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January 2010

January 26, 2010

「スーパーフライ」と聞くとトップロープからのボディプレスを想像してしまう悲しきプロレスマニアたちへ

書店員が一番面白いと思った本に投票する本屋大賞と同じようなもので、CDショップの店員さんが一番聴いてもらいたいと思ったCDを投票で決める「CDショップ大賞」というのが昨年から行われています。

http://www.cdshop-kumiai.jp/cdshop-taisho/

先日第二回の発表があり、THE BAWDIESの「THIS IS MY STORY」 という作品が受賞しました。
日頃から熱心に新しい音楽を聴くわけではない、CDショップに行ってあれこれ見たものの結局何を買っていいかわからず最後は無難に昔から聴いてるバンドの焼き直しみたいなアルバムを買って帰ってきてしまう私のような人間にとってはこういうのありがたい企画ですね。
ホームページで今年と昨年のノミネート曲を見ていたんですが、やっぱり内部では「おまえ今さらミスチルの「SUPER MARKET FANTASY」とか入れんなよ!」とか言ってる人がいたりしたんでしょうか。
まあとにかくずっと継続してほしいですね。
とりあえず準大賞を受賞した清竜人の「痛いよ」は名曲だと思います。

この人は本当に声がいいですね。

 

で、本屋大賞の方も今年のノミネート作品が発表になってましたね。

http://www.hontai.or.jp/

ノミネート作を見て、藤谷治の『船に乗れ!』が入ってたことにビックリしました。
正直これが入るとは思いませんでした。
やるなあ全国の書店員。

あとたぶん「1Q84」が入ってることで「なんで今さらこれを」みたいな論議が出てると思うんですが、私自身は別に「1Q84」でも全然いいんじゃないかと思います。
本屋大賞はさっきのCDショップ大賞同様、
「日頃本を読まない、何を読んでいいかわからない人がいたら『私らはこれが面白いと思うんですけど、何を買われるかはお客様のご自由ですよ』程度に薦める本」
だと思ってるんで、全国の書店員が「1Q84」が一番おもしろかったというならそれでいいんではないでしょうか。
“何の本を買ったらいいかわからない人”に向けてやってるものですから、“何の本を買ったらいいかわかる人”がすでに知ってたり、内容にひとことあったりしても、それはもうほっといていいんじゃないかと。
そして結果的に日頃本を買わない人が「これ本屋大賞の本買ったけど、あまり面白くないな」と感じたらそれはそれでしょうがないと思います。

今週の「週刊プロレス」でTAJIRIがいいこと言ってたじゃないですか。
「役目を終えたものは必ず消えていく」
って。
仕事柄かなりズキッとしましたけどね。
でもやっぱりそうなんだと思います。
『役目を終えた』ハッスルはなくなったけど、TAJIRIはまだ仕事がある。というか増えている。
一方で、ひっそりとフェードアウトしている人もいる。
大事なのは「居場所を残すこと」じゃなくて、「居場所に関係なく生きていける人種になる」ということ。
というわけでいつ会社がなくなってもいいように、みんな日頃から毒霧を吹けるよう練習しておきましょう。

 

☆最終号

 Sabra

ゼロ年代を代表するグラビア雑誌「sabra」が今日発売の3月号で休刊することになりましたが、その最終号がすごい。
「この10年のグラビアアイドル史」みたいな内容になってます。
創刊号は奥菜恵、第2号は葉月里緒奈が表紙だったんですね。
あの頃、佐藤江梨子と小向美奈子と乙葉がここまで別れた人生を歩むとは誰が考えたでしょうか。
 

☆気になる本

○体脂肪計タニタの社員食堂(大和書房)

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ヘルスメーターやクッキングスケールを製造するメーカー・タニタでは社員の健康管理のために社員食堂を改革、「美味しく食べているうちに気がついたらやせていた」という平均500キロカロリーのメニューを出すようになります。
まあ体脂肪計を売ってる会社の社員がメタボだったら説得力も何もない、というのもあったようですが。
そのタニタの社員食堂メニューを再現できるレシピ本。

最初にこの話を聞いたときは病院食みたいなものを想像しましたが、中見ると普通に美味しそうです。
野菜を使った和食が多いな、という印象。
その秘訣は「塩分とカロリーだけを重視すると味気ない食事になるので、違うところで補うようにする」とのこと。
その内容がいろいろ書かれています。

でも本当は本を出すじゃなくて、タニタ食堂がチェーン化してくれればいいのにな…と思ったり。

 

☆店長があまり知られていない名作をこっそり紹介するシリーズ

というのをはじめました。
こっそりなので教えません。
何なのかはご来店してお確かめください。
ヒントは新潮文庫。以上。

 Ichioshi 

(H)

January 18, 2010

「シェフの気まぐれピザ」のようなものとお考えください

1月もなかばを過ぎて書店員的には手帳や日記やカレンダーや家計簿を縮小して空いたところにまた違う本を詰めて、と忙しい時期ですがいかがお過ごしでしょうか。
というわけで空いたスペースを利用してこんなフェアを始めました。

