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November 2009

November 23, 2009

いっぱいは売れてないけどちょっとは売れた本たち

同じ書店仲間、というより単なる飲み仲間の千駄木の書店さんが「10位までのランキングはつまらん!!ちょっとでも売れた本も紹介しる!」と言ってますのでマネして「ランキングには載らないけど先週に最低1冊は売れた本」を紹介してみます。

 

 
○ 「藤田嗣治 手しごとの家」林洋子(集英社新書 ヴィジュアル版)

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藤田嗣治って多趣味、というより多芸だったんですね。

 

○「サラリーマンのためのお金サバイバル術 家・車・保険、「人並み」な買い物が破滅を招く」岡本吏郎(朝日新書)

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けれど「人並みであること」が幸せなのもまた真実。

 

○「ちか100かいだてのいえ」いわいとしお(偕成社)

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「100かいだてのいえ」の続編。ちなみに大江戸線中井駅のホームは地下8階。

 

○「インフルエンザは征圧できるのか」青野由利/著(新潮社)

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いまだ周りで新型にかかった人がいないのでまだいまいち深刻さがわからないのですが。

 

○「みんなが幸せになるホ・オポノポノ ハワイに伝わる癒しの秘法 神聖なる知能が導く、心の平和のための苦悩の手放し方」イハレアカラ・ヒューレン/著 桜庭雅文/インタビュー(徳間書店)

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江原啓之のブームに代わって昨年ぐらいから静かなブームのホ・オポノポノ。ハワイに伝わる癒しの秘法だそうです。

 

○「時間のかかる読書-横光利一『機械』を巡る素晴らしきぐずぐず」宮沢章夫(河出書房新社)

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1冊の本を11年に渡って読み続けた記録。

  

○「幸福の方程式 新しい消費のカタチを探る」山田昌弘/電通チームハピネス(ディスカヴァー携書)

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携書という名前の新書。この社会の行く末と同じぐらい昨今若者事情を語る第一人者になってしまった山田先生のその後が気になります。

November 17, 2009

今週は1点集中です

ちょうど裁判が始まった酒井法子騒動と入れ替わるように、「市橋容疑者」が連日ニュースやワイドショーを賑わせています。
市橋容疑者がなぜリンゼイさんを殺害したのか、興味がないことはないですが、本当のところは本人にしかわからない以上、知る術はないしわからないのでそれはいいのですが、日本中いたるところに自分の顔写真が貼られている状況で2年7カ月どうやって逃げとおしたのか、それは何かの形で記録してもらいたいと思います。
本人が口を開くかわかりませんが、2年7カ月の間に嬉しいこともあったでしょうし、悲しいこともあったでしょう。
その長い長い物語を、私は読んでみたいと思います。

私が気になったのは逃亡中、彼が働いていた建築現場の同僚だか上司だかが
「真面目にやっていた。市橋だとは思わなかった。罪をつぐなってきてほしい」
というようなコメントを残していたことです。
そこには恨みも、怒りも感じられません。
ただ残念だ、という思いだけが感じられます。
想像になってしまいますが、その同僚の人は本当に残念だったのではないでしょうか。
そして、彼の「市橋容疑者」像は世間で考えられているそれとまったく違ったものになっているのでは、そんな気がしてなりません。

先日は彼が逃亡中に買っていた文庫本までテレビで紹介されるということもありました。
それについては当の作者までが困惑したコメントをブログに載せています。
まあ、道尾秀介もこんな形でフューチャーされると思わなかったでしょう。
http://michioshusuke.cocolog-nifty.com/blog/2009/11/post-6a8c.html

そしてこの報道が出た後、ウチの店でも「向日葵の咲かない夏」がポツポツ売れていました。
今年の春先ぐらいからずっと売れてた本ですが、さすがにこのところは売れ行きが落ち着いていた商品です。
それがまたこうして、こんな形で売れたりする。
不思議なものです。
けど、本というのはそうやって思わぬ形で知るから、面白いものに出会えるのだと思います。
そんなことを改めて実感する今回の出来事です。
市橋容疑者は他にどんな本を読んでいたのでしょうか。どんな思いで、本を読んでいたのでしょうか。

