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March 2009

March 31, 2009

いいかげん韓国以外のチームとやらせろと思ったりもしましたが

少しいつもと違う感じのエントリが続きましたが相変わらずの調子に戻ります。

WBC、よかったですね。
うん、どうも「やった!」というより「よかったなあ」という感じです。
あの優勝を受けてか、先日行われた「理想の上司像」ランキングの男性部門1位はイチローだったそうで。

http://www.nikkansports.com/general/news/p-gn-tp0-20090327-475958.html

そっか、原監督じゃないんだ。
5位にすら入ってないよ。
火中の栗を拾いにいって結果的にはみんなに栗を食べさせてあげたのに。
代表監督ってのはツライもんなんですね…。

そんなWBC優勝記念増刊号は先週末からパラパラ発売になっております。
今週木曜日にはWBC特集の「Number」も発売になります。

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と、そんな野球熱が盛り上がっているこの時期に、90年代半ばにごくごく一部で盛り上がったこのマンガが今頃復刊です。

○「ボブとゆかいな仲間たち」パンチョ近藤(小学館IKKIコミック)

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ロサンゼルス・アースクエイクス(地震のチームってどんなチームだ)の四番バッター、守れない、走れない、チャンスに弱い主砲、「黄金の家畜」ことボブ・ホフマンと彼のチームメイトたちのアメリカンジョーク満載のメジャーリーグコミック。
これ当時からあまり野球に興味無い人の方がウケがよかったような…。

なんで今頃復刊なのか、と思ったら「IKKI」で「ボブとゆかいな仲間たち2009」なんてのが連載されてるんですね。
つーか94年の段階で四番を打ってたボブは今年で何歳になったんだろう。
ケン・グリフィーかカル・リプケン並みの長寿選手です。

 

★西武線沿線住民に捧ぐ一冊

○クアント増刊「西武だいすき まるごと一冊西武鉄道の本」(ネコパブリッシング)

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一応電車好きな子どもをメインに作ったような本ですが、西武線を使っていれば大人でも十分楽しめる作りになっています。
最近できた白い車両は「スマイルトレイン」って名前がついているのですね。
30年以上西武線沿線住民として生きている人間にはなつかしい写真もいっぱいありました。
ちなみに特急の「レッドアロー」という名称は最初に誰がどういう理由でつけたのか、社長もよくわかってないんだそうです。

(H)

March 27, 2009

卒業

何度目かの登場となります、アルバイトのSです。
本日は伊野尾書店で働く最後の日となりまして(四月からは新社会人です)、店長より「せっかくだから何か書け」と言われたので、本屋で働いた感想のようなものを書かせていただきたいと思います。

本屋で働く面白さというのはまず本がいっぱいあることです。
と、いうとなんだか同語反復のようですが多分そうなのです。
困ることは手に生傷が増えることと、社割が利く分だけ本を買うのに歯止めが利かなくなることです。
いちばん好きな作業は毎朝届く新刊の荷開けでした。
趣味が本棚の整理なもので、一生やっていてもいいくらいです。
はじめはわからないことが多いのですが、だんだん慣れてくると陳列もスムースに行えて楽しくなります。
付録を付けるのもけっこう大変ですが、各出版社が知恵を絞っているだけあって面白く、特に女性誌の付録がどんどん巨大化しているのが興味深い。
先日はついに折り畳み傘が入ってきました。
はじめ見たときは雨天販売用の傘かと思いました。
料理雑誌にまな板などがつく日はそう遠くないかもしれません。

何度かポップを書きましたが、そのたびに本が売れて話題になってカリスマ書店員と呼ばれはしまいか、と心配をしましたが杞憂に終わりました。
他にも本が多々あるなかで自分がポップを書いた本が売れるのはうれしく、しかし面白くなかったらどうしよう?といらぬ責任まで感じ、いやしかしこの傑作を埋もれさすわけには……と苦悩するこちらの意志とは関係なく本は売れたり売れなかったりします。
これぐらいの“売られるモノと売る人と買う人との関係性の薄さ”みたいなところが、本屋の特徴なんだと思います。

