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January 2008

January 28, 2008

乾いた心に笑いという水を

「エコ偽装」ってまたなんだか妙ちくりんな言葉が飛び交ってる昨今ですが、いかがお過ごしでしょう。
あれって具体的には誰が被害者なのでしょう。
少なくともハガキが再生紙かそうでないかで困るエンドユーザーはほとんどいないだろうに、いろんな物事を決めるお偉いの面子が潰れたので騒いでるだけのような気がしてしょうがないんですが。
それだけならいいんですけど、今後あらゆる企業は再生紙を使うよう義務化でもされたらたまったもんじゃないなと。
ただでさえポリの雑誌袋が原油高の影響でガンガン値上がりしていてこれからどうしよう、もうサービスという名目でタダで配るのはそろそろ限界じゃない?というところまで来ているのに、普通紙よりも値段の高い再生紙しか認めん、なんてことになったら…ああもう恐ろしい。
もうやめようよ、この実態のないエコ幻想。
絶対あと20年もしたら「あれはなんだったんだろう」と語られるムーブメントですよ、これ。

まああんまり眉間に眉を寄せるような話題ばかりもなんですので、今日は軽い本でも紹介します。

○バカ画像500連発(鉄人社)

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現在、伊野尾書店で「世界のミステリー」「地球の鉱物コレクション」「小学1年生入学準備号」と並んで売れている雑誌でございます。
内容はまあ、バカです。
でもこれってV○Wの…ああなんでもないです、すいません。

次はこちら。

○「聖(セイント)☆おにいさん」中村光(モーニングコミック)

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私は宗教に疎いのでちっとも知らなかったのですが、ブッダとイエスは現在立川のアパートにルームシェアしているそうです。
「神はそこにいる」というのは嘘じゃなかったんですね。
悟りを開いたわりには細かいお金の使い道にうるさいブッダと、聖人のわりには女子高生に「あの人超ジョニー・デップに似てる」と言われ喜色満面になったりしているイエスの二人が現代社会の悩める人を救うこともなく、むしろ自分たちが悩みまくる超絶コメディ。
しかしこれ怒られないんでしょうか。いろんなところから。

とりあえず、発売以来ヤケに売れています。神は偉大だ。

(H)

January 21, 2008

なんだったんだ?7DAYS

最初ちいとも売れなかった「哲学フェア」ですがここに来てポツポツ売れ出しました。
一番売れているのがウソみたいな話ですが、『中退アフロ田中』です。
店長になって9年目、なんだかはじめて「お客様とわかりあえた」気がいたします。いや、単なる思い込みだと思いますが。
ちなみにPOPにはこう書いています。

「どのAVを借りるかという田中の悩みは、人類共通の“選択する”悩みである」

その他では、

○『超人計画』滝本竜彦(角川文庫)
○『孤独な散歩者の夢想』ルソー(新潮文庫)
○『じぶん・この不思議な存在』鷲田清一(講談社現代新書)

あたりがポツポツ売れているようです。
あ、S君推薦の「はみだしっ子」も売れていました。ありがとうございます。

    
紀伊国屋書店さんが品切れになっていた文庫を復刊させる「絶版文庫復刊フェア」というのをやってると聞き、性懲りもなく真似をして仕入れてみました。

ただし、ウチでやってるのはハヤカワ文庫だけです。
しかも期間限定。
2/3には撤収させていただこうと考えておりますので、ご興味のある方は早めに見に来てください。

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「あ、これも品切れだったんだ」とちょっと意外だったのがこれ。

○『ソングマスター』オースン・スコット・カード

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人々の心の琴線に触れ、凍りついた涙さえ溶かし、心を奥底からゆさぶる“魂の歌い手”ソングバードを求めて、若き恐怖皇帝ミカルはソングハウスを訪れた。だが、ソングバードが見つかった時にはミカルは老境に達してしまっていた…。