 

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☆今週はこの本だけです

これは今ウチの店にある本の中でも最高に面白い本だと断言します。
普段はあれこれ本を紹介する当ブログですが、今日はこれ一本で勝負します。


○「古代仕事大全」ヴィッキー・レオン、本村凌二(原書房)

 

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古代ギリシャ・ローマ時代にあった、様々な職業を紹介した本。
「13歳のハローワーク@古代ギリシャ」と考えてもらえばわかりやすいと思います。

たとえば、古代ローマには「わき毛処理師」という仕事がありました。
当時、上流階級やそれを目指す人たちのあいだで脱毛が流行ったそうです。
脱毛したあとは「肌のつや出し職人」と呼ばれるエステティシャンみたいな人が肌を綺麗に磨いたとか。
安くなったとはいえ、エステがいまだ高いことを考えると意外に今と変わりない感じがします。

しかし、今と違うのは道具と技術。
「わき毛処理師」が使う道具は毛抜き用ピンセットと、すぐに切れ味が悪くなる鉄製のナイフ。
そうです、わき毛は剃るのではありません。抜くのです。
当然、抜かれる方は激痛が走ります(お客なのに)。
なので、「わき毛処理師」には通常の人と違う資質がないと務まりませんでした。
すなわち、「他人に苦痛を与えることに耐えられる度胸」と「痛みに耐えかねて暴れる客を抑えつける腕力」。
そうやって考えると、当時脱毛していた人は違う意味で人々の尊敬を得ていたのかもしれません。

「葬式の泣き女」という職業もあったそうです。
文字通り、葬式で泣くのが仕事だったようです。
この仕事については細かい説明がないので詳細がわかりませんが、葬式で本当に泣く人と仕事で泣く人の区別はついたのでしょうか?
また、当時の葬式では故人の人生や行いなどを芝居で演じる「葬式道化役者」という仕事があったようです。
ちょっと違うかもしれませんが、結婚式で幼少時から現在までの写真を展示する感覚に近いのかもしれません。
ただ、ニュアンスとしては「葬式で悲嘆にくれる人たちを道化で笑わせる」のがメインだったようで、ケチで有名だった皇帝が亡くなったときに演じた道化師は、自分(皇帝)の葬式がいくらかかるのかを聞いて「高っ!それだったら川に投げ込んでくれよ!」とか笑わせてたそうです。参列者は本当に笑えたのでしょうか。

こんな感じでどの職業も非常に興味深いのですがこのまま続けていくと朝になりそうなので、最後にもう一つ。

紀元前6世紀からあって今もある職業。
それが書籍商、要は出版社兼書店です。
当時はまだ印刷の技術がないので、ベストセラーが出ると、声に出して読んだ原稿を奴隷が写すことで製造したそうです。
なんか誤字脱字落丁乱丁非常に多そうです。
ちなみに著作権という概念もなかったため、作家からもらった原稿を出版元が適当に内容変えて出したりということは当然のようにあったそうです。
まあ今でも人気漫画家の無くなった原稿がなぜかまんだらけで売られている、なんてことがあったりするわけですが。
当時の売れ線は詩、歴史、そしてセックスについて振り返った回顧録。
ようは「実録・人妻のいけない告白」みたいなもんでしょうか。
ろくろく人間は進化しちゃいません。

以下、気になった点を書き出すと

・「書店組合」は当時からあった
・“今これがベストセラー!”みたいな広告は当時からあった
・書店はお客を呼び込みしていた(今でいうとこれがPOPになるのだろうか?)
・本は巻物のようになっており、読むときは両手を使ってスクロールしていかなければならなかった(鈴木光司の『ドロップ』みたい)
・通常の本の他に「豪華本」もあった。装飾が凝っていたとか。

なんか、本の形体と製造工程以外、今とほとんど変わってないような…。
年長者の方が「出版業界は古い業界だよ」とよく言う理由がわかりました。
そりゃ紀元前6世紀から変わってなきゃねえ。

(H)

