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September 2008

September 28, 2008

『勘であいさつしたら他人だった』

駅で見るたびにクスッとしてしまっていたあの缶コーヒーのポスターが1冊の本になりました。

○「ルーツ飲んでゴー!」

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読んでると笑ってしまうので絶対電車で読めません。
こういうのはどこが作るんだろう…と見たら扶桑社でした。
扶桑社のこういう姿勢は大好きです。
「ヒロシです」とか。

ちなみにJTの公式サイトを見るとCMも見られます。

http://www.jt-roots.com/main.html?3

「秦さん編」に腹がよじきれるほど笑わせてもらいました。
坂口さんはドラマ『医龍』でずいぶんビシッとした医者役をやってたはずなのに、いつのまにこんな三枚目もやるようになったのですね。

どうでもいい話ですが、彼は私の高校の一学年後輩です。
もちろん在学中は面識ありませんでしたが。
まさか「世界の荒鷲@アトミックドロップからの逆片エビ固め」の息子さんが同じ学校に通っていたとは、当時露ほども思いませんでした。

同じクスッと系の本としてはこんなのも。

○「コドモダマシ ほろ苦教育劇場」パオロ・マッツァリーノ(春秋社)

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『反社会学講座』『つっこみ力』のパオロ・マッツァリーノが今度は何を書いたんだろう、と思ったら「教育」です。
といっても内容は相変わらずです。
「お父さん、どうして給食は残しちゃいけないの?」「どうしてゲームばかりやってちゃいけないの?」という子供のシンプルな疑問に対する、お父さんの正論なんだけど若干無理がある説明のおかしさを笑う本です。
「世間知」と呼ばれる教養が、裏返せばいかにアホっぽいのかをパオロ・マッツァリーノは毎回おもしろおかしくあぶりだしてくれます。

私が最近一番笑ったのはDVD「我々は有吉を訴える」の前半部分ですね。
あれ後半はあまり笑えないんですけど。

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http://jp.youtube.com/watch?v=MvZP43LumjE

 

あとはキャンプ場プロレス。
いい大人が何やってんだろう、と思いながら見に行けなかったのが悔やまれてなりません。

http://machinegun3.blog80.fc2.com/blog-entry-1263.html

(H)

September 24, 2008

「役割」

「kamipro」というプロレス・格闘技雑誌があります(発行エンターブレイン)。

http://www.kamipro.com/magazine/

以前は選手インタビュー・大会観戦記などが中心でしたがリニューアルして一つのテーマに沿った特集雑誌になりました。
先日出たリニューアル2号の特集が「悪役」。
表紙&巻頭インタビューはプロレスでも格闘技でもない、この方。

 Kamipro

ボクシングとは何も関係ない雑誌が「悪役と呼ばれてることについてどう思います、亀田さん?」と聞くわけです。
当然、亀田選手も最初のうちは不機嫌です。
けれどインタビューが進むうちに「こいつは俺の話をちゃんと聞いてくれる」という風に、だんだん話が打ち解けてきます。
最後には休日のストレス解消法として「デパ地下の試食めぐり」についてあの亀田選手が楽しそうに語ります。

私はプロレスは大好きですがボクシングは人並み程度の関心しかないので、亀田選手のことは「よくメディアに登場する、態度の不遜な選手」という一般的なイメージしか持っていません。
しかしこの記事を読んでから、ずいぶん小さな一面だけを彼の人格全てのように思い込んでいたことに気づきました。
そして雑誌、いやメディアというのは人の映し出し方をいくらでも変えられるんだなと改めて思い知らされました。

雑誌は今どんどん数を減らしています。
今後も減っていくでしょう。
ネットの普及により、「役割を終えた」と伝えられることもあります。

(参考)「季刊InterCommunication」休刊のお知らせ
http://www.nttpub.co.jp/news/2008/0501.html

けれど今回の「kamipro」のように、マスメディアでわからないことを伝える、いわば“マイナーメディア”としての役割はまだまだ雑誌に残されてるんじゃないかと思います。
もちろん今の時代、雑誌に出来てネットで出来ないことはないんでしょうけど、それでも情報を右から左に流して次から次へ消費する特性が強いネットに対して、「残すこと」を前提としたメディアとしての雑誌がマーケットは縮小しても熟成されればいいなと、場末の本屋風情は思ったりします。

