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November 2007

November 24, 2007

台風一過

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えー、「ミシュランガイド東京」はございません。
申し訳ございません。
ほらお前も陽気に手あげてないでいっしょに頭下げろ。

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予想をはるかに上回るレベルでメディアでとりあげられたため発売当日は書店もバタバタでしたが、あれに紹介されたお店も予約の電話でバタバタみたいですね。
本の発売それ自体がニュースになった最初の例、5年前のハリーポッター第四巻発売時を思い出しました。

かつてこの日本版が出たときもちょっとは話題になったんですけどね…。
ミシュランに関係あるのかないのか、今日売れてました。

○ザガットサーベイ 東京のレストラン〈2008〉

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ミシュランはこれから毎年出るのでしょうか。
そして5年後はどうなってるのでしょうか。
わかることはあと何十年かしたら作られるであろう、「実録平成の日本」あるいは「週刊平成タイムズ」の「平成19年」の中に「ミシュラン日本版が発売、たちまちベストセラーに」というトピックが入ることだけです。

ちなみにこんな本も置いてあります。

○「バカ盛り伝説デラックス!!首都圏版―あきれたグルメガイド 」

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そういえば先日ヒマにまかせて「アサヒ芸能」を読みふけっていたらジャイアント白田氏のインタビューという大変興味深い記事が載っており、それによると

・白田氏はふだんそんなに食べない。食事は定食屋の通常の食事1人前程度。
・大食いは「がんばって鍛えれば食べられる」からやってるだけであって、毎食大食いしているわけではない。
・けれど最近はどこに行っても「白田君はこのぐらい食べるでしょう」と尋常ではない量を勝手に用意され、断りきれなくて食べるのが辛い。
・10キロの食事を完食しても体重は10キロ増えない。増えるのは9キロぐらい。そこから少しずつ出てって、毎日ちょっとずつ体重が減っていきそのうち元の体重に戻る。

のだそうです。
なんだかいろいろ気の毒になりました。
まあ白田氏は今後テレビの大食い番組には出演しないで実業家を目指されるということなので、そちらの方でがんばっていただきたいと思います。
とりあえずギャル曽根は意外に食べ方が奇麗なので好きです。

(H)

November 21, 2007

雑文

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さぬきうどんを食べに、香川県へ行った。
香川は中学の修学旅行で行ったきり、19年ぶりである。
当時は瀬戸大橋が開通したばかりだった。
修学旅行から帰ってくると、担任の先生が配ったプリントにみんな感想を書かされた。
その中に「瀬戸大橋について」という項目もあった。
確か私はこんなことを書いたはずだ。

「バスで渡るのに10分以上かかりました。こんな長い橋は初めて渡りました。作った人たちはすごいなと思います」

「少年ジャンプ」とプロレスと野球しか知らない14歳に他にどんな感想を求めていたんだろう、ハヤシ先生?
まさか、

「政府と自治体と土建業者が経済利益を第一に考えて何十年がかりで作った、このわが国最大の建造インフラは中国・四国地方の経済の流れを変えると同時に建造にかかわる巨額の負債を後年にツケ回すことで、正負双方の面で我々の子孫に大きく影響を与えることになると思います」

とでも書けばよかったのだろうか。
結局あれは「デッカい橋ができた!」って浮かれてただけなんだろうけど。
ちょうどバブルのまっただ中だったし。

瀬戸大橋が完成する少し前、国鉄がJRに民営化した。
国鉄という一つの塊だったものを分社化した結果、JRの中でも儲かるところと赤字ばかりのところがハッキリできてしまったという。
儲かるところというのはJR東日本と西日本、そして赤字がJR北海道、四国、九州(JR貨物も赤字という)。
消費人口が多い大都市を抱えるところは儲かって、路線が長いわりに人口が少ないところは赤字。
わかりやすい話だ。
このままでいくといつか四国に鉄道はなくなるのかもしれない。

高松でうどんを食べ、丸亀商店街を見て、琴平へ向かう。
いくつもの町を通り過ぎる。
四国は山と海が近い。
海沿いからそう遠くない道路のすぐそばに山が迫る。山の向こうには秋の雲。そんな風景がずっと続くと突然現れる巨大な電飾看板の群れ。
三浦展言うところの“ファスト風土”な景色が抜けると、また何も無い風景が待っている。

