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July 2008

July 24, 2008

Life Goes On

 

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先週はいろんなことが続いてバタバタして、連休は海に行ったりしているうちにすっかりハリーポッター完結編「ハリーポッターと死の秘宝」の宣伝をするのを忘れたまま昨日、発売日を迎えてしまいました。
というわけで完結です。
当店でも昨日は店の外に出て店頭販売をやりました。

なにはともあれ、新作が出るたびに書店の仕入れ条件をめぐって内輪で何やかや言われてきたこのハリーポッターシリーズも「これにて完結」となるといささか寂しい思いもいたします。
今後、新作が出るたびに朝のニュースでとりあげられるような本って出るのでしょうか。

私の記憶に間違いがなければ、ハリポタが爆発的に売れるようになったきっかけは第一作「賢者の石」の映画化だったと思うのですが、あれが2001年です。まだ私が20代の頃です。
隣町で飲食店をやってるオバちゃんのところに雑誌を配達しに行ったら「息子がさー、あのハリーポッタ?読みたいんだってさ。今度持ってきてくれる?」と言われて翌日届けにいったものですが、当時中学生だった息子さんは今お母さんと一緒にお店を手伝ってます。J・K・ローリングが壮大な構想をまとめているあいだにお客さんも書店も年をとりました。

業界の中には「新刊が出るまでに時間が空きすぎ」という意見があり、商売面だけを見ればまったくその通りなのですが、あらゆる対象を次から次へと一瞬のうちに消費しては葬り去っていく"爆笑レッドカーペット化"したこの世の中で、書き手と読み手が長いスパンを共にして一つの大きな物語を紡ぐ、というのはなかなか素晴らしいことではないかと思います。なんかえらそうな書き方ですが。

書店というのは結局中継点でしかありません。
メディアの発達次第で、今後いらなくなる商売なのかもしれません。
だから本屋なんて、結局は「自分の店と接点を持ったどこかの誰かに、いつまでも忘れられない本を届けたい」という小さな望みだけを励みに商売やってるのです。
そうでも思わないと、みんなやってられないと思います。
20年後、どこかの家やどこかの飲み屋で「あー、ハリーポッター、あれ面白かったよなあ」と語る人たちの記憶に少しでも紛れ込むために、私たちは日々働いています。

 

先日こんな本が出ました。

○新宿駅最後の小さなお店ベルク(ブルースインターアクションズ)

 

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新宿駅東口出口そばにある小さな喫茶店のオーナーが書いた本ですが、副題が「個人店が生き残るには」とあり、内容もベルクという店のことと同時に個人店が大型店に勝つためにはどうしたらよいのか、ということが書かれています。

この本は知人から薦められてその存在を知り、『個人店が生き残るには?』という副題に誘われて読み始めましたが、読んでるうちに商店街の寄り合いで隣に座った喫茶店の経営者の話を聞いているような気分になりました。
そして個人店だろうが大型店だろうが、いろんな人生が集まってこの社会は成り立ってるんだよなあ、という小学生のようなことを強く思いました。
だから仮に社会がおかしくなったとすれば、それは一人ひとりの人生がおかしくなったということなんじゃないかと私は思います。

意味を見つけて働くというよりか、働いているうちに意味を見つける。
みんなそんなもんだと思います。
人生には可能性はたくさんあると思いますが、選択肢は多くありません。
学生であろうと会社員であろうと、今自分がいる場所は自分で至極妥当だと思う判断の積み重ねでいるわけですから、なんであろうとそこが自分の選んだ場所であるということを自覚し続けないといけないと思います。
仮に、仕事がうまくいかなかったのだとしても。

生きてりゃ疲れることもいろいろあるけど、たぶん一生のあいだずっと疲れ続けている、ってこともないでしょう。
とりあえず、今度ベルクに行ってきます。

(H)

July 17, 2008

伝説、北陸へ

本屋プロレスの第二弾が金沢のTSUTAYA金沢店さんで行われることが決まったそうです。

http://blog.livedoor.jp/t346/archives/52077661.html

今回はタッグマッチなのですね。ディーノ出るんだ。
見に行きたいなあ。
翌日雑誌いっぱい出るから無理だけど。

TSUTAYA金沢店さん、がんばってください。
今回は『さぶ』と『G-men』、『サムソン』の在庫をお忘れなく。

 

