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August 2010

August 18, 2010

毎日毎日コンビニでアイスを買ってるうちに気づけばほぼ全種類食べてしまいました

最近驚いたことは小島聡のG1クライマックス優勝と、福島代表聖光学院の快進撃と(今日負けてしまいましたが)、「メンズノンノ」の付録がポール・スミスだったことです。
すごい時代になりました。
ユナイテッドアローズが付録につく時代もそこまで来ているんでしょうか。

 

☆予告

なんだこれ?どういう本?といった感じの本ばかり集めた「奇書フェア」を行う予定です。
今月末くらいからの予定。
またお知らせします。
とりあえず、前に幻冬舎から出たゴキブリの写真集「ゴキブリだもん」は入れませんでした。やだよあんなの。

 

☆LOVE書店

本屋大賞参加書店にて配布しているフリーペーパー「LOVE書店」の「ラーメンズ片桐と行くフェチ書店」のコーナーに店主が出ました。
http://www.hontai.or.jp/love/

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例によって本屋プロレスの話を。

  

☆最近読んだ中で抜群によかった小説

○「ふがいない僕は空を見た」窪美澄/著(新潮社)

 

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僕の中から湧いて出た初めてのこの感じ。つまり性欲? でも、それだけじゃないはず――高校一年、斉藤卓巳。好きだった同級生に告白されたのに、なぜだか頭の中は別の女のことでいっぱい。嫉妬、情愛、感傷、どうしようもなく僕らをゆさぶる衝動を、まばゆくさらけだしたデビュー作。


最初、よくありがちなインモラルな性生活とドロドロした人間関係を描いた恋愛小説なのかと思って読みだしましたが、大変な間違いでした。
これは本当に素晴らしかったです。
日常。性欲。孤独。家族。友情。生命。人生。
全部つながっているんだ、と改めて実感しました。
実は最近、読んだ本が失敗続きで、あんまり面白いと思わなかったものをそれっぽく書くのもどうなんだろうというのが続いてたのですが、そんな4打数ノーヒットみたいな最近のスランプを一打席でぶっ飛ばすくらいの快作でした。
「女による女のためのR-18文学賞」という賞を受賞しているようですが、正直そんな読者層を狭めるような売りはいらないと思います。
これは老若男女どの世代にも自信をもって薦めたい本です。
1470円の価値があまりある一冊です。

(H)

August 12, 2010

お盆の営業について

伊野尾書店は 8/14(土)、15(日) の二日間は休業とさせていただきます。

ご了承ください。

栄冠は君に輝く

実用書担当が1ヶ月ほど休むことになり久しぶりに棚をいじりましたが、実用書は見てるだけで楽しいですね。
とりあえずこんだけ暑いんでカレーの本をいくつか出してみました。

 

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そんな売れてるかって言われたらアレですけど、まったく売れていないのかといったらアレな程度に売れています。
要するに「タニタの社員食堂」にはかなわないってことです。
タニタすごいなあ。
丸の内とか神田に店出したらすごい繁盛するんじゃないかなあ。

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絶品!大人の定番スイーツ夏(ベストセラーズ)

 

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見ているだけでとろけます。

とりあえずかき氷のページの最初に出てくる鵠沼海岸の「埜庵」には絶対行ってやろうと思いました。
http://kohori-noan.com/

 


○「呼出し一(はじめ)」中村明日美子(講談社モーニングコミック)

 

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中村明日美子は言い方は悪いですが「腐女子の好きなマンガ家」というイメージがあったのですがこれ読んでみたら男が読んでも普通に面白い作家さんでした。すみませんでした。
「呼び出し」というのは大雑把に言えば相撲で土俵のそばにいるリングアナウンサー兼雑用をこなす裏方さんですね。
といいながら第一話は主人公の高校三年の男の子がパーマをかけたら見知らぬ下級生の女の子にラブレターをもらい、「やった~パーマかけてよかった~」と悦に入るところから始まります。
そんな話がどう相撲、それも呼び出しというマニアックな仕事の話に転がっていくか、それは本編で。