思い出をたどっていきますと、やっぱり本屋プロレスのことは鮮明に覚えています。。
開始直前に店に着いたもののあまりの人の多さにリング=書店内がまったく見えず、もうただ観衆の異様な熱気を見に行っただけ、みたいなことになりましたがそれでも面白かったです。
後にも先にも、ハリーポッタでもサイン会でも、あれほどのひとだかりを書店では見ることはないでしょう。
こうした本屋に似つかわしくないアクシデントのような出来事も、本屋ならではの楽しみだなあと思います。

実は最後までこのブログの閲覧者層が特定できなかったのですが…これを読んだり、前の記事で出た本を読んでくださった方々に、感謝を申し上げます。
またどこかでお会いしましょう。さようなら。

(S)

March 25, 2009

本屋プロレスの主催者・高木三四郎(DDT)が本屋を前に本と書店について語る・第三回

本屋プロレスの主催者・高木三四郎(DDT)が本屋を前に本と書店について語る・第三回

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<最終回:高木三四郎が考える“面白い本”>

― 高木さんはご自分で本読みます?

「読みますね。歴史モノが多いですね。司馬遼太郎とか。あと小林信彦さんの本が。」

― さすが文化系ですね。

「小林信彦さんは昔から好きで。
『オヨヨ大統領』の頃から読んでました。
『唐獅子株式会社』から入って…最近までコンプリートしてたんですけどね。
ここ1~2年出たのは追ってないんですけど。

『夢の砦』っていう長編大作があるんですよ。
60年代の出版界、テレビ界のドロドロした部分を描いた、著者の自伝的大作だと思うんですけど、これは素晴らしかったですね」(※)

※「夢の砦」はかつて新潮文庫から発行されていたが、現在は絶版。新潮オンデマンドブックス、古本での流通のみ。

― 高木さんはブログのタイトルがああなんで(※)、ビジネス書とかよく読んでるのかと思ってました。

※「新宿御苑で働く社長レスラーのブログ」。「渋谷で働く社長の告白」というビジネス本がある。

「あー、ビジネス書はまったく読まないですね。
誰かが成功した、みたいな話は読まないです。
たまーに「パワーアップブロガーのすすめ」とかそういうのは読みますけど。
むしろ昔の人間の生き様、みたいな話が好きですね。

あと、ああいうのは好きですね。
テレビとか映画の裏側を書いたような。
こないだ「K-20」の裏側を書いた文庫本(※)を読みました。

(※映画『K-20 怪人二十面相・伝』製作記 (えい文庫 190) (えい出版)

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― もし、高木さんが編集者だったら、どういう本を作ります?

「趣味だけでいったら時計の本ですけどね(笑)」

― 時計お好きなんですよね。

「時計の雑誌はあらかた買ってるんじゃないかな。
『時計Begin』に『Watchナビ』に『クロノス』に…」

― あの辺の雑誌って載ってる記事カブってないんですか?

「いやカブってますよ。カブってるしネットで拾える記事ばっかりですよ(笑)」

― でも買われてるってことは、理由があるわけですよね。

「写真ですね。
ネットだとどうしても写真が小さかったり、見るのに手間かかったりするんで。
あとケータイとかipodとか流行りものの情報が好きなんで、『モノマガジン』とかあの手のモノ情報雑誌は好きでよく買いますね」

― 売ってる側がこういうこと言っちゃダメなんですけど、あの辺りの雑誌っていろいろ出てますけど違いあるんですか?

「まあそんなないんですけど(笑)、やっぱり違うところは多少ありますね。
『GoodsPress』はビジュアルが優れていますね。あとちょっとミーハー。
『モノマガジン』とか『DIME』はバラエティ色が薄いっていうか、カタい印象がありますね。

僕が本を作るとしたら、ひとつの職業に特化したものを作りたいですね」

― ひとつの職業?

「『小悪魔アゲハ』ってあるじゃないですか。
あれすごくいい雑誌だと思うんですよ。
キャバ嬢ってひとつの職業にスポットを当てたって意味で。
そういうので考えると、ラーメン本とか面白いかなって」

― ラーメン本?それはよくあるラーメンのおいしい店が載ってるガイド本ではなく?

