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April 2008

April 29, 2008

ありがとうございました

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「本屋プロレス」の激闘から約24時間後の伊野尾書店店頭風景です。
昨日…もう一昨日になりましたが、あの熱狂が嘘のように平和です。

今日現在、どこからも苦情は届いておりません。
闘った高木選手、飯伏選手双方とも大きなケガもなく、事故も起きず、大変ホッとしております。

2点ほどお詫びしたいことがあります。
まず、こちらが事前に予測したのをはるかにはるかに上回る人数が詰めかけた結果、試合中よく見えなかったいう方も多かったであろうということ。
それと、やはり予測を上回る人数の方に来ていただいたおかげでこちらで用意した「俺たち文化系プロレスDDT」55冊があっというまになくなってしまい、買えずに帰られた方も少なくなかったであろうということ。
この2点については我々主催者側に不手際があったことをお詫びしたいと思います。
ついでに高木選手の入場テーマが途中でブツ切りになってしまったのもこちらのミスです。ごめんなさい。

それにひきかえ、高木選手と飯伏選手は本当にプロでした。
与えられた状況と条件をクリアして観客に最高のものを見せてくれました。
本当に凄いと思います。

また、終始運営に協力的で、交通整理にまでご協力いただいた観客の皆さん、本当にありがとうございました。
今回の話をしたらわざわざ高木・飯伏両選手のパネル写真を贈ってくださった、「週刊プロレス」と「紙のプロレス」を毎号買いに来てくれるYさん、どうもありがとうございました。
観客として来たはずなのに撤収作業に協力いただいた出版社・書店・その他業界関係者の皆様、大変助かりました。ありがとうございました。

どんなに忙しくても土曜の夕方はテレビの前に陣取り全日本プロレスを見ていた父の影響で子供の頃からプロレスが好きだった私ですが、まさか自分の仕事がプロレスそのものに関わるとは夢にも思っていませんでした。

実は高木選手のデビュー戦を私はたまたま見ています。
13年前に渋谷の道玄坂の路上で高野拳磁に交通整理用カラーコーンでタコ殴りにされていた白パンツの若手選手がその後自ら団体を作って成功させ、そしてウチの店に来て闘うなんてこそは想像だにしていませんでした。
人生は何が起こるかわからない、本当に不思議なものだと、今は心から思います。

今回なんで書店の場所を提供しようと思ったのか、という質問を何人かの方に聞かれましたが「プロレスファンだから」としか答えられません。
正直、自分が楽しそうだと思ったからやってもらった、それだけです。
そこに「書店という場所の存在価値がどうこう」とか「不況と呼ばれる出版業界に対してどうのこうの」というのは特になかったです。
そういうのはいつか誰かが「結果として今回のイベントはこういうことだった」「こういう意味があった」と位置付けてくれればそれでいいと思います。
そもそも「なんで本屋でプロレスやるの?」ってのが普通なんですから。

そういうわけで少しだけ本の話をすると、昨日どさくさに紛れて売っていた西加奈子「こうふく あかの」「こうふく みどりの」(小学館)はぜひプロレスファン、それも最近ちょっと離れ気味の元プロレスファンといった向きの方に読んでほしい小説です。
本のどこにもそれっぽいことを書いてませんが、とにかくプロレスファンなら反応してしまうある仕掛けがしてあります。
どちらから読んでも楽しめますが、個人的には「あかの」→「みどりの」の順に読まれることをお薦めします。

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高木選手は自分たちのことを「俺たち文化系」と称しましたが、今回のイベントは自分にとっても文化祭のようでした。
スタッフから開始の合図をもらい、オープニングテーマを流してシャッターを上げ、見ているお客さんからワァー!という歓声が起きたとき、普段の書店の仕事では絶対に味わえない興奮が身体を走りました。
あの瞬間、プロレスの持つ魔力をほんの少しだけ味わった気がします。

この中井という小さな町の小さな書店の前に200人以上の人が集まったこと、現役プロレスラーに本を並べる什器を片づけさせてしまったこと、勝った飯伏選手が試合後のインタビューをしていたのが今自分がいるこのバックヤードであったこと、何より自分の店でプロレスが行われたこと。
今となってはすべてがウソみたいです。
本当は連休後の商店展開とか、構想中のお客様サービスのこととか、商材やシステムの研究とか人員の確保とか本当はやることいっぱいあるんで、早く現実に戻らないといけないんですけど、しばらくは尾を引くかもしれません。
プロレスは本当に麻薬です。

