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March 2008

March 28, 2008

このごろ都にはやるもの

ご来店いただいた方はお気づきになったかもしれませんが、新書を増やしました。
場所も店内入ってすぐのところに移しました。
特に何かあってのことではなく、そうしないとしょうがない、てのが本音のところです。
新書を出している出版社はもう20社以上になったんでしょうか。
数えてないのでよくわかりませんが、とにかくまあカラフルな棚だことです。

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数が増えるとそれだけ玉石混合というか、新刊の収まった段ボールから出して一目見て「こんなの出すなよ」と言いたくなる本から「あっ!」と声が出てしまうものまで、実に多様な本が次々に出てきます。
最近一番「あっ!」とした新書はこれです。

○「プロフェッショナル」仁志敏久(祥伝社新書)

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セカンドの守備力でいったら日本一の、いやこの20年を代表するプロ野球選手の技術論、仕事論、人生論がわずか777円で読めるわけですから、もったいない時代になりました。
個人的には国書刊行会から6300円で出してもいいぐらいです。
そしてそんな選手に対してオビで「考えて野球をしている仁志敏久くん、いいね!」とリトルリーグの小学生をほめるかのごとくのどかなコメントを出しているのは、先ごろ引退を発表した桑田真澄です。
桑田は仁志に対し、「人生いつ何が起こるかわからないから頑張っておけよ」と口にしていたとのことですが、いつこんな本がパッと出るかわからないから気をつけないとな、と思いました。
祥伝社新書おそるべし。

もう一つ「あっ!」となったのはこれ。

○「夜中にラ-メンを食べても太らない技術 ~男のための『食べやせ』革命 」伊達友美(扶桑社新書)

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よく「新書は書名が9割」などと言われたりしますが、まさにその代表格です。
もう、すぐに自分で手にとって中を見てしまいました。
けど、やっぱり、最終的には食べないのが一番いいんですよね。
いやわかってはいるんですけど。

なんか気がつくとメタボ関連本が増えてきました。

○「メタボがわかれば寿命がのびる!」福田千晶監修(白夜書房)

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あなたのメタボ度をチェック、みたいな本。

○「下流は太る! ~こんな暮らしがデブの素」三浦展(扶桑社)

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下流の人はデブになるそうです。
もうあんまりいじめないでくれよ三浦展。

○「メタボの暴走」船瀬俊介(花伝社)

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メタボ健診が制度化された裏には製薬会社の深謀遠慮が潜んでいる、という本。

そして「Tarzan」最新号もメタボ特集です。

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今年から「メタボ健診」みたいなのが始まる、みたいな話をニュース番組で見ましたが、はたして20年後の日本人はみんなスリムになっているのでしょうか。
てか、あの診断、お相撲さんやプロレスラーはどうするんだろう。

(H)

March 22, 2008

つらつらと

前々回のエントリで小西康陽の本を仕入れたと書いたところ、ここを見た知人が「俺のために仕入れてくれてるのかと思った」と店に買いに来てくれました。
ので、二匹目のドジョウを狙って今週入った本でも列挙してみます。

・「プロ野球いぶし銀のベストナイン」 沢宮優(河出書房新社)

 永淵洋三、永射保、屋鋪要、松永浩美、西川佳明、吉永幸一郎、渡辺正和、外木場義郎、森脇浩司といった面々。ホークス多いな…。

・「ブルーザー・ブロディ 私の、知的反逆児」バーバラ・グーディッシュ/ラリー・マティシク(東邦出版)

 かつてのプロレス少年だった貴方に。著者はブロディの奥さんです。

・「『懐かしの昭和』を食べ歩く」森まゆみ(PHP新書)

 新書ですがカラーです。

・「ながい旅」 大岡昇平(角川文庫) ※再入荷

 まさか平成も20年になって大岡昇平の本がこんなに売れるとは思いませんでした。

・「淋しいのはお前だけじゃない」枡野 浩一 (集英社文庫)

 短歌をまじえたエッセイ集。

・「むかつく二人」三谷幸喜・清水ミチコ(幻冬舎)
・「役者気取り 三谷幸喜のありふれた生活〈6〉」三谷幸喜(朝日新聞社

 別々の出版社ですが同時発売でした。最近多いですねこういうの。

・「しゃべる犬 カイくんのひとりごと」(ワニブックス)  ※再入荷

 例のCMのお父さんです。

・「男の落とし前――奇跡の大復活の真実」ルー大柴(講談社)

 「おたくのカンパニーと弊社がトゥギャザーしたら、株価はクリビツ仰天の急上昇カーブをライトしますよ」

・「きょうの猫村さん3」ほしよりこ(マガジンハウス)

 WEBの更新は1日1コマというペースだそうで。

・「狐火の家」貴志祐介(角川グループ)

