26歳の男性が戦争で亡くなったお祖父ちゃんの話をいろんな人に聞きに行く」

これだけなんです。
まあ一応最後それでどうなったか、みたいのは出てきますが基本これだけです。

でもずっしり来るんです。
ホントずっしり来ます。
結果、この一行で説明できるこの小説を読んでから私はラバウルやガダルカナルといった南方で亡くなった人、沖縄戦で亡くなった人、名誉を回復できないまま忘れられていった無数の英霊、今の自衛隊、戦後しばらく街中で見かけられたという傷痍軍人、ずっとそんな人たちのことばかり考えています。

とにかく、後を引きました。
そんなわけで今読んでいるのは講談社文庫から何作も出ている水木しげるの戦記ドキュメンタリー漫画です。

 

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☆予告?

10月になんか面白いことができるかも。

(H)

September 05, 2010

俺たちの夏はまだまだ終わっちゃいねえ

「気象庁は4日午後の定例記者会見で『北海道を除いた本州と九州・四国地方が亜熱帯気候であることを確認した』と発表。日本は今後亜熱帯地方と定義される」というニュースがYahooとかでそろそろ流れたりしないんでしょうか。
まー慣れましたね。
慣れました。
ほとんど毎日ようにバイクで配達してますが「35度か…いつもと一緒だな」と思えるようになりました。
なんだかんだ言っても書店は店の中に入ればクーラー効いてるんだからたいしたことないです。
近くでトンネル工事やってる工事の人たちなんかずっと炎天下ですから、常に2リットルのペットボトル持ち歩いてて本当大変そうです。

 

☆奇書フェア

はじめました。

 

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まあ売れないだろうと思ってたんですが(おい)、思ったよりもちびちび売れていてありがたい限りです。
「第一阿房列車」「アマニタ・パンセリナ」「神州纐纈城」あたりがちらほらと。


☆日本に関して

○「菊とポケモン グローバル化する日本の文化力」アン・アリスン/著 実川元子/訳 (新潮社)

 

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言うまでもなく、書名の元ネタはロバート・ホワイティングの「菊とバット」ですね
「菊とバット」同様、日本の大衆文化がどういうものなのかを欧米の読者に向けて解説する形式で話が進みます。

ポケモンが受け入れられたのは根底に「かわいさ」と「やさしさ」が同居しているからであり、それが日本的文化の側面になっている、とか。
「ドラえもん」が流行した70年代は日本そのものがのび太のように至らないところだらけで、それを急速に発展していた経済発展で埋めようとしていた。ゆえにアイデンティティは日本であり、家族であり、狭い世界の物語だった。
対してポケモンの世界は家族とか生活といったものから離れたバーチャルなものであり、サトシはのび太よりも圧倒的に欠陥が少なく、「世界一のポケモンマスターになる!」と自発的に外の世界に飛び出す、グローバルな物語である。
ゆえに「ドラえもん」は欧米でさほど流行らず(その代わりアジア圏ではヒットしましたが)、ポケモンは欧米でも人気になった。

とかそんな話がずっと続きます。面白いです。

 


○「幸せを届けるボランティア 不幸を招くボランティア」田中優(河出書房新社)

 

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「14歳の世渡り術」という少年向けなやさしそうな本に見せかけてその実内容はまったく大人向けという河出書房新社の人気レーベルから。
著者はNPOなどでボランティア活動をされてる方なので「ボランティアってのはこんなにいいことなんだよ」的めんどくさい押し付けな話なのかと思ったら現状のボランティア活動をめぐる問題点が結構シビアに書かれてて考えさせられました。
とりあえず赤い羽根募金について著者が書いてたことで非常に共感できるくだりがあったのですが中途半端に紹介すると火種を生みかねないので内容は買って読んでください。

 


○「僕はビートルズ(1)」藤井哲夫×かわぐちかいじ(講談社モーニングコミック)

 

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売れないビートルズのコピーバンドのメンバーが2010年から1961年にタイムスリップ。
昭和30年代にやってきてしまった彼は戸惑いつつも考える。
“もし、僕がビートルズより先に『イエスタデイ』を発表したら、僕はビートルズになれるかもしれない”

これポイントなのは1961年(の吉祥寺)にタイムスリップしたのはポール・マッカートニー役のギターの子とジョージ・ハリスン役のベースの子の二人だけで、ボーカルのジョン役とドラムのリンゴは移ってきていない、ということで。
いや、これ読ませますよ。
自分たちが先にビートルズのナンバーを発表することに反対するベースの子に対して主人公のギターの子が言うセリフが最高です。
2巻以降が楽しみなマンガです。


(H)

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