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October 2009

October 30, 2009

地獄から中野まで

何カ月も前から「これは見ないと」と意を決して待っていたにもかかわらずなかなかオンタイムで見ることができず、録画が3週間分(約4時間)溜まったところで「…いっか、もう」と消してしまいました。「不毛地帯」。
こんな生活で私は大丈夫なんでしょうか。

そのくせCSサムライTVの「インディーのお仕事」だけは毎週欠かさず見ている私の生活スタイルが一番不毛です。

☆すごい初速

昨日発売になった「のぼうの城」の和田竜の新刊「小太郎の左腕」(小学館)がすごい勢いで売れていきました。
表紙は前作と同じくオノ・ナツメで、「のぼうの城」ファンが待ちかねていたのかわかりませんが、最近の文芸書では異例のことです。
双葉社が力を入れている時代小説「哄(わら)う合戦屋」(北沢秋)は表紙が志村貴子で、こちらもコンスタントに売れております。
「時代小説」と単純にカテゴライズするとその可能性を見失うような、新しい流れがこのあたりで生まれている感じがいたします。

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☆中野づくし

辰巳出版もまたすごい本を出すなあと思いました。

○「のせすぎ!中野ブロードウェイ 中野ブロードウェイ商店街振興組合オフィシャルBOOK 東京都最後の秘境を完全攻略 NBWをとことん楽しみつくせ!」(…書名長いよ)

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ブロードウェイで売っているヘンなもの(例:「スカッと爽やか覚醒剤Tシャツ」)、ブロードウェイに秘められた秘密(例:「ブロードウェイの上には高級マンションがある」)、そして謎の「中野ブロードウェイ検定」対策問題がついた、これ一冊でブロードウェイのことがすべてわかる本。
そもそもそんな検定が存在することすら知りませんでした。
おそるべし中野ブロードウェイ。通称NBW。
一階にあるアドアーズというゲームセンターは「世界一縦方向に長いゲームセンター」なんだそうです。

中野がらみでもう一丁。

○「中野・高円寺・阿佐ヶ谷食べある記」

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ぐーたいむ(http://www.good24.jp/)という吉祥寺情報を載せているウェブサイトの会社が作ったグルメ本。
直販で仕入れてます。
表題の街以外にも東中野、鷺宮、都立家政あたりの情報も載ってます。

ついでにこれも。

○「中央モノローグ線」小坂俊史(竹書房バンブーコミック)

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4コマ漫画界の巨匠・小坂俊史が描く中央線沿いに住む8人の女の子たちの物語。
作者自身の経験なんかも混じってると思うんですが、「そういう女の子たち」を全体的によく観察してるなあ、と。
ホントにどうしてこう中央線ばっかネタになるんでしょうか。西武線も作ってよ。

 

☆話題の本

各方面で話題のグラフィックノベル、ようやく入りました。

○「フロム・ヘル」アラン・ムーア/作 エディ・キャンベル/画 柳下毅一郎/訳(みすず書房)

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コミックとも、小説とも違う、なんとも言えない作品の世界観。
オフィシャルサイトにはなんと予告編動画があります。ご覧ください。

http://www.fromhell.jp/

(H)

October 22, 2009

セブンとヘヴン

ちょうど今日WINDOWS7が発売になったとかで、それにあわせてパソコン関連書がどかどか送られてきました。
しかしなんというか、そろそろもうみんな「これ以上バージョンアップしなくていいよ」とか思っているような。
実際、この7の前に出たvistaは悪い評判ばっかり耳に入ってきましたし。
いや、XPからvistaになって「こんなことができるようになったよ!」というのもきっとあったと思うんですが、それ以上に「なんかvistaになって使いにくくなったよ…」という声ばかり聞こえてきたのは、そろそろ進化の天井なのかな、と。
TVもそうだし、iPodとかのオーディオ機器全般もそうなんですが、「もう進化しきっててこれ以上進化する余地があんまりないけどそれじゃ経済が停滞するから無理矢理進化できる部分をなにか探す」、そういう時期なのかなと思います。
結局、普通のDVDからブルーレイディスクに替えた人の喜びは、テレビしかなかった家に初めてビデオが来た時の喜びに絶対勝てないんですよね。
「何もなかった時代、“得る”喜びを持てた時代」にもう戻れない以上、我々はこの小さな進化や小さな喜びを大切にする手段や姿勢を大事にしていきたいものです。