「そういうんじゃないです。
ラーメン店の店主ってキャラ立ってる人多いんですよ。
そういう人をフューチャーしたようなものを作りたいですね。
カリスマラーメン店主のファッションチェックとか(笑)。
僕はキャバ嬢に対抗できるのはラーメン店の店主かと思ってるんですよ。
ラーメン店という場で生きる人たちを取り上げた本ですね」

― あー、「マッスル」じゃないですけど、いろんな分野にいるキャラが立ってる人を集めた本ってあったら面白いかもしれませんね。

「キャラ立ってる人にはかなわないですからね。

あとは、スポーツやってる女の子専門のファッション誌ですね。
登場する子はマイナーでいいんで、スポーツやってる子のファッションをそのまま出すような感じの本ですね。
僕はこれ絶対当たる自信あるし、当てる自信ありますよ」

― これ宝島社とか持っていけばちゃんと話聞くんじゃないかと思いますよ(笑)。

「いや持ってってくださいよ。編集長やりますよ。
都内でラクロスやってる子とかバレエやってる子って、マイナーでもすっごい可愛い子いるじゃないですか。
そういう子をモデルに出して、スポーツブランドをスポンサードして。
そうすればそんなに大きな部数いかなくてもやっていけると思うんですよ。
今まで「ポップティーン」とか買ってたスポーツやってる子はみんな買うんじゃないかと思いますけどね」

― はぁー、そこまで考えてましたか。
今日はお忙しいところどうもありがとうございました。

□ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □

いかがでしたでしょうか?
高木三四郎というレスラーが単に奇抜なところでプロレスをやるだけの人ではないことが伝わったのではないかと思います。
そんな高木社長率いるDDTが両国国技館で社運をかけて臨む大イベント「両国ピーターパン ~大人になんかなれないよ」は8月23日(日)開催です。
本屋プロレスでDDTに興味を持ったという方はぜひ一度足を運んでみてはいかがでしょうか。

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DDTオフィシャルウェブサイト http://www.ddtpro.com/

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March 21, 2009

本屋プロレスの主催者・高木三四郎(DDT)が本屋を前に本と書店について語る・第二回

本屋プロレスの主催者・高木三四郎(DDT)が本屋を前に本と書店について語る・第二回

 

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<第二回:プロレス界きってのプロデューサーから今の書店への提言>

― 実は雑誌が今すごい勢いで減ってて。

「減ってますよね」

― 表現は悪いんですけど、プロレスが総合格闘技に押されたように、雑誌や本がインターネットに押されてしまったようなところがあるんですよね。
高木さんはインターネットを非常にうまく使ってる印象があるんですけど、高木さんから見て出版界はもっとこういう風にやればいいのに、ってありますか?

「あー…。インターネットってことで絡むんですけど、いまアマゾンですよね。
本屋さんからすると対面にある敵ってのは。
そういうのを考えると、もっと接客をする本屋さんがあってもいいんじゃないかな、と」

― 接客をする本屋、というと?

「いま何を買ったらいいかわからない、ってお客さんがすごく多いと思うんですよ。
そういうお客さんに対してコーナーを作ってどういう本が向いてるかっていうアドバイスをして買ってもらう、そういうものがあってもいいと思うんですよね」

― 「本のソムリエ」的な?

「そう、ソムリエ。みんなインターネットなんか見ても、何買っていいかわかんないと思うんですよ。
ランキングとかこういう作家の本がある、ってのまでは見れても。
たとえば戦争ものだったらこういう本がある、今流行りの直江兼続だったらこういう話がある、そういうのをポンと出してくれるようなサービスがあったらいいんじゃないかな、って」

― なるほど。
でも本って買う人の内面がすごく出ますよね。
僕なんかが考えてしまうのはそういうのを見ず知らずの人にはたして言えるだろうか、ってことで。
たとえばモテない男の人がいて、その人は“まったくダメな男が何かのきっかけをつかんでモテるようになる小説”を読みたい、と思っていても、そういうのを見ず知らずの書店員に切り出せるんだろうか?ってことを考えてしまうんですね。

「うん、それは『本のソムリエです!』ってのを前面に押し出していけば聞くようになるんじゃないですかね」

― なるほど。そういう権威にしてしまうと。
なんか丸の内の丸善にそういう人がいる、って話を聞いたことがあるんですよ。
高木さんは普段会社のある新宿近辺にいることが多いと思うんですけど、新宿の書店にはそういう人がいない、東京駅の書店にはそういう人がいる、ってなったら東京駅まで電車乗って行きますか?