たとえば誰か一人の人間の人となりを伝えるのに、その人が自分でブログをやったりして自分で自分の情報を発信するのは簡単になりました。
けれど、本当にその人の何がすばらしいのか、何が面白いのかというのは間に誰か他人が一人入った方が案外伝わるんじゃないかと私は思います。
『情熱大陸』が面白いのはそういうことじゃないかと。
だから、有名人のブログを本にするというのはある意味で作り手の敗北宣言みたいなもんではないかと、勝手に私は思ったりします。
もちろん、市場のニーズに合わせるのも大事ですが、これだけ逼迫してきた状況で安易に水筒の水を飲むようなマネばかりしてたらあっという間に廃れてしまうだろうと。
…なんだか酒の席のクダみたいになってきたので終わりにします。

それにしてもジャイアンツが怒涛の11連勝であんなに独走していた阪神にここに来て追いついたのは心底驚きましたが、瀬戸内寂聴がケータイ小説を書いたというのはさらに驚きました。

http://mainichi.jp/select/today/news/20080925k0000m040015000c.html

○「あしたの朝」ぱーぷる(毎日新聞社)

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筆名は紫式部から取ったそうです。

「この年になると面白いことがなくなる。ケータイ小説を書くという初めての経験はとてもワクワクしました」

面白いことは自分で探さないといけない、という話にとても共感を覚えました。
不勉強で瀬戸内寂聴という作家はこれまでまったく読んでこなかったのですが、そういう人が書いた人生訓ならちょっと読んでみようかと思いました。

○「寂聴あおぞら説法 4」

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(H)

September 17, 2008

天才柳沢教授ならこの状況を何と説明してくれるのでしょうか

「リーマンブラザーズ」と聞くとなんとなくロドリゲス井之介がビッグコミックあたりで書いてるサラリーマン悲哀ギャグ漫画のタイトルみたいな気がしてしまうんですが、きっと今頃それどころじゃない方がたくさんいらっしゃるんでしょうね。
不謹慎ですね。どうもすみません。

真面目な話、堀江さんがいた頃のライブドアがニッポン放送を買収するための莫大な資金を提供していた会社がそれから何年もしないうちにこうもあっさり倒れるのを見ると、我々の生活や仕事の足元に根を張っている金融とか経済というのはどこまで実態があるものなのだろう、とわからなくなってしまいます。

日頃金融関係の専門書しか出していない「きんざい」という出版社から先日こんな本が出ました。

○「流転の果て ニッポン金融盛衰記’85→’98」(上・下)大塚将司

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著者は、1980年代前半から約15年間、途切れることなく金融業界を取材し続け、スクープを連発した“伝説”の金融記者である。
10年間の沈黙を破り、ノンフィクション・ノベルの手法で、85年プラザ合意から97年の金融パニックまでの13年間の体験を著したのが本作品である。

“三丁目の夕日”的な高度経済成長が終わり、オイルショックを経て、日本が突入したバブルという時代。
そして“失われた10年”と呼ばれたその後。
ゴッホの絵を53億円出して買う企業があり、“地上げ”という商売が生まれ、銀行が次から次に合併していった時代。そして生まれた巨額の不良債権。大企業の相次ぐ倒産。
その間日本のトップで何が起きていたのかを生々しく綴った本書はあの山崎豊子「沈まぬ太陽」を彷彿とさせます。

ちょっと難しいかも、という方にはこんな本もご一緒に。

○知識ゼロからの経済学入門(幻冬舎)

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しかし、こんな記事を読んでると中小企業の一員としてはますます鬱な気分になってきます。

http://mainichi.jp/life/money/news/20080918k0000m020111000c.html
経済財政諮問会議:米金融危機の波及を警戒

しばらくバカ画像の本でも読んで現実逃避します。

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(H)

September 09, 2008

今度私も面倒くさい仕事を振られたら「局面の打開を図って」他の人に投げ出したいと思います

福田首相の電撃辞任以来、「上げ潮派」とか「汚染米」とか「あなたとは違うんです」とか次々に目新しい言葉が出てくる昨今ですが、いかがお過ごしでしょうか。
「上げ潮派」ってなんでそんなポテトチップスみたいな名前がついてるんだろう、と思ったらすっかり自民党の裏ボスっぽくなってきたこの人のこの本が語源なんだそうで。

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○「上げ潮の時代 GDP1000兆円計画」中川秀直(講談社)

今、経済のみならず、外交・政治など日本のあらゆる面で、「陰」から「陽」への反転が始まっている。この変化を大きな流れにし、全国民が「中流の上」の生活を享受できる国にするための計画を提唱する。

こうやって見ると政治家の言ってることって、昔からあんまり変わってない気がします。
「GDP1000兆円」「全国民が『中流の上』の生活を享受できる国に」って、池田勇人の所得倍増計画や田中角栄の日本列島改造論とおんなじような。
まあ自民党総裁選挙がどうなるかわかりませんが、私はザ・ニューズペーパーの大ファンなんで彼らの持ちネタである麻生さんか石破さんのどちらかになってくれればそれでいいです。