しかし、こういう電化製品の進化の最終形ってどこへ行くんでしょうね。
最後はやっぱり藤子不二雄の「21エモン」に出てくる、ボタンをチラリと見るだけで何でもできる星に住むボタンチラリ星人みたいな生活まで行っちゃうのかな。
以前より私は藤子不二雄の最高傑作は「21エモン」だと思ってるんですが、なかなか賛同を得られません。
ゴンスケが自分勝手に作ったイモ畑が宇宙から見ると21エモンへのメッセージになっていた回は今思い出しても泣けます。

  

★最安

 

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本日発売の「モーニング・ツー」、値段はなんと190円。
「漫画誌最安値」だそうです。
たしかにこれに肩を並べられるのは「PHP」ぐらいしか思いつかない。
漫画誌じゃないけど。

本屋的には本当は単価が下がった、安いよ安いよみたいなムーブメントにはあまり関わりたくはないんですが、ともあれなんでもいろいろやってみようという姿勢にはすごく敬意が持てます。
我々もなんでもやってみないと。

 

★言葉

せっかくなんでもうひとつ雑誌を。

「BRUTUS」最新号の特集が『美しい言葉』。

 

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村上春樹作品における美しい言葉。
美しい題名の本。
いまわの際の名言。
美しき歌詞、甲本ヒロトにMr.Children。
キャバクラ嬢に学ぶ、方言の美しさ。
中ほどには「使いたい美しい言葉集」。
非常にかゆいところに手が届いている作りです。

ちなみに私の最近心に残っている名言は

「限界を自分で作ってたらそれ以上には行けないよ。リミッターをはずせ!」(高木三四郎)

ですが。はい。
あれは平成プロレス史に残る名言です。

  

★1150円の深淵な世界

○「時刻表のヒミツ」三宅俊彦(洋泉社新書)

 

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駅があるのに一本も電車が止まらない駅。
下り列車しか止まらない駅。
旅客が乗れる回送電車。
新幹線なのに在来線になる区間。

「時刻表は調べるものではない!読むものだ!」という著者が書いた時刻表論。
「鉄道」ではなく、「時刻表」についてこれだけ熱く語った本というのは今までにあったのでしょうか。
もしうちの店に半田健人が来たらまっさきに薦めたい本です。

  

★話題の小説

○「ヘヴン」川上未映子(講談社)

 

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文芸誌「群像」に掲載された時点ですでに話題になり、単行本が出るやいなや当然のようにベストセラーになった川上未映子の新作。
私も読みました。
途中まで「ああ、こういう小説かあ」ぐらいの感じで読んでいたのが、後半で一気にガーン!ときました。
良いにつけ、悪いにつけ、絶対に読んだ人の心に何かを残す小説です。傑作。

(H)

October 15, 2009

今日は特に個人的な話ばかりですが

このところ連日「楽天はどうするべきだったのか」ということを考えています。
ここでいう楽天はイーグルスの監督問題のことであり、決してインターネット通販最大手企業の方ではありません。
ご存じの通りイーグルスは球団創設5年目にして初めて2位に躍進しクライマックスシリーズに進出しましたが、それと同じタイミングで野村監督の退任問題がメディアを騒がすようになりました。
「球団は俺をクビにするんだろ、そうなんだろ」と連日ぼやく野村監督とはっきりした見解を示さずチーム最終戦の段になって「来年野村さんとは契約しない」と発表した楽天球団。
スポーツニュースはこの両者の「大人の争い」ばかりが話題になり、順番としてはその後に「監督去就問題に揺れる中…」という前置き付きでイーグルスおよび選手の話題が出てくる状況。

初のAクラス、初のプレーオフに出られる喜びに水をさされまくった楽天ファンのことを考えると、私は球団に対しても監督に対しても「おまえらファンをなんだと思ってるんだ」という思いを禁じえません。
「ここまで持ち上げてAクラスにして、それでこのタイミングで解任か!」という野村監督の怒りもわからなくないけど、このタイミングでメディアを使って球団と闘争するんじゃねえよ、と。
ここまできて自分かよ、と。
なんでファンのことを考えてくれないんだろう、と。
球団も球団で、良い成績を残したのに解任では応援するファンに対しても後任監督に対してももやる気を下げさせる原因になるとか考えないのだろうか、と。
なにより、選手を試合に集中させようという気はこの両者にはないんだろうか、と。