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(H)

April 23, 2008

前代未聞の書店イベント「本屋プロレス」

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このたびDDTプロレス代表・高木三四郎著「俺たち文化系プロレスDDT」(太田出版)の出版記念イベントといたしまして、4/27(日)21時~(夜9時)より伊野尾書店店頭および店内にて「本屋プロレス」を行うことになりました。
現在のところ、高木三四郎(DDTプロレス所属)と飯伏幸太(同所属)の対戦が予定されております。
観戦は無料です。
終了後、店頭にて「俺たち文化系プロレスDDT」をご購入いただいた方に高木三四郎がサイン会を行う予定です。

ルールその他「どうやってやるんだ?」的疑問はすべて当日見てのお楽しみ、ってことで。

今日(23日)の夕方、DDT新木場大会の開始前にマスコミ向け記者発表に出てきます。
今から緊張してます…。

(H)

April 18, 2008

今まで興味無い人を呼び込むがためのリニューアル、とはわかっているけど

今月の下旬に、おそらく日本の本屋で過去類を見ないイベントを当店で開催することになりそうです。
もう少し概要がハッキリしたらちゃんと発表したいと思います。
ごくごく一部の世界で有名になってしまうんだろうなあ…。

閑話休題。

「美術手帖」がリニューアルしました。

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…ってオイ。
これ持ってるのナマコでしょうか。
少なくともレモンではありませんね。
よくやるなあ。

今号は付録にオリジナルエコバッグがついてきます。
店の中でも置き場所が二転三転してますが、今後なるべく「エスクワィア」「芸術新潮」あたりと近いところに置きたいと思います。

  

春という季節が関係あるのかないのか気のせいか、最近また“話し方”の本が売れているようです。
この類の定番的商品でもある塩月弥栄子「上品な話し方」(光文社知恵の森文庫)が今また売れています。

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表紙のイメージもあって『女性向けの礼儀正しい言葉づかいを覚える本』というイメージがありましたが、意外に男性向けの内容も書かれています。

たとえば職場の同僚の女性が目新しい服装で出勤してきたら、

「春っぽいね、いいねそれ」

ではダメだそうです。

「春っぽいね、それ“も”いいね」

と言うのが正解だそうです。
難しいです。

それから男性はとにかく女性をほめなさい、とのことです。
けど「君は美人だね」というような具体性のないほめ言葉はNGだそうで、「君はおでこが可愛いね」とか「声がいいね」と具体的に言うのが大事なんだそうです。
いきなり額の良さに言及されても戸惑う女の人もいるような気もしますが、なんとなくわかるような気もします。

そういえば「『あなたと会うと元気になる』といわれる人の共通点 」齋藤茂太(ぶんか社文庫)なんて本も売れています。

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コミュニケーション能力の次は、何が求められるのでしょうか。
やっぱり非メタボな体型、でしょうか。
東山はすごいよなあ。

(H)

April 13, 2008

第五回本屋大賞

第五回の本屋大賞が伊坂幸太郎の「ゴールデンスランバー」(新潮社)に決まりました。

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今年はノミネートの段階で「あ、これ読んでみたいな」という作品が多くありました。
去年は今ひとつピンと来る作品がなかったので、そういう意味では今年は自分のストライクゾーンに合った年だったのでしょう。
結局ノミネートされた全作品を読めなかったので投票はしてませんが、読んだ範囲で投票してよいのなら角田光代の『八日目の蝉』(中央公論社)ですね。

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とはいえ、最後は好き好きです。
今日6位の「映画篇」(集英社)が売れて抜けてしまいましたが、それ以外のノミネート作品は店頭に並んでいますのでどれか一つくらい読んでみてください。
投票した書店員のコメントが掲載された本の雑誌別冊「本屋大賞2008」もぜひ。

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本屋大賞も今年は一次投票した人数が初めて1000人を超えたそうです。
たった1000人か、ついに1000人かはそれぞれ感じるところが違うでしょうが、日本に書店は1万何千軒あるらしいので、いずれは1万人ぐらいを目標にしてほしいですね。