November 09, 2009

ジャイアンツ愛ふたたび

ジャイアンツファンの皆様、日本一おめでとうございます。
ちょっと前まで「どうせ借りてきた戦力ばかりのくせに」みたいな陰口を叩けたものですが、坂本・亀井・松本・山口・越智・東野ついでにオビスポと、あれだけ自前で育てた選手が活躍された日にはもうそういう口も叩けません。
本当に素晴らしいチームだと思います。
一方そのジャイアンツから追い出された二岡と林も奮闘したファイターズも、敗れはしたもののこちらも素晴らしいチームだったと思います。
目の前で古巣の胴上げを見せられて流した林の涙、胸を打ちました。
結果的に4勝2敗でしたが、紙一重の内容が続いた、白熱したいいシリーズでした。

そんなジャイアンツ優勝記念号は11/12(木)発売予定です。

しかし、原監督はこれでWBC世界一監督に加えて、3年連続のリーグ優勝、そして日本一、と「21世紀の名将」の座を確実に手に入れた気がします。
でも、今一つ全国的な人気がないのはいまだに現役時代のおぼっちゃまイメージが尾を引いているからでしょうか。
結構苦労している気がするんですけどね。
「おまえさんたちは、強いサムライになった!」(WBC優勝パーティーでの挨拶)は今年の名言だと思うんですけど、あのときもイチローの方がクローズアップされちゃったし。
“実績に合ったクローズアップをされない男”としての原監督の悲哀に満ちたノンフィクション読みたいですね。誰か書いてくれないかな。

 

☆病気には身体を強くする

新型インフルエンザ対策のワクチンの話が連日ニュースで取り上げられてますが、そんな風潮に関係あるのかないのかこのところこんな本が売れております。

○免疫力を上げる「食」の本(オレンジページ)

 

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この本に載ってる食材を見ると、「みかん、ヨーグルト、バナナ、ひじき、納豆、キムチ(以下略)」
なんか免疫力がどうのというより健康に良いという食品はみんな一緒だなあと…。

○「生姜力  病気が治る!ヤセる!きれいになる!」石原結実(主婦と生活社)

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手軽に生姜を摂るには「生姜紅茶」を飲むとよいそうです。チャイですね。

 


○「40歳からの免疫力がつく生き方  からだは間違いを犯さない」安保徹(静山社文庫)

 

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書店のオンライン発注サイトで『免疫力』と検索したら231件出てきました。完全に一般語なんですね。「免疫力」。 

 

○「整体から見る気と身体」片山洋次郎(ちくま文庫)

 

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毎年寒くなってくるとこの本は売れる気がします。


  

あと若干関係ない気もしますが、こんなのも売れてます。

○「『人体の謎』未解決ファイル」日本博学倶楽部(PHP文庫)

 

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これによると「嫌なことをアルコールを飲んで忘れる」というのは逆効果で、最近の研究によるとアルコールは記憶を固定させる働きがあるのでは、と推測されているそうです。
じゃあ何を飲めば、という答えはこの本には書いていません。
そんなこの本の重さは、人間の腎臓ひとつ分の重さなんだそうです。
腎臓軽いなあ。
カバンに入れたりカバーつけたり出来そうだ。

   

☆suicaの

坂崎千春さんの新刊。

○「うわのそら」坂崎千春(角川書店)

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タイトル通り、おしゃべりしながら上の空で考えてるような、現実と妄想の中間ぐらいのふわふわした世界を、ほんわかしつつもどこか淋しさが残るタッチで描いた作品。
オビにはコミックエッセイと書いてありますが、これをそう呼んでしまっていっていいのかちょっと悩みます。
「ゆんぼくん」などの西原理恵子叙情作品と共通した味わいが全編にあります。

 

☆自分でこれから読んでみようと思ってる本

○「商品化された教育 先生も生徒も困っている」佐々木賢・山梨彰・沖塩有希子(青土社)

 

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教育の論理とビジネスの論理というのはまったく相反するものだと私は思っているのですが、今では一部の自治体が民間の教育機関(ベネッセなど)にテストを委託しているのが現状です。
「教育は幻想を売みやすい商品だ。良い教育を受ければ、良い人間になれるという幻想。その幻想を利用して利益を得ようとする者が進めているのが今の『教育改革』なのではないか」
著者はそう語ります。
欧米の事例と比較しつつある日本の教育現場の事例に、いろいろ考えさせられることは多いです。