今年はロッテのバレンタイン監督についても同じような去就問題が報道されていました。
優勝した監督をクビにするのも、何年も結果が出ない監督を継続させるのも最終的には球団の自由です。
ファンとしていろいろ思うところはあるけれど、お金を払って運営している以上、最終決定権が球団にあるのはしょうがないことです。
だからこそ、余計なところでファンをガッカリさせないでくれないか、と思います。
「いろいろ不満や納得いかないことはあるけれど、それは後でやるとして試合は試合でしっかりと」という風にできなかったのでしょうか。
世の中に「楽天イーグルスのファン」と「非プロ野球ファンを含めたそれ以外の人々」では圧倒的に後者の方が多いわけでスキャンダラスな報道が出てくるのもわかりますが、何かこの問題には「大人がいない」という感じがしてなりません。
野村監督はあれほど「論語」や「菜根譚」などを持ち出して人間形成の重要性を謳っているのに、この件に関して彼からはまったくそういう学を修めた大人の品性が見えません。残念なことです。

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☆読めなくなった漫画を集めて

○「封印漫画大全」坂茂樹(三才ブックス)

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一度は発表されながら各種団体による抗議や制作者側の自主規制により、単行本に収録されなかった話や、後に削除・改定された作品を紹介する一冊。
以前読んだ安藤健二氏の「封印作品」シリーズ(太田出版など)で「オバQ」や「キャンディ・キャンディ」のことは知っていましたが「こち亀」「美味しんぼ」「沈黙の艦隊」などにも一度掲載されながら問題が発覚し御蔵入りしたエピソードがあったとは知りませんでした。

個人的に一番印象深かったのは1990年の「燃える!お兄さん」の用務員さんの話で、当時高校生だった私はご多分にもれずジャンプ読者だったので回収騒動が新聞に掲載されてるのを見て「あれってそんなマズかったんだ」と考えさせられたのを今でも覚えています。
本文中に出てきますが、笑いは常に差別と隣り合わせにある。だからこそ反差別意識というのが必要である。でも表現はメディアに載った時点で、常に誰かを傷つける可能性がある。
この本のオビに掲載されたジョージ秋山の「表現の自由不自由は水車の如し」から始まる一文はすべての表現者にとって重く受け止めなければならない、名文中の名文です。

   

☆映画

「空気人形」(www.kuuki-ningyo.com/)見てきました。

かなり評価が分かれる映画だと思いますが、私自身はこの何年かで見た中で一番の映画でした。
本にまったく関係ありませんが、映画の予告編貼っておきます。

関連本もいろいろ出てます。

○「ユリイカ臨時増刊 ペ・ドゥナ総特集 『空気人形』を生きて」(青土社)

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○「ゴーダ哲学堂(「空気人形」所収)」業田良家(竹書房文庫)

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今年は「スラムドッグ・ミリオネア」「レスラー」と当たり映画ばかり見ている気がします。

(H)

October 06, 2009

珍しく連日の更新

☆リラックマのひざかけがもらえます。

NET21と雑誌「すてきな奥さん」共同企画で、「すてきな奥さん」の12月・1月・2月号、11/20発売の「新春すてきな奥さん」の4冊をご予約、お申し込みいただいた方に特製「リラックマひざかけ」をプレゼントいたします。

 

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お申し込みは店頭にて行っております。

   

☆ハヤカワ文庫の100冊

各社夏の文庫フェアが終わって一息ついたこの時期にやっております。
キャッチコピーは「強い物語」。
なかなかの名作が揃っております。

 

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ジャック・ヒギンズ「鷲は舞い降りた〈完全版〉」フィリップ・K・ディック「流れよ涙、と警官は言った」あたりが売れています。

私は昔、ディック・フランシスの競馬シリーズを順に全部読んでみようと挑戦してみましたが、確か2作目か3作目でそうそうに落馬しました。
マヤノトップガンが有馬記念を制したとかそんな時代の話です。

   

☆9月のセールスランキング

〈一般書〉

1    Cath Kidston“THANK Y        宝島社
2    ドラクエ9 星空の守り人 公式ガイド 上        スクウェア・エ
3    ドラクエ9 星空の守り人 公式ガイド 下        スクウェア・エ
4    ゲーム攻略・改造・データBOOK   5        三才ブックス 
5    日本人が知らない幸福        武永 賢     新潮新書
6    しがみつかない生き方 「ふつうの幸せ」を    香山 リカ     幻冬舎
7    私服だらけの中居正広 増刊号~輝いて~         扶桑社
8    となりの801ちゃん   4 特別限定版        宙出版
9    新参者            東野圭吾     講談社 
10    人体の不思議                日本文芸社