「あー、僕それ結構行くかもしれないですね。面白そうだし」

― 電車に乗って行くぐらい魅力はあると。

「逆にお金とってもいいと思いますよ。
30分500円ぐらいで。
その代わり、お金を取るぐらい自信をもっておすすめできますよっていうものがないとダメだと思うんですね。
それぐらい言いきってもいいと思うんですよ。
要はそこにお客さんが価値を見いだせるかどうかだと思うんで」

― それは最初になる人次第で評価が決まってしまいそうですね。

「それだけ知識量が求められる職業になると思うんです。
インターネットでは調べられないことを、レビューでわからないことを教えてくれる人がいてくれればいいなと思いますね。
今の人って何を読んだらいいかわからないって多いと思うんですよ。
行動にも表れてて、何をすればいいのかわからない、って。
そういう人に『この本はどうですか?』って導いてあげることでその人も感銘を受ける、そういう職業はアリだと僕は思ってるですけどね。
一歩間違えれば宗教的な部分も出てきちゃうんですけど」

― ああ、それはあるかもしれませんね。

「でも100人いたとして、『面白くない本薦めやがって!』って怒る人はまずいないんじゃないかな。ゼロだと思います。
『こういう本が読みたいんだけど』って言ってソムリエさんに何冊か選んでもらって、その中から選んで買えばいいって話で。
仮にそれが面白くなかったとしても、一回ソムリエさんに選んでもらった時点で興味を持てるようになるんですよ、本に対して。
僕が小学校の時に通ってた大阪の本屋はそういう一面を持ってて、たとえば棚の前で見てると「星新一のこの本が面白いよ」「赤川次郎はこのシリーズが人気あるよ」って手渡してきたりとか。
人が本を選んでいるのに横から口を挟んでくる大阪によくいがちなオバちゃんだったんですけど(笑)。
でもその本屋さん繁盛してたんですよね。
僕は本屋さんって接客から一番遠い職業な気がするんですよ。
その本屋さんという商売が接客という要素をプラスすることで全然違ったものが出せるだろうし、差別化も図れると思うんですよ。
それが大手チェーンの書店とかアマゾンとかに勝てる最大の武器じゃないかって」

― なるほど。
僕なんかだと他人に薦められて買ったものと、自分で選んで買ったものだったら同じ商品でも満足度は自分で買った方が高い気がするんです。
他人から薦められた方が満足度は下がっちゃうんじゃないかと危惧しちゃうんですけど。

「ああ、自分で選べる人はそういうところに来ないから大丈夫です」

― あ、そっか。

「自分一人では選べない人にターゲットを絞らないと。
自分で選べる人は、おっしゃる通り自分で選んだ方が満足度は高いはずですよ。

でも最近自分で選べる人が少ないですよ。本に限らず。
自分の進路もわからない、何を目標に生きてるかわからないって奴多いですよ。
プロレスラーにも多いですよ。
『なんでプロレスやってんの?』って聞いても『いや、なんででしょうね』とか『いやあ、ちょっと憧れて』みたいなことを言う奴多いんですよ。
うちの若い選手なんかでも『(他団体から)こういう試合のオファーあるけど、出るか?』って聞いても『いやあ、いいです…』みたいなことを言う奴がいる。
『おまえ何のためにプロレスやってんの?一試合でも多くやりたいとかないの?何に憧れて入ってきたの?』って聞いても『いやー、なんででしょうね…』って」

― それは外に出て恥をかきたくない、てのがあるんですかね。

「そういうのもあるだろうし、(DDTの)居心地がいいっていうのもあるんだろうし」

 
□ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □

 
第二回はここまでです。

最終回は「KO-D無差別級チャンピオンがおすすめするこの一冊」そして「俺が作るとしたらこんな本だ!ミュージックスタート!」です。
ご期待ください。

March 19, 2009

高木三四郎(DDT)が本屋を前に本と書店について語る・第一回

本屋プロレス主催者・高木三四郎(DDT)が本屋を前に本と書店について語る <全3回>
 収録:2009.3.13 
 聞き手:伊野尾宏之(伊野尾書店店長)

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<第一回:『本屋プロレス』というプロレス>

― あのー、僕が聞くというのもヘンな話なんですけど、高木さんはもう「本屋プロレス」を3回やっているのに「高木さんと出版」というテーマで出版業界側から誰も話を聞きにいかないんで、それで今回こういうインタビューをやらせてもらおうと思ったんですよ。

「はいはい。」

― こないだ名古屋で3回目の本屋プロレスをされたんですよね?