時々本屋大賞の結果に「もうベストセラーになってる本じゃないか」みたいなコメントを見かけますが、そらそうだろう、と。
投票するのはたまたま書店で働いているというだけの一般人です。
本の存在そのものを知らなければ投票できません。
だから地方の小さな書店でも1冊くらいは送られてくる人気作家の新作がある程度票を集めるのは当然で、あまり売れそうもないからと出版社が少ししか作らず一部の大書店にしか並ばない本はノミネートすらされないでしょう。
読んだ人が少ないわけですから。
この賞はすべての小説がフラットにノミネートされているわけではないのです。
だからといって何人かの作家や有識者などが決める、他の文学賞がフラットにノミネートされているとも思いませんが。

まあ、しいて本屋大賞に文句をつけるなら、投票しているのは書店員なんだから“書店大賞”だよなあ、ということぐらいで。
すっかり元気のなくなった街場の本屋を集めて
「ほら、あんたらこそがリアル本屋なんだから、若い連中にいいようにやられてないで『何が本屋大賞だ、俺たちこそがリアル本屋だ!自分で取次に金払ったこともないくせに一丁前の本屋の顔してるんじゃねえよ!俺たちがリアル本屋大賞を作ってやる!』とか言ってきなよ」
と意味もなく対立構造を焚きつけたい気持ちもなくはないですが、面倒くさいので言いません。

というか、私もいつのまにか「東京の本屋オヤジ」に入ってるんですが。

http://www.itobooks.com/mokuroku.html

もうオヤジでも何でもいいよ。
今後の目標は役所広司。
闘わなきゃ現実と。

(H)

April 09, 2008

新しい人たちへ

昨日今日、ちっこいスーツで固めたぼっちゃまや両親が付き添う制服姿のお嬢さんを多く見かけました。
入学シーズンですね。
今日はビシッとスーツで決めたお母さんに雑誌を買ってもらっていた彼女、次は同じ制服を着た友達と一緒に来てくれるかもしれません。

入学する人がいれば、入社する人もいる。
ということでビジネスマナーやスキルアップ系の本を中心にビジネス本フェアをやってます。

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○仕事以前のビジネスマナーの常識(講談社)

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○3時間熟睡法―簡単に疲れが取れる 驚くほど頭が活性化する(三笠文庫)

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○好感を持たれる人の気の使い方101(三笠文庫)

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あたりがよく売れているようです。

私の場合、書店のハード面ソフト面両方で「こういうのはどうすればいいんだろう」という悩みに答えを出してくれる人がいなかったので、戸惑いつつ手探りでやって、解決したりしなかったり、というのを繰り返して何年か後になって「あれはそんな風にすればよかったの!?」「そういうのってできるの!?」と知って愕然とすることがよくありました。今もあります。

実質書店の仕事を何も知らない私が店長になったのは99年の春でしたが、毎朝遠野凪子が出ていた連続テレビ小説「すずらん」が始まると仕事上のわからないままの問題がいくつも頭の中でゼリーみたいにグニャグニャし始め、なんともいえない沈鬱な気分のまま店に向かっていたことをよく覚えています。
あまり楽しくない時期でしたが、あれはあれで必要な時期だったのだと思います。
今は毎朝みのもんたや小倉智明を見て違う意味で沈鬱になっていますが。

世の中にはたくさんの仕事について書かれた本がありますが、自分について書かれた本はありません。
どういう選択が自分の人生の正解なのかは本に載ってませんが、ヒントはいろいろ載っています。
何がヒントになるかも人それぞれです。
店頭で買った本が良いヒントとなってくれれば、本屋としてこんなにうれしいことはありません。

(H)

April 05, 2008

3月のセールスランキング

3月のセールスランキングです。

<一般>
1 CREA Due cat   1       文藝春秋
2 新宿区 落合文士村・目白文化村コース  篭谷 典子  明治書院   
3 ダーリンは外国人 with BABY 小栗 左多里  メディアファクトリー
4 犬と私の10の約束           サイトウ アカリ 毎日新聞社
5 お金は銀行に預けるな          勝間 和代  光文社新書
6 はらぺこレシピ                   オレンジページ
7 伝えたい!季節の折り紙         小林 一夫    NHK出版
8 KY式日本語-ローマ字略語がなぜ流行るのか  北原保雄編 大修館書店
9 るるぶ中野区                   JTBパブリッシング
10 乳と卵               川上 未映子  文藝春秋