 密かにファンが多い作家、という印象があります。久々の新作。

・「戸村飯店青春100連発」瀬尾まいこ(理論社)
 
 大阪が舞台の“男子”小説です。
http://www.rironsha.co.jp/tokushu/tomurahanten/index.html

・「男性不信」池松江美(太田出版)

 誰かと思ったら辛酸なめ子でした。

一行コメントを続けるとなんだかブログっぽいですね。

話題の「金田一×コナン」。
直接対決はしないんですね。
往年の馬場と猪木を思い出しました。

(H)

March 12, 2008

猫はパズルと奮闘する

つい先日までまったく馴染みのなかった出版社の方とたまたま商談する機会がありました。
その会社はよく言えば百花繚乱、悪く言えばのべつまくなしにいろんな雑誌を次から次へと出している印象があったので、
「なぜクロスワードやパズルの雑誌はあんなにあちこちの出版社から次々新しいのが出るんですか?正直、書店としては置ききれないんですけど」
という話をしたところ、はい、それはこっちもわかってるんです、けどだからこそ出るんです、との返事。
禅問答のような答えに「?」という顔をしていると、教えてくれました。

つまりパズルやクロスワードの雑誌はもうとっくに飽和状態になっている。
そうするとどこの書店でもどれが売れてどれが売れていないという管理がしきれないので、トコロテン式に新しい雑誌が入ってきたら古い雑誌を返す、というサイクルになる。
そうなると実績のあるクロスワード誌であろうが新興出版社がパッと作ったクロスワード誌であろうが同じように扱われるので、大きく当たることもないが完全にハズレることもない。
というのがみんなわかってきたのでまた出る。その繰り返しです、そんな話でした。

なんだか大爆発するまで膨張し続けるブラックホールのような話ですが、考えてみると自分自身、やることがなくてヒマだった正月に買ったパズル誌は適当にある中で選んで買ったものでした。
出版業界はよく「柳の下に二匹どころか五匹か六匹はドジョウがいる」などと言われたりします。
二桁の暗算ができるインド数学も、寒天ダイエットも、大人の塗り絵も布ぞうりも、一個当たると次から次に同類の本が出ます。
狭い棚だけでは置ききれなくなった書店がコーナーを作ることで、認知が上がってまた本が売れる…そんな自家発電的な構造があります。

で、今、書店の店頭で何があふれているかというと、「動物」です。

「約束~最愛の犬たちへ」(文藝春秋)
「犬と私の10の約束」(文藝春秋)
「しゃべる犬カイくんのひとりごと」(ワニブックス)
「ネコミック」(ぶんか社)
「くるねこ」(エンターブレイン)
「まこという名の不思議顔の猫」(中央公論新社)
「ねこ鍋」(講談社・二見書房)
「おきらくごくらくデブ猫生活」(竹書房 )
「わらいねこ―幸せの招き猫」(二見書房 )

…まだまだありますがキリがないのでこの辺で。
あらためて、日本人は動物が好きなんだなあと思うこの頃です。

昨日入ってきた雑誌「CREA」の別冊「CREA cat」はすごい勢いで売れていきました。
追加が金曜に入る予定です。

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私も猫は好きですが、自宅で飼えないのでもっぱら街中でのナンパ専門です。
けれど中井もマンションが増えてきて、出会いの場所が限られてきている気がします。
その実情を解消するために書店で猫写真集がいろいろ出てきてるのだとしたら、なんとも複雑な気分です。

(H)

2月セールスランキング

遅くなりましたが2月のセールスランキングです。

<一般>
1 新宿区 落合文士村・目白文化村コース   篭谷 典子 明治書院   
2 家庭教師ヒットマンREBORN!隠し弾 2  天野 明 集英社  
3 女性の品格 装いから生き方まで         坂東 眞理子 PHP研修所
4 お金は銀行に預けるな           勝間 和代 光文社
5 WE・ANNA SUI                 宝島社
6 08 プロ野球カラー名鑑               ベースボールマガジン社
7 効率が10倍アップする新・知的生産術     勝間 和代 ダイヤモンド社
8 08 手術数でわかるいい病院          週刊朝日編集 朝日新聞社
9 08 プロ野球選手写真名鑑               日刊スポーツ出版社
10 陰日向に咲く               劇団ひとり 幻冬舎  

<文庫>
1 死神の精度             伊坂 幸太郎  文藝春秋
2 チーム・バチスタの栄光 下      海堂 尊 宝島社
3 チーム・バチスタの栄光 上       海堂 尊 宝島社
4 水滸伝  17 朱雀の章        北方 謙三  集英社
5 イン・ザ・プール          奥田 英朗 文藝春秋
6 誰か Somebody         宮部 みゆき 文藝春秋
7 イニシエーション・ラブ         乾 くるみ 文藝春秋
8 「あなたと会うと元気になる」といわれる人    齋藤 茂太 ぶんか社 
9 「居眠り磐音 江戸双紙」読本    佐伯 泰英  双葉社
10 しゃぼん玉               乃南 アサ  新潮社