山あいのトンネルを抜け、広大な畑の中にシャッターを降ろした商店が連なるどこかの町で信号待ちをしていると、すぐそばに営業している本屋が見えた。
白地に黒のゴシック体で大きく店名が書かれた看板、横に長い平屋建ての店舗の前には6台くらいの駐車スペースがあるが、止まっている車はいない。

店の外に雑誌が並んでいるのは全国どこへ行っても変わらない中小書店の法則だ。
だがその店の外観を占拠する雑誌スペースのうち、右半分は「少年ジャンプ」「ビッグコミック」「週刊文春」といった通常の週刊誌だったが、左半分は赤と黒を基調とした配色の成人雑誌でまるまる占められていた。
「少年ジャンプ」のすぐ近くに並べられた「母子相姦」というタイトルを眺めているうちに、信号が変わって車は動き始めた。

趣味の悪い本屋などと言うつもりはない。
成人雑誌はうちの店でも売っている。
東京都だったら、子供への影響を考えろ、もうちょっと区別陳列しろ、と言ってくるだろう。
けれどそれはあくまでこっちの論理だ。
私が子供の頃はほとんどの書店が成人雑誌も一般雑誌もいっしょに並べていた。
店主の目をかすめてそういう雑誌を覗いている子供もたくさんいた。
けれど我々の世代はそんなに悪影響を受けたのだろうか。
最初からそういうものだということになってれば、子供もそういうものだと認識する。
ここでは良くも悪くもこういうものなんだろう。

あの店はいつからやっているのだろう。
今日は何時まで営業するのだろう。
店主が一人で開けているのだろうか。
昨日は何人くらいお客が来たのだろうか。
一番お客が多かったのはいつごろだろう。
商売を続けていて楽しかったことはどんなことか、つらかったことはどんなことか。

あの書店がどういう店で、いつからやっていてどういう経過を経て今に至ったかはわからない。
ただ、水が上から下に流れるように、店の顔は変わっていく。
余所者の私はその流れを想像する。

琴平に着くとお参りに行くには遅い時間になっていたので、参道やその近くをプラプラ歩いた。

泊まる宿でもらったガイドマップによると「昔ながらの商店街」という、参道からほど近い商店街に行ってみる。
土曜日の夕方、商店のほとんどがシャッターを降ろしている。
通り道になっているのか、アーケードの中をひっきりなしに車が通る。
開いていたのは肉屋、八百屋、薬屋、土産屋、うどん屋。
どの店も建物も内装も働いている人も昭和の頃から変わっていないであろう商店街。

季節外れの蚊取り線香と、ヤカンと洗面器が並ぶ一軒の雑貨屋の前で足を止める。
顔中シワだらけの、白髪も薄くなった老人が店の奥でイスに座ってラジオを聴いている。
彼はきっと今日一日、昨日も一日、あるいは去年も十年前もずっと、ああやってイスに座ってお客を待っていたのだろう。
ただ座って時間が経つのを待つという時間は、想像する以上に過ぎるのが遅い。
毎日何かしらやることがある、あるいは時間に追われるように働く我々からすると気が遠くなるくらい遅い。
けれど本来「スローライフ」とはこういうことなんだろう。
彼の過ごす長い一日を、長い一年を想う。

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傷つきやすい若者が今日もどこかで歌っている。

「ナンバーワンになれなくてもいい/もともと特別なオンリーワン」

自分をオンリーワンで見て欲しいという人たちが、消費にかけてはナンバーワンを要求する。
“あっちはあっち、こっちはこっち”世界の崩壊。
ナンバーワンはショッピングモールとインターネットの向こうできらびやかな光を放っている。
もう「街」は必要とされないのだろうか。

地方の自治体が市民のことを考えたときに、税金でスターバックスやブルガリを呼ぶことは間違っていないと思う。
けれどその過程で振り落とされる、名もなき商店の群れのことがどうしても喉につかえて飲み込めない。
間違ってはいない。
間違ってはいないのに、飲み込めない。

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http://www.yosensha.co.jp/products/9784862482013/

November 15, 2007

初版は昭和30年5月の発売でした

遠藤周作の「わたしが・棄てた・女」は、もっと若い頃に、二十歳くらいのときに読むと一番よかったんだろうなあ、そんな小説でした。
今の若い人たちにとっては「DeepLove」とかがこれに近いんだろうな、とか。
余計なお世話ですが。