プロレスといえばSF・海外ミステリーが専門の早川書房からこんな本が出てます。これはもはや学術書。

○リングサイド ~プロレスから見えるアメリカ文化の真実 

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プロレスの本場はアメリカだと昔から言われます。
そのプロレスというものがどのようにして生まれ、どのようにしてアメリカ国内で発達・変化し今に至ったかを記した本です。
当初酒場の慰み事だったレスリングがいかにスポーツエンターテイメントの最高峰になっていったか、またプロレスが表現するアメリカという国の価値観、メディアの変化がスポーツをどのようにショービジネスに変えていくかなど、単なるプロレス本の枠に収まらない極めて学術的なノンフィクションです。
とりあえずエイブラハム・リンカーンとジョージ・ワシントンがプロレスラーの経歴を持っていたというトリビアにビックリしました。
古くはボブ・バックランドが、最近ではJBLことジョー・ブラッドショー・レイフィールドがリング上でアメリカ大統領選へ出馬するとかしないとかやってたことがありましたが、仮に就任できたところで「プロレスラー初の大統領」ではなかったわけです。さすが本場。

ともかくこの本は書き出しの一文がすばらしいので、プロレスファンの方もそうでない方もぜひ手にとってみてもらいたいと思います。

それと、

「21世紀の『蟹工船』」
「史上最強のワーキングプア」
「ミステリーよりスリリング。ビジネス書よりユースフル」

と刺激的な惹句が並ぶ話題の本、「ブラック会社に勤めているんだが、もう俺は限界かもしれない」(新潮社)を読んでみました。

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高校中退後、10年間ニートとして隠遁生活。パソコン以外の友達は1人だけ……。
そんな1(いち=マ男)くんが母の死をきっかけに、一大決心し資格を取得。
プログラマとして社員15人ほどの小さなIT企業に就職する。
しかし、そこはデスマ(デスマーチ=倒れるまで帰れずに徹夜連続生活を強いられる状態)だらけの地獄のような職場、残業代って何?な世にいう「ブラック会社」だった!
責任感のかけらもない上司、中学生レベル以下のどうしようもないイジメ、ありえない納期を平然と押し付ける取引先とそれを受け入れるリーダー。
現代の蟹工船ともいえる過酷な職業環境で働くはめになったマ男の周りで巻き起こされる様々なトラブル、淡い恋、暴かれる過去……。
ある日、マ男が2ちゃんねるのVIP板に立てたスレ「ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない」。
一体、「ブラック会社」で何が起こったのだろうか! マ男の運命は?

いや、面白かったです。
どうしてここまで登場人物が全員キャラが立っているのか。
そしてそれをわかりやすく伝える著者の文才。
ここまで悲惨な状況なのになんとなく全編に笑いの要素が漂っているのはネット発というのが大きいんでしょうが、そういう笑いの部分があることで重くなりすぎず、スラスラ読めます。

どうしても「21世紀の『蟹工船』」というプレカリアートな部分だけが強調されていますが、『宮本から君へ』『営業の牧田です』にも通ずるサラリーマン成長小説という部分も少なからずあり、社会人男性ならかなり共感できる部分もあるのではないでしょうか。

ちなみに新潮社ウェブでは本編後のエピソードにあたる「後日談」が連載されています。

http://www.shinchosha.co.jp/wadainohon/471521/after.html#after

でもこれだけネットで書店で騒がれたら・・・バレますよね。「これうちの会社のことじゃねえか!」って。大丈夫なのかマ男。

(H)

July 09, 2008

6月のセールスランキング

行ってみたい旅行先は黒川温泉、食べたいファーストフードは絶品チーズバーガー、散歩の途中に立ち寄るのはスターバックスとランキング依存症な店長がお送りする伊野尾書店6月のセールスランキングです。

【一 般】

1       A型自分の説明書        Jamais Jamais   文芸社
2       AB型自分の説明書               Jamais Jamais   文芸社
3       本の雑誌2008・7月号            本の雑誌社
4       悩む力             姜 尚中    集英社新書
5       るるぶ中野区          JTBパブリッシング
6       B型自分の説明書        Jamais Jamais   文芸社
7       のぼうの城   和田 竜    小学館
8       モンスターハンターポータブル2nd Gザ・マスターガイド    角川グループパブリッシング
9       孤宿の人(下) 宮部みゆき   新人物往来社
10      手みやげを買いに 東京篇            京阪神エルマガジン社

【文 庫】

1       蟹工船・党生活者        小林 多喜二  新潮文庫
2       西の魔女が死んだ        梨木 香歩   新潮文庫
3       さまよう刃           東野 圭吾   角川文庫
4       知っておきたい日本の仏教   武光 誠    角川文庫
5       意地  密命19        佐伯 泰英   祥伝社文庫
6       故郷へマのつく舵をとれ!   喬林 知    角川ビーンズ文庫
7       回転寿司「激安」のウラ     吾妻 博勝   宝島sugoi文庫
8       蟹工船 (まんがで読破シリーズ)  小林 多喜二原作        イーストプレス
9       夜市      恒川 光太郎  角川ホラー文庫
10      たった3秒のパソコン術    中山 真敬   三笠書房