<コミック>
1 NARUTO-ナルト-  41     岸本 斉史 集英社
2 BLEACH-ブリーチ-  32    久保 帯人 集英社
3 3月のライオン   1         羽海野 チカ  白泉社
4 クロスゲーム  11        あだち 充 小学館
5 ライフ  17             すえのぶ けいこ 講談社
6 銀魂  22              空知 英秋 集英社 
7 もやしもん   6           石川 雅之 講談社 
8 家庭教師ヒットマンREBORN!  18 天野 明 集英社    
9 蟲師   9              漆原 友紀 講談社 
10 天上天下  18         大暮 維人 集英社

「ハチクロ」の羽海野チカの新作「3月のライオン」がえらい勢いで売れていきました。
少し多めに確保したもののそれでも3日かそこらで店頭から消える事態。
完全に侮っていました。

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奥田英朗の「空中ブランコ」が文庫化されたので前作「イン・ザ・プール」をいっしょに置いたり、宮部みゆきの「火車」が宝島社の「このミステリーがすごい!20周年記念永久保存版」で「この20年のベスト1」に選ばれたのでいっしょに「誰か」を置いたら、どちらもついでで置いた方が売れてしまいました。わからないもんです。

March 05, 2008

仕入れとラーメン

週に一回、神保町近辺にある「神田村」と呼ばれる本の卸問屋街に仕入れに行きます。

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書店版築地市場みたいなものと考えてもらえればわかりやすいかと思います。
築地市場に昆布専門店や佃煮専門店があるように、医学書の専門卸会社があったり地図・旅行書の専門卸会社があったりします。
もっとも近年の出版不況で、どこもジャンルを絞った専門卸からどんな本でも扱う総合卸のスタイルに変化しつつありますが。

こんな感じで新刊がドバッと並べてあったりします。
(撮影協力:弘正堂図書販売)

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今日はこんな本を仕入れたりしました。

○「ぼくは散歩と雑学が好きだった。小西康陽のコラム1993-2008」小西康陽(朝日新聞社)

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○「新・妊婦道」岩堀せり(講談社)

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○「美咲ヶ丘ite  1」戸田誠二(小学館イッキコミックス)

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○「イカの哲学」中沢新一・波多野一郎(集英社新書)

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そしてこんな本も。

○「使い捨て店長」佐藤治彦編著(洋泉社新書y)

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仕入れに行く途中、たまに早稲田近辺に立ち寄ってラーメンを食べます。
どういうわけかあのあたりはこの何年かでラーメン激戦区になり、ずいぶんたくさんの店ができました。
私は新しいラーメン店ができると一回は入ってみたくなるクチなので、5つ店ができれば今日はここに入ってみよう、次に来たときはあっちに入ってみよう、という感じで行くたびに違う店に入ります。
そうしてるうちにまた別の店ができたりして、最初の5店全部行った後にあとからできた新しい店にも行ってみます。

そうして月に何回か早稲田に寄るたびに新しくできた店に一店ずつ寄り、何か月かかけて一通り回って、
「2番目に食べたところと3番目に食べたところがうまかったな、よしじゃあこれからはあの2店をヒイキにしよう」
と思ってまた次に行ってみると、もうその店があったところには「テナント募集中」の張り紙が貼ってあったりします。
見渡すと3番目の店も4番目の店もなくなってたりします。
そして気づくとまた違う店がオープンしています。

みなさんもおわかりの通りこれはラーメン店に限ったことじゃなく、コンビニから映画から新刊書籍からグラビアアイドルまで、日本中でこんなことばっかりやっています。
その結果、地主と不動産屋と解体業者と内装業者はそこそこ潤うかもしれませんが、必ずシワ寄せは出店する企業へと向い、経費削減を突き付けられた企業は「人件費」というもっとも大きくもっとも目につきやすい部分に手を入れることとなります。

「近所にマクドナルドができたよ、わーよかったね、年中無休で24時間営業だって、便利だね」
じゃあそこで働いている人ってどういう人なの?
ずっとその店にいるの?
マクドナルドはみんな好きだけど、子どもが大きくなったら『僕もやりたい!』っていう仕事なの?

そんなことも頭に置きながらもらって読んでもらうと、いろいろ考えさせられることは多いと思います。

いつ閉店したのかもわからない、早稲田の「大西」のしょうゆラーメンが好きでした。
みんなもう疲れてきてると思うんだけど、まだまだ競争しないといけないのかな?

(H)

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