そんな9月から「宇宙フェア」をやってます。

 Ucyu

なぜ宇宙本?と問われると答えに詰まるんですが、店主が「宇宙」とか「宇宙の謎」といったキーワードで気まぐれに本を選んでいった結果、全体の3分の1ぐらいはUFOとかそういう関連本が並ぶ、大変B級な棚になってしまいました。
しかし実際売れていくのはそんなB級な本ばかりだったり。
つくづく「馬鹿の考え休みに似たり」とは至言です。

そして担当者同士まったく話し合っていないにもかかわらず、いや話し合ってなかったからか、児童書の方でも同時に「月と星の絵本」なんてミニフェアも始まりました。

 Hoshiehon

先日まで「元気が出る本フェア」なんてのをやってましたが、いざ宇宙の謎についての本を読んでると自分の存在や抱える問題が小さく思えてくるものです。
たまにはこんな本もいかがでしょうか。

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(H)

September 08, 2008

8月セールスランキング

北京オリンピックの影響があったのかなかったのか今ひとつわからない、今年8月のセールスランキングです。

(一般)
1 O型自分の説明書       Jamais Jamais   文芸社
2 崖の上のポニョ     宮崎駿監督作品    小学館
3 いっちばん      畠中 恵    新潮社
4 A型自分の説明書       Jamais Jamais 文芸社
5 おそろし 三島屋変調百物語事始      宮部 みゆき 角川グループパブリッシング
6 上地雄輔物語      上地 雄輔   ワニブックス
7 別冊 図書館戦争 2 有川 浩   角川グループパブリッシング
8 AB型自分の説明書      Jamais Jamais   文芸社
9 ルパンの消息       横山 秀夫     光文社
10 ハリー・ポッターと死の秘宝  J.K.ローリング   静山社

(文庫)
1 容疑者Xの献身  東野 圭吾    文春文庫
2 闇の子供たち   梁 石日    幻冬舎文庫
3 ララピポ    奥田 英朗    幻冬舎文庫
4 さまよう刃      東野 圭吾    角川文庫
5 氷の華     天野 節子    幻冬舎文庫
6 家事がいままでの「10分の1」になる本  ももせ いづみ  三笠文庫
7 虚空の旅人  上橋 菜穂子    新潮文庫
8 ナ・バ・テア     森 博嗣    中公文庫
9 かもめ食堂   群ようこ    幻冬舎文庫
10 スカイ・クロラ   森 博嗣    中公文庫

(コミック)
1 のだめカンタービレ  21      二ノ宮 知子 講談社
2 鋼の錬金術師  20     荒川 弘 スクウェアエニックス
3 NARUTO-ナルト-  43 岸本 斉史 集英社
4 よつばと!   8 あずま きよひこ メディアワークス
5 PLUTO   6        浦沢 直樹 小学館
6 デトロイト・メタル・シティ   6   若杉 公徳 白泉社
7 名探偵コナン  62     青山 剛昌  小学館
8 僕の初恋をキミに捧ぐ  12   青木 琴美 小学館
9 魔法先生ネギま!  23   赤松 健 講談社
10 高校デビュー  12    河原 和音   集英社

雨の日曜日午後、外にも出ずにTVをダラダラと見てたら「キャッシュキャブ」というクイズ番組をやってました。
キャッシュキャブというタクシーに乗ったタレント(時に一般人)が目的地までの間車内で出されるクイズに答えていくとその回答数に応じて賞金がもらえ、逆に三問不正解だと途中で降ろされる、そんな番組です。
回答者には答えられなかったときの救済措置として1回限定で使うことのできる権利がいくつかあって、その中に「ブックストア」というのがあります。
本屋に寄って与えられた制限時間内で答えを調べることができる、という権利です。

ボーっと見てたら何年か前の雑誌愛読週刊のキャンペーンアイドルになっていた某グラビアアイドルの子がどこかの町の小さな本屋の前でタクシーを降りて「広辞苑どこですか!」と棚の広辞苑を引っぱり出し、キャーキャー言いながらページをめくり「あったー!!」と絶叫してそのまま店を出て行ったり、別の回答者は棚の雑誌を次から次へひっくり返して調べたりしていて、休みだというのにすっかり気が滅入ってしまいました。