【コミック】

1       ONE PIECE  50           尾田 栄一郎  集英社
2       D.Gray-man  15          星野 桂    集英社
3       ソウルイーター  12     大久保 篤   スクウェア・エニックス
4       ×××HOLiC  13    CLAMP   講談社
5       家庭教師ヒットマンREBORN!  20   天野 明    集英社
6       花より男子  37        神尾 葉子   集英社
7       テニスの王子様  42     許斐 剛    集英社
8       BECK  33        ハロルド 作石 講談社
9       アイシールド21  30    村田 雄介   集英社
10      ライフ  18 すえのぶ けいこ        講談社

和田竜「のぼうの城」がジワジワと売れております。

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発売は2月で、当初まるで知らなかった新人作家の時代小説でしたがその読みやすさと話の痛快さで「面白い!」と評判を呼び、あちこちの媒体で取り上げられるようになり、ついには直木賞候補作にまでノミネートされてしまいました。
時代小説ですが若いお客さんも買っていかれたりしています。

洞爺湖サミットは今日で閉幕ですが、徐々に北京オリンピック関連本が出てきました。

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○北京オリンピック観戦ガイドブック2008(昭文社)

今日はこんな本も入ってきました。

○篠山紀信 北京オリンピック女子アスリート写真集

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極めておっさん的な感想ですが、キレイな女子選手増えましたね。
これはこれでいいと思うんですが、「地味な2位の選手より美人の5位選手」みたいな風潮も行き過ぎるとスポーツ報道としてどうかというのもあるので、うまく折り合いをつけてほしいところです。

(H)

July 05, 2008

「サミット」と聞くとつい緑色の看板のスーパーを連想してしまいますが

目前に近づいた洞爺湖サミットの影響でしょうか、今週は街中のいたるところにお巡りさんが立っているのを見かけたり、「不審な人物を見かけたら通報を」というビラが3枚ほど回ってきたりしました。
こういうことを言ってはいけないかもしれませんが、仮に自分がG8の姿勢に反対するテロリストだとしても、中井はまず狙わないだろうな・・・とか思うんですけど、どうなんでしょう。
そりゃあ「警戒しているから幸いにも何も起きていないんだ」という一面もなくはないでしょうけど。

まあ、忘年会シーズンなんかだとよく店の前や脇道でテロをやられますけどね。テロというより吐露というか。
ホント勘弁してほしいんですけどね。
12月から1月は毎年テロとの戦いです。テロリストには屈しないぞ。

えー、アホなことばかり書いてないで少しは真面目な話題も。

直販出版社のディスカバーと取引を始めました。
http://www.d21.co.jp/

最近では勝間和代さんの本を多く出している出版社ですね。
さっそく勝間さんの本も入れてますが、こちらの本の方が売れ行きがいいみたいです。

○「婚活」時代(山田昌弘/白河桃子)

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http://www.d21.co.jp/modules/shop/product_info.php?products_id=545

山田昌弘氏は「パラサイト・シングルの時代」「希望格差社会」の著者で、白河桃子氏は「『キャリモテ』の時代」の著者ですね。

「就職には『就活』。結婚には『婚活』が必須の時代が始まっている!」

「昔と違って、結婚活動、略して『婚活』をしなければ、結婚がしにくくなっている時代に入った」

と非常にAERAな香りのするリードが出てますが、本文にもなかなかすごいことが書いてあります。

「結婚にまつわる男性サイドの事情は、モテの二極化の拡大です。女性に不自由しない人は先延ばしにし、女性が周りにいない人は受身で出て行かない。結局どちらもなかなか結婚しない」
(第二章「結婚したくてもできない!」)

…なんかコメントしずらくなってきたのでこの辺にしておきます。
同じような路線でこんな本も売れております。

○「崖っぷち高齢独身者 30代・40代の結婚活動入門」樋口康彦(光文社新書)

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 それと最近に個人的に読んで役に立った本を。

○「御社のホームページがダメな理由  98%は死んでいる」竹内謙礼(中経出版)

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これいいですよ。
私もこの「Webかわら版」を始めてもうすぐ4年、その前のHTMLオンリーの時代から数えるともう8年くらいホームページを継続してきているわけですが、この本に書いてあることはいろんな点で非常に目からウロコでした。
ウェブ担当に限らず、営業関係の人も読んでおいた方が絶対いいと思います。

まあこのページ自体は、どこまで仕事でどこから趣味なんだかよくわからない内容になってしまったので、今後もそうたいして変わらないと思います。
そういう事例は紹介されてたかな・・・。

(H)

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