(H)

November 07, 2009

10月のランキング

毎月出そうと思っているのについつい忘れてしまうセールスランキングです。

《10月セールスランキング》            
【一 般】            
        著 者     出版社
1    日本人が知らない幸福    武永 賢     新潮社
2    ポケモンHGSS公式完全 ジョウト図鑑編    元宮 秀介 編著    メディアファクトリー
3    ヘヴン    川上 未映子    講談社 
4    バンド1本でやせる!巻くだけダイエット    山本 千尋    幻冬舎
5    森ガール Lesson1 森ガールのすき        宝島社
6    ポケモンHGSS公式完全ガイド ジョウト編    ファミ通 責任編集     角川GP
7    テレビは見てはいけない 脱・奴隷の生き方     苫米地 英人    PHP新書
8    しがみつかない生き方 「ふつうの幸せ」を    香山 リカ    幻冬舎新書
9    体温を上げると健康になる    齋藤 真嗣    サンマ-ク出版
10    哄う合戦屋    北沢 秋    双葉社

《10月セールスランキング》            
【文 庫】            
        著 者     出版社
1    キノの旅 the Beautiful World 13     時雨沢 恵一    電撃文庫
2    小説 ぼくの初恋をキミに捧ぐ    橋口 いくよ    小学館文庫
3    月下の恋人    浅田次郎    光文社文庫
4    ソウルケイジ    誉田 哲也    光文社文庫
5    相棒 season5 上    輿水 泰弘 他脚本    朝日文庫
6    海戦 交代寄合伊那衆異聞             佐伯 泰英    講談社文庫
7    わたしを離さないで    カズオ イシグロ    早川epi文庫
8    奨金狩り 夏目影二郎始末旅  14    佐伯 泰英    光文社文庫
9    汚い部屋から今度こそ絶対抜け出す本    村越 克子    永岡書店
10    秋の森の奇跡     林 真理子    小学館文庫

《10月セールスランキング》            
 【コミック】            
    書  名    著 者    出版社
1    聖☆おにいさん   4         中村 光    講談社 モーニングKC
2    BLEACH-ブリーチ-  41          久保 帯人    集英社 ジャンプC
3    きのう何食べた?   3           よしなが ふみ    講談社 モーニングKC
4    BLACK LAGOON   9    広江 礼威    小学館 サンデーGX
5    僕等がいた  13              小畑 友紀    小学館 フラワーC
6    スキップ・ビ-ト!  23             仲村 佳樹    白泉社 花ゆめC
7    家庭教師ヒットマンREBORN!  26      天野 明    集英社 ジャンプC
8    テガミバチ   8            浅田 弘幸    集英社 ジャンプC
9    大奥   5     よしながふみ    白泉社
10    GTO SHONAN 14DAYS 1         藤沢 とおる    講談社 マガジンKC


☆一般1位の武永賢「日本人が知らない幸福」が売れている理由は、中井に住んでいる人ならわかります。
 住んでてもわからないという場合は伊野尾書店に来ればわかります。

☆「巻くだけダイエット」は在庫があればもっと売れたと思いますが、付録のバンドが中国生産で、かの国との商慣習の違いもあったりしてなかなか生産が追い付かないらしいです。

☆「聖☆おにいさん」、在庫があればあるだけ売れてしまう勢い。ピーク時の「バガボンド」を思い出します。

☆しかし10月のマガジンKCは「GTO」に「金田一少年」「DEAR BOYS」ってこれ10年前のラインナップじゃ…。

☆あ、なんかこういう一行コメントつけてると普通のブログっぽい。ぽいぽい。

(H)

November 06, 2009

従業員募集中

伊野尾書店ではパート・アルバイト従業員を募集しております。

〈時間〉 9:00~18:00
〈時給〉 830円~ (昇給あり)
 ※契約社員登用制度あり

○交通費支給あり
○責任者手当てあり

お電話お待ちしております。

TEL 03-3361-6262 担当:伊野尾

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