本屋の本は買いたい人のためにあるんです。
調べ物をしてもらうためにあるわけじゃありません。

まあまるっきりノンアポでタレントとカメラマンが本屋に突入して撮影するってことも考えにくいのである程度の話はついてるんでしょうが、もしもあの番組がうちに来たらディレクターの首根っこをつかまえて局の製作費で番組で使われた本を買い取ってもらおうと思います。
どうせそれぐらいの製作費は持ってるんだろうし。
まあこんなことを書く以前にうちにそんな話が来ることはないでしょうが。

近所のセブンイレブンはいつのまにか雑誌やコミックがみな袋に入れられるようになっていました。
ちょっと前までコンビニはそれこそ立ち読みのメッカだったのに、時代の変化を感じさせる出来事です。
「情報はタダ」という認識の時代に、いかに「お金を払う価値のある情報」を作るか、またそれをどうやって売るか。
答えは出ません。
結局は日々の小さな変革にしか道はないのでしょうけど。

(H)

September 01, 2008

国民的映画となれるんでしょうか

製作総額60億円をかけたという映画「20世紀少年」第一部を見てきました。

 www.20thboys.com

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見事に原作通りでしたね。
あとでパンフレットを見たら堤監督が「原作のカットと同じ絵になるようにカメラを回した」と語っており、キャストを務めた方々が軒並み「とにかく原作のイメージを壊さぬよう」と語っているあたり、相当気をつかって撮ったみたいです。
お疲れさまです。

でもあまりにもキャストが名優過ぎて、見ているうちに『石ちゃん演じるマルオ』というより『20世紀少年の世界に紛れ込んだ石ちゃん』みたいに見えてきて、いろいろ難しいなと思いました。
途中でオッチョが「ある意味、大豆ですから」と某ダイエット食品を差し出すんじゃないか、という妄想に囚われたり。
ケンヂたちの子供時代を演じる子役がみんな足長くて、あの時代にこんな体型の子供はいねーだろ、と思ったり。
すいません重箱の隅ばっかりつついて。
けど面白かったです。
なんというか、「大人のために作ったウルトラマン」だなあと思いました。
来年1月公開という第二部も楽しみです。

ついでに予告編で10月公開の「容疑者Xの献身」(東野圭吾)をチラッと見たのですが、犯人役の数学教師は堤真一なのですね。
これも時間あったら見たいと思いました。
それにしても文庫売り場は映画化作品でいっぱいです。

 X

さて「20世紀少年」はその壮大なストーリーゆえに映像化が難しいと長年言われてきた作品だそうですが、別の次元で映像化が難しい、極めて面白いミステリー作品があります。
それがこの作品。

○「ダレカガナカニイル…」井上夢人(講談社文庫)

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警備員の西岡は、新興宗教団体を過激な反対運動から護る仕事に就いた。だが着任当夜、監視カメラの目の前で道場が出火、教祖が死を遂げる。それ以来、彼の頭で他人の声がしはじめた。“ここはどこ?あなたはだれ?”と訴える声の正体は何なのか?ミステリー、SF、恋愛小説、すべてを融合した奇跡的傑作。

“ミステリー、SF、恋愛小説、すべてを融合した奇跡的傑作”などと書かれると読む前から「なーに言ってるんだ」という感覚になるかもしれませんが、読んだあとには「…ああ、でも本当にそうだな」と納得できると思います。
ミステリーというのはどうしてもどこかに読む人を脅かすための仕掛けを用意しなくてはならず、それゆえ時々「それはムチャだろう」という設定になることもありますが、これは本当によくできています。

で、なぜこの小説の映像化が難しいであろうかというと、主人公の頭の中から聞こえてくる「声」をどう映像で表現するかというのが一つ。
そしてもう一つが、物語で描かれる「新興宗教」にある一定以上の年代の人はほぼ全員がかつて実在した某カルト教団とその教祖を思い浮かべるであろうこと。
要は森達也の「放送禁止歌」的理由です。
なので、まず無理であろう、と。

実はこの作品自体は1992年に出て、その後絶版状態になり、何年か前に講談社文庫にまた収められた、そういう経緯があります。
なので若干話の設定に時代を感じさせる面はありますが、それを抜きにしても「何か面白い小説はないか?」という方にはまずこれをおすすめしています。

  

それにしてもウィキペディアを見ていたら唐沢寿明は45歳と知って、軽く驚愕しました。
おそるべき中年です。
「中年入門」は松尾スズキだけじゃなく、唐沢寿明も書くべきだと思います。幻冬舎で。

 Photo

ちなみに沖田浩之は今も生きていれば唐沢寿明と同い年です。
もしかしたら映画「20世紀少年」で重要な役をやってたのかもしれません。
人生は儚いです。
20th century toy, I wanna be your boy.

(H)

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