しかし、この本内容がすごく相撲のイメージを上げる描写にあふれており、これが売れたらすっかり落ちまくった相撲のイメージをずいぶん上げられるだろうなあ…。
相撲関係者は遠まわしにこれがベストセラーになるよう根回しをしてはどうだろう。

 

○「ももえのひっぷ」コージィ城倉(ニチブンコミック)

  

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私の敬愛する花沢健吾が絶賛したとオビにあったので読んでみました。
タイトルがタイトルだし、掲載誌は「漫画ゴラク」だし、エロ漫画なのかなと思ってましたが、そういう要素も多少はありつつ基本的には地方の村を舞台にしたサスペンスミステリーでビックリしました。

あらすじはニチブンWEBから引用。

ダム建設を巡り過熱する、とある田舎町の町長選挙。そんな選挙戦の最中、ダム建設反対派候補・大小中(だいしょうあたる)が“限りなく事故に近い傷害致死”で死んだ。
この非常事態に、ダム建設を中止させたい関係者が取ったとんでもない行動…それは、瓜二つの別人・矢沢勘次を大小中の替え玉にすることだった!!
はたして無謀なる計画の行方は!? そして「ニセ町長計画」に隠された本当の狙いとは!? 真実を求め、美人すぎる未亡人・大小桃肢(ももえ)が陰謀と戦う!

地方ならでは土着的な背景と狭い人間関係、桃肢への性欲を膨らませる男たち、そして「真実はまったく別のところにある」と桃肢に忠告する謎の男。
なんだろうこの感じ、どっかで見たような…と思って気がつきました。
この話、伊丹十三作品の雰囲気にすごく似ています。
そして10年くらい前はなんか3Dな野球マンガやアンバランスなラブコメを描いていたコージィ城倉はいつのまにか大人の作品が描けるようになっていました。

 

☆この夏の一冊パート2

○「ひそやかな花園」角田光代

 

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幼い頃、毎年サマーキャンプで一緒に過ごしていた7人。
輝く夏の思い出は誰にとっても大切な記憶だった。
しかし、いつしか彼らは疑問を抱くようになる。
「あの集まりはいったい何だったのか?」
別々の人生を歩んでいた彼らに、突如突きつけられた衝撃の事実。
大人たちの〈秘密〉を知った彼らは、自分という森を彷徨い始める――。


作家は、キャラクターを描くときにその人物の行動描写を描くことでキャラクターを説明します。
たとえば「宏之はエレベーターを待つ間、ずっと落ち着きなく携帯電話を開けたり閉めたりしていた」と書けば読んだ人は「ああ、この宏之という人物は落ち着きがなくて今何かに苛立っているのだな」とわかります。
けれど、「宏之」が「自分ではどういうことをどういう風に考えた末に結果としてそういう行動をとっているのか」ということを丁寧に描く小説はあまり多くありません。

角田光代はこの作品で7人の人物を登場させ、当然みんな違った性格の持ち主なわけですが、「その人から見ると世界はこう見える」ということを表現する書き方がずば抜けて上手いと思います。
物語で重要なカギとなる「あの集まりはいったい何だったのか?」の謎は実は案外あっさり明かされてしまいます。
そこからが長いです。
そして、そこからが深いです。
なぜ角田光代がこの作品を書いたのだろうと考えたとき、たぶん「人間って何なんだろう?」という疑問があったんじゃないかと思います。
そしてそれに対する角田光代の回答が、この謎が明かされたあとの後半部分に詰まっているのだと思います。

作品中、一番印象に残った部分を書いて今日はおしまいにしたいと思います。

「よりいい学校を、よりいい容姿を、よりいい暮らしを、よりいい収入を、って気持ちになっちゃった。それが生まれてくる子に対するせいいっぱいの善きことだと思い込んだ。でも、私たちはあなどっていた。生まれてくる子にあげられるものは、幸せの保証っていうのは、そんな「条件」ではなかった。若かったから、気づかなかった。そのことがあとで自分たちを追いつめるなんて」

公式サイト
http://mainichi.jp/enta/book/hanazono/

(H)

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