「はい、リブレットというイオンのショッピングモールの中の本屋さんで」

― あれはイオンにちゃんと許可とってるんですか?

「はい、ちゃんと許可とって。あのときは地元メディアの取材がすごかったですね。中日新聞とか。
“不況の出版業界に渇を入れる”とかそんな感じで。
間違ってないんだけれど(笑)、こんな形で関わってしまっていいんだろうか、と。
東京からも10人以上かな、わざわざ来てくれた人もいて。
あと今回は太田出版がからんでなかったんですよ。」

― そうなんですか?

「はい、直興行ですね。今回のはリブレットさんが直接DDTに話持ってこられて。」

― ちゃんとした数は計測不能だと思うんですけど、今回観客の人数はどれくらいいたんですか?

「200人くらいですかね…イオンに来ててたまたま通りすがった人とか入れたらもうカウントできないですよね。」

― 第二回(08年7月に金沢のTSUTAYAさん主催)のときはどれくらいだったんですか?

「あのときは約600人ですね。
TSUTAYAさんのイベントの中で歴代2位だったらしいですよ。
じゃ1位は誰なんだって聞いたらX JAPANのTOSHIだったと。
ヒーリングミュージックに負けちゃいましたね(笑)。」

― あのー、傍目で見てて本屋プロレスってすっごいしんどい試合に見えるんですけれど…。

「しんどいですよ。通常の試合で使う3倍くらいの体力と、10倍くらいのダメージですね。
見ていただいてわかると思うんですけど、バンプ(=受身)なんか取れないんですよ。
『(バンプを)取る=危険』なわけで、やってて(技を)かける、かけないの攻防の緊張感はただごとじゃないですね。
飯伏も言ってたんですけど、『一回目の本屋プロレスの緊張感を超える本屋プロレスはない』って。」

― いや、2月(22日)に後楽園に見に行かせてもらった時、リングで戦う高木さんと飯伏さんを見て『俺たちはなんて酷い条件下でやらせてしまったんだろう』って反省したんですよ。

「うん、でもそこ(第一回本屋プロレス)からキャンプ場プロレスとか、「路上プロレス」ってジャンルが一気に開花しちゃったんですよ。
プロレス史に一つのムーブメントを起こしたという意味では、画期的な(笑)試合でしたね。」

― 実は第二回の前後にウチに何件かの書店から問い合わせがあったんですよ。
「どんな感じなの?」って。
どんな感じ?って聞かれても「you tube見てくれ」としか答えようがないんですけど(笑)。

「あー、そうなんですか。
うちの方でもなんか他の書店さんからもいくつか打診はあったみたいなんですけど…どこ行っちゃったのか(笑)」

― 高木さんがウチの店でやってくれたおかげで、僕は「本の雑誌」から執筆依頼が来たりとか、業界の勉強会みたいなのに「個性的な書店」として呼ばれてしまったりとかしてしまって。
僕自体は個性的なことは何もやってないんですけど(笑)。
ただ同時に今まで書店でできるイベントで本当にお客を集められるイベントってそんなになかったんだな、って思いまして。
よく作家のサイン会なんかしますけど、そうするとその作家のファンしか来ないわけですよ。
渡辺淳一のサイン会だったら渡辺淳一のファン以上は絶対に来ない。
けど本屋でプロレス、って言ったら高木三四郎も飯伏幸太も知らなくても来るわけですよ。
著者が持つバリュー以上に人を呼んだ初めてのイベントだ、ってことを仕事関係の知人に言われまして。

「あー、確かにそうかもしれないですね」

― 結局、本(「俺たち文化系プロレスDDT」)はどれくらいいったんですかね?

「あー、わからないですね。でも5000部はいったんじゃないですか。」

□ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □

いつも読んでいただいてるお客さん、出版業界関係者のみなさん、いつもと様子が違ってすみません。
今回は昨年当店にて前代未聞の書店プロモーション「本屋プロレス」を行いました高木三四郎氏に聞いた「“本屋プロレスラー”から見た出版、書店」というテーマでのインタビューをお届けします。
しばらくプロレス用語が多発しますが、どうかがんばってついてきてください。
もし時間あったら一回ぐらい動画サイトで「飯伏幸太」と検索してちょろっと見てみてください。
結構すごいものが見られます。