<文庫>

1 水滸伝  18 乾坤の章         北方 謙三  集英社
2 上品な話し方 人をひきつけ自分を活かす     塩月 弥栄子 光文社知恵の森文庫
3 チーム・バチスタの栄光 上         海堂 尊 宝島社
4 相棒season2 上         輿水 泰弘 他脚本 朝日新聞社
5 死神の精度              伊坂 幸太郎  文藝春秋
6 古道具 中野商店            川上 弘美 新潮社
7 空中ブランコ               奥田 英朗 文藝春秋
8 赤い長靴                 江國 香織 文藝春秋
9 人のセックスを笑うな        山崎 ナオコーラ 河出書房新社
10 3時間熟睡法               大石 健一 三笠書房

<コミック>

1 ONE PIECE  49        尾田 栄一郎 集英社
2 のだめカンタービレ  20       二ノ宮 知子 講談社
3 鋼の錬金術師  19         荒川 弘 スクウェアエニックス
4 HUNTER×HUNTER  25   冨樫 義博 集英社 
5 D.Gray-man  14      星野 桂 集英社 
6 テニスの王子様  41         許斐 剛 集英社 
7 きょうの猫村さん   3        ほし よりこ マガジンハウス
8 みなみけ   5          桜場 コハル  講談社
9 ARIA  12         天野 こずえ マッグガーデン 
10 MOON   1         曽田 正人 小学館

コミック売り場で「美咲ヶ丘ite」(小学館ビッグコミックス)が好調だった戸田誠二のミニフェアやってます。

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恥ずかしながら、「美咲ヶ丘ite」が売れるまで戸田誠二の名前をちっとも存じ上げませんでした。
本屋は「本のことなら何でも知っている」みたいな顔をしていますが、ほとんどの人は自分の担当分野および自分の興味ある分野の一部しか知らないものです。
毎日毎日、お客様に勉強させてもらってます。

(H)

April 03, 2008

4月です

自分以外のところではちょこちょこと変化がありつつも自分だけはずっと同じ生活、そんな新年度をまた迎えました。
あ、変化がひとつあったか。
今まで燃えないゴミだったプラスチックゴミが今度から資源ゴミになるとか。
まあ、そんなレベルです。

そんな新生活の時期に合わせたのかただの偶然か、ちょうど「地元本」にカテゴライズされるであろうタウン情報誌が二誌出ました。

○新宿Walker2008(角川グループパブリッシング)

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ご存じウォーカーシリーズの新宿版。
なにがすごいって、通常のグルメガイドでよくある「ラーメン」「回転寿司」「食べ放題」みたいなジャンルごとの飲食店ランキングが、新宿の中だけでできるということに驚きました。
それ以外にもデパ地下から餃子からドーナツまで電話帳のように並ぶ飲食店情報。
「新宿で何か食べる」という目的で雑誌を探すとしたら、たぶんこれ以上のものはなかなか出てこないと思います。

ちなみにウェブも連動しているようです。
http://www.walkerplus.com/shinjuku/

そしてもうひとつがこちら。

○るるぶ中野区(JTBパブリッシング)

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るるぶの東京タウンシリーズの最新刊。
「ミラクルに、レトロに、マニアックに、ディープに楽しむ、中野区ライフ」というコピーがついてます。
欲張りすぎです。

中井は新宿区ですが、中野、東中野、新井薬師、沼袋、野方とどこも電車や徒歩で行きやすいエリアなので、非常によく売れております。
中野=オタクの街というイメージがありますが、見てると意外に公園も多いというのがわかります。
「素敵な中野人」という微妙な肩書で登場するのは、久本雅美です。
中野周辺には売れないお笑い芸人が結構住んでいる、という話はよく聞くところです。
遊ぶにも暮らすにもあまりお金のかからない、ラクな街だということがこの本からもよく伝わってきます。

ところでこの二誌には中井は出てきません。
まあ当然ちゃ当然ですが。

中井にもコロッケが50円で買える肉屋さんとか、美味しいケーキ屋さんとかいろいろ良いお店もあるんですが、きっと「住人にとっては大変よいお店だが他の町からわざわざ電車に乗ってまで…」という感じになってしまうのでしょうね。伊野尾書店もそういう風に思われたいものですが。

個人的なおすすめのお店を一軒だけ紹介すると、妙正寺川沿いにある「カフェひよこの巣」はとてもオシャレなお店です。

テーブル席が1つとカウンターだけの小さなお店ですが、飲み物が充実していて、ゆったりとした雰囲気でボーっと過ごしたりすることができる、「kunel」に出てきそうなおしゃれなカフェです。機会があればぜひ。

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http://plaza.rakuten.co.jp/cafehiyokonosu/

(H)

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