 
かつて若かりし頃、ある集まりで知り合った女の子が本好きとわかり、何かオススメの本はあるかと尋ねたところ返ってきた答えがこれでした。
翻訳SF苦手でしたが、読みましたね。一生懸命。
まあ読んでたら途中から面白くなってきて最後までちゃんと読めて、しかも結構面白かったのでよかったのですけど。
で、さっそく感想をネタに…と話しかけてみましたが、彼女はSFには興味があっても不純な目的でSFを読む男は興味なかったのか、業界用語でいうところの品切れ再版未定保留できませんごめんなさい、みたいな対応でえらい寂しかった、そんな私の薄汚れた思い出が詰まった一冊です。
今考えると彼女とは会話のキャッチボールどころか、自分で投げたボールを自分で取りに行ってたような気がいたします。
思えば“KYON2”という単語はあっても“KY”なんて単語はどこにもなかったゆるい時代でした。
若いうちはいろいろ読まないといけませんね。空気もSFも。

(H)

January 14, 2008

哲学フェア開催中

「哲学フェアをやろう」
と店長が言い出したのが去年の暮れ頃でした。

それ面白そうですね、と賛同すると、君が選んでいいよ、と言われたので、思いつくままに哲学本を挙げて表を作りました。

できあがったものを眺めてみて……あんまり売れそうにありません。というか、自分も内容が理解できないような難解なものばかり。見栄を張りすぎました。誰に。

店長も同じ感想で、「君のはちょっと固いね。もっとやわらかめのを入れてみたら」と言われました。
その例として『中退アフロ田中』を出されたときはやや驚愕しましたが、つまり「なんでもアリ」だということがわかり軽いエッセイや小説、さりげなくマイベスト本を差しはさんだりしながらセレクション、結果、素晴らしいラインナップができあがりました(自画自賛)。
この棚をそのまま家に持って帰りたくなりましたが正月中怠けた体を壊すといけないのでやめておきました。

さて素晴らしい(二回目)哲学フェアの中でも私のイチ押しは、エッセイでも小説でもなく、少女マンガです。

○「はみだしっ子」三原順(白泉社) 全6巻

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親に見捨てられ、自分の居場所がなくて家出したグレアム、アンジー、マックス、サーニン。少年たちの愛を探す旅を描く名作センシティブ・ロマン!

1975年初出のシリーズですが、ここに描かれてあることはまったく色あせておらず、私たちの胸に迫ります。普遍的な概念を扱っているからです。「家族」「自己」「罪と償い」。軽いテーマは一つとしてありません。そこが本格哲学マンガたるゆえんといえましょう。
さらりと読めるものではありませんが、起伏に富んだストーリーの面白さは抜群です。この機会にひとつ、コタツに入りながらじっくりと読んでみるのはいかがでしょうか。

その他にも「キモい! でも泣ける」ひきこもりエッセイから、哲学系SF、ほのぼの猫エッセイまで、硬軟重軽そろえてお待ちしております。全作立ち読みできますので、お立ち寄りの際には是非ご覧ください。

(S)

January 11, 2008

七つの神々をめぐる

「草思社、民事再生」のニュースはショックでした。
かつてあれだけベストセラーを出していて、最近でも大ベストセラーまではいかなくてもチョコチョコ売れる本をコンスタントに出している出版社が理由がなんであれあんなことになると、書店としては未来を考えて暗欝な気持ちになってしまいます。

まああまりクヨクヨしててもしょうがないので、

「そういえばX JAPAN再結成のニュースはどうなったんだろう、やるとするならTOSHIはまだあの声が出るんだろうか、みんなもう40ぐらいだけど髪の毛は染めるんだろうか」

と現実逃避して気を紛らわすことにします。

   

さて、初詣に行かれた方も多いかと思いますが、泉麻人がこんな本を出しています。

○「泉麻人の東京・七福神の町あるき」

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七福神を司る社を全部お参りすると縁起が良くなる、という七福神信仰は日本人のあいだで結構根強いものがあるみたいで、新聞の初詣ガイドなどにはよく「○○七福神めぐり」というコース案内があります。
また、はとバスにも「七福神めぐりツアー」は定番コースとして用意されています。
そんな七福神というのは浅草とか有名どころじゃなくても案外その辺にあって、普段絶え間なく都内を動く人々から見落とされたままひっそり祭られていたりすることがわかります。

たとえば小石川七福神なんていう、それはまたずいぶんと文京区の一部に限定した七福神があるなあと思ったらここの福禄寿は東京ドームシティのジオポリスの中にあったり、港七福神は元麻布ヒルズと東京プリンスホテルパークタワーといった高級マンション街の中をうねうね廻ったり、いろんなところに七福神は祭られてるものだなあというのがわかります。