 
○「店長がリストを考えてるうちにどんどん変な方向へ傾いてきた笑える本フェア」

 

Img_0501

  

えー…企画段階ではタイトルは(仮称)だったのですが、いつのまにか仮称が取れていました。まあいいや。

並べて今日で二日目ですが、今のところ「店長が去年一番笑った本」というPOPをつけた本が一番売れております。

 

☆島

○「封印された日本の離島」歴史ミステリー研究会(彩図社)

 

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日本の様々な離島に秘められたエピソードを紹介した本。
いわゆる廉価版ペーパーバックですが、面白いです。
たとえば瀬戸内海には「ひょうたん島」、トカラ列島には「宝島」、桃太郎に登場する鬼が島だったと言われる「女木島」といった実際に存在する島々の話や、南東の島々に伝わる戦争や歴史にまつわる悲話なども大変興味深いのですが、私が一番興味を持ったのは福岡県の玄界灘にポツンと浮かぶ「沖ノ島」です。
というのもこの島は基本的に住んでる人はいない無人島なのですが、「神が降り立った」という神話が古代より伝えられ、島には宗像大社沖津宮という神社があるのです。
そしてその神社を守るために宗像大社から毎年神職が交代で派遣されている、というのです。
その人数はこの本によれば「1人」となっています。
玄界灘の孤島にたった一人!
考えただけでゾワッとします。
まず携帯とか通じない地域でしょうし、第一ご飯とかどうしているのでしょう。
島よりも沖ノ島に派遣された神官のことばかり気になってしまいます。

(H)

January 14, 2010

さよなら、「安さ爆発みんなのさくらや」

三連休の最終日だった今年の成人の日はずいぶんと寒い成人の日だったようですが、伊野尾書店のお店の客足も寒かったので、これを機に2009年にウチの店で売れた本(コミック以外の全商品)のベスト10を算出してみました。
ドン。

2009年伊野尾書店で売れた本

1  1Q84   1             新潮社    
2  1Q84   2             新潮社    
3  読めそうで読めない間違いやすい漢字    二見書房   
4  日本人が知らない幸福           新潮社    
5  わたしを離さないで            早川書房   
6  文庫判 東京 都市図 5版        昭文社    
7  思考の整理学               筑摩書房   
8  赤い指                  講談社    
9  重力ピエロ                新潮社    
9  向日葵の咲かない夏            新潮社    
9  日本人の知らない日本語          メディアファクトリー


一般的なベストセラーと変わらないような、そうでもないような。
普段あまり気にしてませんが、地図って結構売れるんですね。
「わたしを離さないで」は2009年伊野尾書店のMVP本です。
早川書房さん的には「それよりミレニアムを」ということのようですが。
まああれだけ絶賛されてしかも映画化となれば無理もない話かもしれません。

http://millennium.gaga.ne.jp/

 

 

☆ドキッとしました

今年予定されてる大きなイベントといえば6月のワールドカップでしょうが、こらまたすごいタイトルの本で。

○「0勝3敗」(辰巳出版)

 

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「0勝3敗の可能性は99%」
「日本が勝つには監督交代しかない」
「選手もダメだと思っているはず」
「サッカー人気凋落は誰の責任なのか」

見出しをいくつか並べましたが…すごいですね。
最後には「終章」として「岡田監督解任要求」と題した文面が載っており、その前には交代候補として「日本代表を任せたい世界の監督10人」が載っています。
私はサッカーに関しては「デンマークといえばラウドロップ兄弟」程度の知識しかないのでこの本の内容が妥当なのかそうでないのかなんとも言えませんが、とりあえず岡田ジャパンがこれに奮起してベスト4まで行かなくても1勝か2勝くらいしてくれたらいいなあと思います。

しかし、これで本当に0勝3敗だったらまた「オシムの言葉」が売れたりしないかな…あ、なんでもないです。がんばれニッポン。

 

☆「こういう本を前から読みたかったのだ!」とオビで東海林さだおさんが言ってます

○「定食学入門」今柊二(ちくま新書)

 

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「いい定食屋の見分け方」から始まって「定食のおかずについて」のあれこれ、そして「定食の歴史」。
家以外で食事を摂る外食という風習が始まったのは江戸時代だそうで、最初は屋台の元祖ともいえる田楽の辻売りというのが出てきて、それから蕎麦を出す屋台、茶漬けを出す屋台が生まれ、次第に店になっていったとか。
というような話が満載の本。
ちなみに唐揚げはかつてマイナーな酒のつまみに過ぎない料理だったそうですが、80年代以降弁当屋チェーンで「唐揚げ弁当」を出すようになったことが広まる影響を与えたのではないか、とか。
まあそんなことを一生懸命探求しています。