どこかからたどってきたプロレスファンのみなさん、こんにちは。
本と出版業界の話になってもどうか最後まで読んでやってください。
あと時々でいいんで、「週刊プロレス」とか「Gスピリッツ」といった専門誌、関連書籍などを本屋で買ってください。
版元が「プロレス本は売れない」と判断してしまうと、面白い本が出る機会も失われてしまいます。
どうかよろしくお願いします。

第二回のテーマは「“本屋プロレスラー”から今の書店、それも街場の中小書店への提言」です。
お楽しみに。

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March 17, 2009

終わりも始まりもせずに続いて行く道を 僕は今日も歩いている

3月は別れの季節といいますが、ウチもこの春2名のアルバイトが巣立っていきます。
なんかこう、やめること自体は前からわかってたんでしょうがないんですけど、自分の店で働いていた若い人たちがが社会に出て行くのを毎年のように見送ってるとやりきれなくなる時があります。
向こうはこれから新しい人生が劇的に始まるのに対し、こちらはもうそういう瞬間がとうの昔に過ぎ去ってしまっているわけで。
よく高校の先生なんかが「卒業式で生徒を見送るたびに、自分が年をとっていく気がする」と言いますが最近本当にその気持ちがよくわかります。

そろそろ私も卒業したいです。
…何から?
いやよくわかりませんが。
この支配からの、とか、闘いからの、とか。
強固な壁とそれにぶつかる卵があったら、私はいつでも壁の側に立ちたいと思います。
つかホントに零細書店なんて卵なんですって!
壁にぶつかる以前にもう握っただけで割れちゃうんですって!

というわけで村上春樹の新作小説「1Q84」は初夏の頃発売予定です。

http://www.shinchosha.co.jp/murakami/

ご予約お待ちしております。

 

☆10代からはじめる新書フェア

理論社「より道パン!セ」シリーズ、PHP研究所「心の友だち」シリーズ、河出書房新社「14歳の世渡り術」シリーズという3社の中高生向け新書の合同フェアやってます。
みうらじゅん「正しい保健体育」、小熊英二「日本という国」、辛酸なめ子「女子の国はいつも内戦」などすでにスマッシュヒットした作品を中心に、中高生のみならず大人も読めば感銘を受けるであろう良書を集めてあります。

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で、どれを紹介しようか悩みましたが一番最初に売れたのがこの本だったのでこれにします。

○「挫折と挑戦 ~壁をこえて行こう」 中竹竜二 (PHP心の友だちシリーズ)  

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早稲田大学ラグビー部の中竹監督の本です。
私は中竹監督とほぼ同世代なのでよく覚えているのですが、現役時代の彼は非常に地味なプレイヤーでした。
そんな彼が指導者として成功するまでの過程にはどんな困難があったのか、そしてそれをどうやって克服していったのかということが平易な文章で綴られており、ヒントを与えられる本です。
大学の推薦面接日と県大会の日程が重なった高校時代、推薦を蹴ってまで試合に臨んだのにチームはあっけなく敗れ、進学も花園も両方手放すことになったこと。
留学先での外国人からのいじめ。
ケガばかりする身体。
監督就任以降、反発する部員たち。
そういった困難に彼がどのように立ち向かっていったのか。

中竹監督は人と会うときの心構えとして、常に「無人島理論」というのを心がけているそうです。
「もしこの人と二人で無人島に流されたらどういう風につきあうか」という基準です。
もし二人で無人島に流されれば、お互いの肩書きも、誰と知り合いかということも、どんな実績があったかということもまったく関係なくなる。
この人となら無人島でも一緒に仲良くやっていけそうだ。
この人は信頼できないのでお互い自立したまま過ごしたほうが気楽でいい。
この人はきっとグイグイ人を引っ張る能力があるので、僕はついていった方がいいだろう。

これを聞いてハッとしたのは、私が人生で出会った尊敬できる何人かの人のほとんどが意識的か無意識的にか、他人とこういう接し方をしているということです。
私もこの心構えは見習って実践していきたいと思います。 

 

☆同じ名前なので昔から気になってる人です。

○本人 vol.09(太田出版)