〈文庫〉

1    赤い指                東野 圭吾    講談社文庫
2    海戦 交代寄合伊那衆異聞    佐伯 泰英    講談社文庫
3    秋の森の奇跡            林 真理子    小学館文庫
4    Gボーイズ冬戦争 池袋ウエストゲート 7    石田衣良    文春文庫
5    月下の恋人           浅田次郎    光文社文庫
6    わたしを離さないで      カズオイシグロ    ハヤカワepi文庫
7    陽気なギャングの日常と襲撃    伊坂幸太郎    祥伝社 
8    さまよう刃             東野圭吾    角川文庫
9    サマーウォーズ             岩井恭平    角川文庫
10    浮かれ黄蝶 御宿かわせみ  34        平岩弓枝    文春文庫

〈コミック〉

1    ONE PIECE  55           尾田栄一郎    集英社
2    バガボンド  31               井上雄彦    講談社
3    桜蘭高校ホスト部  15            葉鳥 ビスコ     白泉社
4    君に届け   9            椎名軽穂    集英社
5    銀魂  30                  空知英和    集英社
6    ベルセルク  34               三浦 建太郎     白泉社
7    ヴィンランド・サガ   8         幸村 誠    講談社
8    ソウルイーター  15             大久保 篤    スクウェア・エ
9    大奥   5                よしながふみ    白泉社
10    ヤマトナデシコ七変化  24          はやかわともこ    講談社


ゲームの攻略本が目につきます。
たぶん、来月はここにポケモン攻略本が混ざります。

(H)

October 05, 2009

ものほし竿バットと酒しぶきよ永遠に

プロ野球はジャイアンツが3年連続のリーグ優勝を決めたり東北楽天イーグルスが球団創設5年目で初のクライマックスシリーズに進出したりといろいろ起きていますが、ついに今年で福岡ソフトバンクホークスの「あぶさん」が引退してしまいましたね。
37年間も虚構と現実のあいだをたゆたって三冠王を何度も取ったり打率四割を残したりと球界の歴史を変えてきたあぶさんですが、今日発売のビッグコミックオリジナル掲載分でついに引退です。
ちなみに最後の打席のピッチャーはオリックスの金子でした。
誰が投げるのか、下手すればとっくに漫画から姿を消した大楽が一夜限りカムバックしてきたり、同じチームのはずの息子が対戦したり、とか脳内でいろいろ考えましたが意外に普通のピッチャーでしたね。
しかし、あぶさんは引退したというのに漫画は終わる気配がありません。
今後は息子の話で続くんでしょうか。

  

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○『「少年ジャンプ」資本主義』三ツ谷 誠(NTT出版)

 

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なぜ「ジャンプ」はモンスター雑誌になれたのか。
“月曜日はジャンプを買って「ONE PIECE」を読むことから始まる”という人々を多数産んだこの雑誌はこの30年の時代の中で、どのような価値観を提示してきたのか。

「『ONE PIECE』は帝国に対峙するための砦としての友情を描いてきた」(本文より)

茂木健一郎氏が推薦分を書いてらっしゃいますね。「グローバリズムの嵐の中で仲間たちと連帯する方法を、『少年ジャンプ』の名作が教えてくれる」だそうです。銀河鉄道999の歌詞みたいだ。

○「ユリイカ 特集・福本伸行」(青土社)

 

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「カイジ」がもうすぐ映画公開になるタイミングでの発刊。
それにしても「人生逆転ゲーム」というサブタイトルはどうかと思うんですが、本題からずれるので割愛。

巻頭で大槻ケンヂと福本伸行が対談し(オーケンはカイジをちゃんと読んだことがないそうですが)、いしかわじゅんがあの福本伸行独特のキャラクター造成を解析し、南信長は三田紀房との共通性を語り、「科学する麻雀」のとつげき東北が解析する「アカギ」の強さ、「ざわざわ」「ぐにゃあ」の解説、となかなか面白い作りになっております。
「いけないカッちゃん」という初期作品も収録されております。全然絵が違う(笑)。

 

☆エンジン01選書

あまり知られておりませんが“ぴあ”がちょっと前から「エンジン01選書」という、「エンジン01オープンカレッジ」というシンポジウムで行った内容を新書の形体で出しております。
これなんか「よくこの3人集めたな」という本。

○「日本流ファシズムのススメ。」田原 総一朗, 佐藤優, 宮台真司

 

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この2人と混じるとあの宮台さんが調整役やっているように読めてしまいます。いやもちろん部分部分で長く語ったりしてますが。
すげえなあ。

 

☆今週のAERA

 

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勝間和代と香山リカが対談しています。
みんなが見たい試合をサッと組むあたり、AERAには実に良いマッチメイカーがいますね。

「ふつうの幸せ」に答えはあるか
http://www.aera-net.jp/summary/091004_001188.html

(H)

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