ちなみに山手線の駅にもある恵比寿は七福神の恵比寿様から来ているのかと思ったら、ちょっとぜいたくなビール会社の工場があったからだそうです。
もっともビール会社の名前は神様からつけたと思うのですけれど。ねじれてるなあ。

しかし泉麻人はもともとサブカルチャーに精通した文化人という位置づけだったような気がするんですけれど、気がつけばすっかり町をブラブラするオジサンになりました。
そんな泉麻人の次の新刊は、中年オヤジがもう一度青春を取り戻そうとする、「青春オヤジ小説」だそうです。
題して『キサナドゥーの伝説』(文藝春秋・1月下旬発行予定)
いい書名です。
最初に聞いたとき、ディスコ文化の変遷をたどるノンフィクションかと思いました。

細かい内容はこちらで。
http://www.bunshun.co.jp/book_db/3/26/72/9784163267203.shtml

   

店頭では今、一度だけこのブログにも登場したバイトのS君が選書した『なんのために生きているのか~哲学フェア』を実施中です。

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といってもちゃんと哲学っぽいのはルソーの本と岸田秀くらいで、なんでこれが?というような本も結構入っています。
なんでこの本が「哲学」か、それは店頭でS君が書いたPOPを見てご確認ください。
近々本人がここで紹介すると思います。

とりあえず

「店長、哲学の本って何かありますか?」

と聞かれたので

「『中退アフロ田中』だな。あれは人生の深淵が描かれている」

と答えたらちゃんと入れてました。

ルソーとミラン・クンデラと本田透と「アフロ田中」が一つに収まってる棚はそうそうないと思いますが、ちょっと異様でもあります。まあやっちゃったもんはしょうがない。

(H)

January 07, 2008

2008年です

2008年になってもう1週間が過ぎもうとっくに仕事始めも過ぎている今日この頃ですが、なにはともあれあけましておめでとうございます。

昨年は1月3日から営業を始めましたが、あまりに泣きたくなるような売上だったので今年は4日から営業を始めさせていただきました。
ようやく今日くらいから平常に戻った感じです。
遊園地や観光地が「休日にお金を落とす場所」であるのに対し、町の本屋というのは「平日にお金を落とす場所」であるというのをつくづく実感いたします。

さてお正月にお節を食べた方も多いと思いますが、こんな本があります。

○「普通の家族がいちばん怖い―徹底調査!破滅する日本の食卓」岩村暢子(新潮社)

  Photo

223世帯のクリスマスと正月の食卓の風景を調査することで、一般の家庭では実際何が食べられてるのか、その結果何が見えてきたか、というリポートの本です。
たとえばクリスマスになんらかの飾り付けをしている家庭は調査対象のうち約9割(!)、クリスマスに鶏モモ肉を買ってる家庭は約4割、正月に雑煮を食べている家庭は約8割…といった具合に数字でデータを紹介しながら、じゃあ雑煮を食べてない2割は何を食べてるの?というところもひとつひとつ内容を見ていくことで、良くも悪くも現代的な家族風景が見えてくる内容です。

具体的には元旦の朝食がコーンフレークの家もあると聞いて「ま、そんな家もあんじゃないの」と思うか、「えー!そんな家あるの!?」ってなるかは読む人の「普通の食卓」に関する固定観念次第なので、本のオビには『養老孟司、驚愕!』とか『上野千鶴子、震撼!』とかやたら扇情的なコピーがついてますが、その辺は人それぞれだと思います。
まあ、親が子供の夢を大事に育てた結果、18歳になってもサンタに手紙を書く大学生がいるという話はちょっと驚きましたが。

結局、「普通でいいよ」といいながら何が普通なのかよくわからない、そんな世相が透けて見える感じがします。

そんな私は元旦にお節を作ることも食べることもなく、コタツで実業団駅伝を横目にいそいそと餃子を作り、せっかく買ってきたショウガとニンニク余らせてもしょうがないな、いいや全部入れちゃえとかやった挙句、すさまじい毒ガスの素みたいな食べ物をこしらえてしまい、泣く泣く一人で食べたりして正月もへったくれもない食事をしていました。
そして気がついたら体重2キロ増。あああ。

そんなわけで今年もよろしくお願いいたします。

(H)

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