読んでたらどんどんおなかすいてきました。


☆アンパンマンは新宿生まれなんだそうです

○「東京人増刊 新宿を楽しむ本」

 

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「東京人」の増刊らしく、新宿の文化的・歴史的側面をひたすらフューチャーした本。
新宿・四谷・落合とそれぞれ地区をわけてページを作ったりしているのが住民からするとうれしいところ。
ちなみに落合地区の代表としてインタビューに答えてるのは福沢“ジャストミート”朗氏です。
私とは11歳年の差があるんですが、妙に共通体験が似てたりします。

読んでいて、そういえば小学校の時の社会科の副読本に同じような感じの本で「わたしたちの新宿区」という本があったのを思い出しました。
この本は大人版「わたしたちの新宿区」という感じがします。


  

☆ちょっと前まで日本経済新聞のイメージキャラクターだったはずなのに

○「家電俳優」細川茂樹(ワニブックス)

 

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ご存じ並はずれた家電の知識で急激にテレビの露出が増えたこの方の本。
初めての著書だそうですが、自身の経歴や身の上話は

「父親がテレビを買ってくれなくて高校生くらいまでずっとダイヤルでチャンネルを回す古いテレビを見ていた」
「うちの炊飯器はガスだった」
「役者になりたての頃、出始めたばかりのハンディビデオカメラを買ってそれで自分や他人を映して演技の勉強をした」

といった感じにどれも微妙に家電エピソードにつながってて、はたして自分の話をしてるのか家電の歴史の話なのかよくわかりません。

繰り返しますが初めての著書なのに「役者として誰を尊敬しているか」とか、「仮面ライダーに出てたときはどうだった」とかそういう話は一切なく、あるのは「冷蔵庫の買い方について」といったウンチクか、「ダイソンの掃除機がいかに素晴らしいか」といったことや「2011年7月24日は絶対に仕事をオフにして、高台のようなところに登ってテレビの歴史が変わるのを見ていたい」といったカッコいいんだか何なんだかよくわからない夢のようなことがあるばかりで、いろんな意味ですごい人だなあということがよくわかります。
非常にメッセージ性が強い本なので、一番印象に残った人生の教訓をここに記して今日はここまでにしたいと思います。

「冷蔵庫は女性に似ている。
ある日突然動かなくなる。
ダメになってから『ねえ、どこが悪かったの?なんでもっと早く言ってくれなかったの?』と問い詰めても何も答えてくれない」


(H)

January 08, 2010

ご案内

諸事情により、1/10(日)は休業します。

本来の定休日 17日(日)は営業します。

よろしくお願いいたします。

January 05, 2010

2010年になりました

新年あけましておめでとうございます。
2010年代に入ったのを記念してデザインをマイナーチェンジしてみました。

最近聞いた言葉でよかった言葉を。
どっかの雑誌を見てたら哀川翔さんがこんなことを言ってました。
うろ覚えなので若干言葉やニュアンスが違ってたらごめんなさい。

「俺さ、悩まないんだ。5分考えて答えが出なかったら、もうそのことについて考えないようにしてるんだ。だってわかんねえんだから、考えたってしょうがないだろ」

まあまったく何も考えないのも問題だと思いますが、グズグズ考えて考えてばかりで結局何も動けない、というのもよくやってしまいがちなことです。
ということで今年は、というより毎年ずっとそうですが、見る前に飛びたいと思います。何事に対しても。

そんなわけで更新頻度の方は相変わらずグズグズですが、今年もよろしくお願いいたします。

  

☆正月休み中に読んで面白かった本を。

○「確率に強くなる 「偶然」にひそむ数学法則 」(ニュートンムック)

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問題。

20歳の成人男性が一年間に死ぬ確率と、宝くじの一等が当たる確率と、宝くじBIGが当たる確率はどれが一番高いか。

問題その2。

あなたが一生のうち交際できる相手が10人いたとして、その中で最高の相手をAとする。
ただし、10人のうちどの人がAだったかを判定するには、10人全員とつきあってみないと確定できない。
このような条件下のとき、あなたは何番目につきあった人と結婚するのが一番最良な選択か?

 

答えは3番目と4番目のどちらかだそうです。
なぜそうなるかは、問題1の正解とともにこの本のどっかに書いてあります。
   

確率論は常に「偏り」があります。
理論的には2回投げればに回は表が出るはずのコイン投げで9回連続裏が出たりします。
勝率5割5分のチーム(仮称・ジャイアンツ)と勝率4割5分のチーム(仮称・マリーンズ)が最大7戦、先に4戦勝った方が優勝、というルールで戦ったときマリーンズが勝つ確率は13%もあります。
だからたまたまマリーンズが勝ったから「マリーンズはジャイアンツより強かった」って単純に定義しちゃっていいのかはまた議論のあるところで。

ちゅうことがいろいろ書いてある本です。
ちなみにもっとも確率論的にもっとも期待値の高いギャンブルは競輪の「チャリロト」だとか。勉強になります。

(H)

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