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ひろゆき「世界のしくみを解き明かしたい」

「ロジックがないと損をする世代なんです」
「世界を作るのはキチガイと紙一重な人」
「コンテンツや人には興味がない」
「おまいらゲーム脳になれよ」

見出しだけで刺激的になってしまいますが、どうにもこの人の場合思考回路も言葉も通常の人とは位相がズレたところで発言するので誤解を招きやすいと思います。
ちなみに後ろには“堀江貴文「就職しないで生きるには」”というインタビューも載ってます。
こんなことを言ってもしょうがないことですが、『本人』はインターネットがなければ今の10倍くらい世の若い人たちに影響を与えた雑誌だと思います。

 

☆予告

次回、ちょとしたインタビュー記事を載せます。
キーワードは「シットダウンひまわりボム」です。
お楽しみに。

(H)

March 07, 2009

日本の四番は松中に打ってほしかったけれど

なんだか2002年の日韓ワールドカップ時のバブルを思い出すようなワールドベースボールクラシックへの過熱報道ぶりが目立つ昨今ですが、皆様いかがお過ごしでしょう。
今だに野球で「ニッポン!(チャチャチャ)ニッポン!(チャチャチャ)」って応援をすることに慣れません。
それよりもいっそ世界一の舞台でもスタンドでいつも通りトランペットで応援してやった方が選手はいつも通りだし、他の国の選手は戸惑って集中しきれないだろうからいいと思うんですけれど、誰かアメリカまでトランペット持って行ってくれる人はいないですかね。
でも意外にメジャーリーガーには評判いいんですってね、トランペット応援。
日米野球のときにそんな話を聞きましたが。

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今でている「Number」WBC特集と、直近の自著「あぁ、監督」(角川ONEテーマ21)によれば星野さんが辞退して、王さんが健康上の問題があって難しいってなったときに野村監督は「…俺か!?」と思っていたそうです。
けれどいつまでたっても名前が出ない。
それどころか野村さんはWBC体制検討会議という監督人事を決める委員の一人であったため、まさか会議で「俺どう?」と言うわけにもいかないので「…落合は?」と振ってみたら「落合はダメだよ」と他の委員に言われてそれで黙っていたら原さんに決まっていた、という話をしていました。
まあ選手は野村監督より原監督の方がやりやすいんじゃないかと思いますが。

 

★殿

野球の監督と並んで組織を束ねる人がよく例えられるのが戦国武将ですが、こんなマンガが出てます。
昨今は歴史好きの女子の方が多いと聞きましたが…。

○「殿といっしょ」1~3巻 大羽快(メディアファクトリー)

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なんかほんわかした歴史武将たちが繰り広げる4コマギャグ漫画。
「聖☆お兄さん」「ヘタリア」と来た以上、次はこれしかないと思います。
しかし、かつてはおっさんしか興味を持たなかった戦国武将もここまでいじられるようになりましたか。
これ読んでるとどんどん直江兼続がキライになりそうです。
「この直江がウザい2009」絶賛開催中。嗚呼天地人。

 

★地味に売れる本

買ったお客さんからはほぼ100%「カバーしてください」と言われます。

○「もう一度、彼とやり直したいあなたへ」武石晃一/監修(河出書房新社)

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タイトル通りの本なんですが、
「まず別れてしまった原因を分析し」
「どのような再アプローチが有効か」
「それにはどういうメリットとデメリットがあるか」
などが用例も含めて細かく解説してあり、どっかで読んだフォーマットだなと思ったらこれはアレですね、「企業をV字回復させる本」と似てますね。
まあ、同じようなものなのかもしれませんが。

もし彼と別れても、あなたには別の人と出会うチャンスがあります。
もし彼と復縁できても、幸せになれるかはあなたと彼の努力次第です。
「どの道を選べば幸せになれるのか」ということですが、どの道を選んでも「失敗」ではありません。

いいこと書くなあ。

 

★教養

「日経おとなのOFF」今月号の特集は「おとなの教養実践講座」。

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教養って何だろう、と開いたら「漢字」「絵画」「神社」「仏像」「ジャズ」「ロック」「落語」「韓国ドラマ」「日食」「エコロジー」なんだそうです。
最後の方は本当に教養なんだかよくわかりませんが、大人のたしなみがいろいろ網羅されてます。

でも、こういうのって自分から言っちゃダメなんですよね。
自分から話すと鬱陶しい蘊蓄で、聞かれたときにサラッと言ってこそ教養だと。

って話を「BRIO」で吉川ひなのがしてました。さすがです。

(H)

March 02, 2009

2月のセールスランキング

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店頭では「小学1年生・入学おめでとう号」がもう発売されたりしていますが、こちらは2月のセールスランキングです。

(一般)

1 読めそうで読めない間違いやすい漢字 出口 宗和 二見書房
2 Cher ’09春/夏Collection  宝島社
3 09 プロ野球カラー名鑑   ベースボールマガジン社
4 モデル失格 幸せになるためのアティチュード  押切 もえ 小学館新書
5 うちの3姉妹 特別編 ハワイでおっぺけぺ 松本 ぷりっつ 主婦の友社
6 男 道     清原 和博 幻冬舎
7 新宿区 落合文士村・目白文化村コース 籠谷 典子 編 明治書院
8 断る力     勝間 和代 文春新書
9 これでいいのか 東京都中野区 佐藤 圭亮 マイクロマガジン社
10 縁遠さん 能町 みね子 メディアファクトリー

(文庫)

1 ジョジョの奇妙な冒険  50 荒木 比呂彦 集英社コミック文庫
2 風の墓碑銘(上) 乃南 アサ  新潮文庫
3 風の墓碑銘(下) 乃南 アサ  新潮文庫
4 ジウ   2-警視庁特殊急襲部隊 誉田 哲也 中公文庫
5 居眠り磐音 江戸双紙 照葉ノ露 佐伯 泰英 双葉文庫
6 ジウ   3-新世界秩序 誉田 哲也 中公文庫
7 制服捜査 佐々木 譲 新潮文庫
8 酔いどれ小藤次留書 偽小藤次 佐伯 泰英 幻冬舎文庫
9 家族の言い訳 森 浩美 双葉文庫
10 まほろ駅前多田便利軒 三浦 しをん 文春文庫

(コミック)

1 NARUTO-ナルト-  45 岸本 斉史 集英社 ジャンプC
2 BLEACH-ブリーチ-  37 久保 帯人 集英社 ジャンプC
3 銀魂  27    空知 英秋 集英社 ジャンプC
4 ×××HOLiC  14 CLAMP 講談社 マガジンC
5 家庭教師ヒットマンREBORN!  23 天野 明 集英社 ジャンプC
6 デトロイト・メタル・シティ   7 若杉 公徳 白泉社 ジェッツC
7 PLUTO   7  浦沢 直樹 小学館 ビッグC
8 チャンネルはそのまま!   1 佐々木 倫子 小学館 ビッグCスペシャル
9 ヒメアノ~ル   2  古谷 実 講談社 ヤングマガジンC
10 スキップ・ビ-ト!  21 仲村 佳樹 白泉社 花ゆめC

 

1月の終わりに「アド街ック天国」で中井が放送されたのが関係あるのかないのか、前に売れた地元本がまたポツポツ売れたりしてました。

 

新宿区と中野区の境目という土地故にこんなのも売れてます。

○「これでいいのか東京都中野区」佐藤圭亮(マイクロマガジン社)

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実に中野らしくゴチャついた雑多な匂いがしてくる表紙ですが、意外に中はしっかりしています。
たとえば中野区は都心へのアクセスが便利という理由で高度経済成長期に住民が増え続けた結果、日本で人口密度が高い区になっています。
(ちなみに2位は東京都豊島区、3位は大阪市城東区)
その背景にはどこからでも駅に近いという交通インフラの発達と、だいたいの町にはそれなりの買い物ができる商店街が近くにあることが挙げられるとか、そんなようなことがいろいろ書かれています。
そういわれると中野区は比較的元気な商店街が多いような。

しかし人口が増えると当然問題も出てくるわけで、たとえば放置自転車の問題はあまりに酷いので区は返還料を値上げし、さらに「一度撤去したらしばらくは来ない」という放置する人の心理を逆手に取るように時には連日撤去に来るなど回数を増やし、さらに監視区域を拡大することで「ここは大丈夫」という場所をなくすという徹底ぶりで見事減らしたのだそうです。

といった感じで「みんな知ってるようで実は知らない」地元自治体のハナシをいろいろ知ることができ、近隣住民の方ならおすすめできる一冊です。

ちなみにお人好し大学生が中野に行くたびにいろんな事件に巻き込まれる「白戸修の事件簿」(大倉崇裕・双葉文庫)という短編ミステリ小説もあります。
まあいいにせよ悪いにせよネタにしてもらえるってのはありがたいことです。

(H)

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