実際、「わたしが・棄てた・女」は発表当時は“通俗小説”と呼ばれて一段低く見られていたそうで。
「あの時代の当たり前の価値観」がいまひとつ体感できていない人間からすると、いろんな面で適当で、牧歌的で、前時代的であると同時に今では考えられないぐらいピュアで温かみがあるなあという感覚がぬぐえませんでした。
そしてどんな時代でも、男はバカだなあと。

…しかし隣に並べている「青春の蹉跌」と丸被りだ。いろんな点で。

そういえば文春文庫からもあの「されどわれらが日々―」(柴田翔)がリメイクされました。
なんなんでしょうこのタイミング。

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これを機に昭和純文学のブームが来たら面白いですが。
案外、

<『こんな胸が痛くなる小説を私は今まで読んだことがありませんでした』(長澤まさみ)>

なんてオビをつければいきなりパーっと売れるような気もします。
まあ、そうやってケータイ小説のオビはタレントばっかりになってんですけど。

あ、言うまでもなく↑のコメントは架空ですので。まさみ嬢のコメントは「恋空」についております。

さて、「広辞苑」新版が来年1月に発売になります。

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  http://www.iwanami.co.jp/kojien/

ひょっとすると紙で出る最後の広辞苑になるかも、などと言われてたりもしますが、この「広辞苑」のご予約いただいた方にいくつかキャンペーンをやっております。
その内容が何かと申しますと、申し訳ありませんがお店でご確認ください。
まあ、あんまりどこででもやってる予約特典ではないと思います。

先日出席した出版関係の勉強会によると、「出版」というのは「情報伝達メディアの一形態でしかなく、“たまたま今の段階では”紙にコンテンツを印刷したもの及びその流通を指してるにすぎない」そうです。
なので今後は「文字情報ビジネス」が「出版ビジネス」全体を取り込むのであろう、という話でした。
しかし「いつでも書き換え可能」なウェブ情報は「紙に定着した」出版物に対して絶対的に信頼性で劣るので、どんなにウィキペディアが進化したところでそれは『広辞苑』の代わりになりえることはなく、広辞苑とウィキペディアそれぞれの長所をユーザーが把握して使い分けることが求められる、そういうことになっていくのだと思います。

といったところでウィキペディアで「広辞苑」をひくと、編者として名前が大きく出ている新村出が最初はイヤイヤ始めたとか、もともとは「辞苑」だったとか、そんなことがつらつらと書いてあります。
なので「広辞苑 第六版」が出た暁には「ウィキペディア」の項目になんて書いてあるのか確かめてみたいと思います。

(H)

November 10, 2007

10月のセールスランキング

10月セールスランキングをアップします。

【一 般】   
 
1 ホームレス中学生   田村 裕 ワニブックス
2 求めない           加島 祥造 小学館
3 いつまでもデブと思うなよ 岡田 斗司夫 新潮新書
4 おひとりさまの老後   上野 千鶴子 法研   
5 女性の品格           坂東 眞理子 PHP新書 
6 世界一やさしい問題解決の授業  渡辺 健介 ダイヤモンド社
7 つくもがみ貸します    畠中 恵 角川書店 
8 江原啓之 本音発言   江原 啓之 講談社
9 「1日30分」を続けなさい! 古市 幸雄 マガジンハウス
10 クライシスコア-FF7-アルティマニア  スクウェアエニック

【文 庫】

1 平20年度 六星占術(七種合計) 細木 数子  ベストセラーズ
2 探偵ガリレオ             東野 圭吾  文春文庫
3 犯人に告ぐ (上)         雫井 脩介 双葉社
4 水滸伝  13 白虎の章     北方 謙三 集英社
5 犯人に告ぐ (下)           雫井 脩介 双葉社
6 予知夢              東野 圭吾  文春文庫
7 インド式かんたん計算法         ニヤンタ デシュパン 三笠文庫
8 キノの旅  11         時雨沢恵一 電撃文庫
9 マリア様がみてる 薔薇の花かんむり  今野 緒雪 集英社コバルト文庫
10 天使の梯子           村山 由佳 集英社文庫

 【コミック】   

1 HUNTER×HUNTER  24 冨樫 義博 集英社
2 CLAYMORE  13      八木 教広 集英社
3 BLEACH-ブリーチ-  30    久保 帯人 集英社
4 名探偵コナン  59          青山 剛昌 小学館
5 銀魂  20           空知 英秋 集英社
6 21世紀少年 下          浦沢 直樹 小学館
7 ×××HOLiC  12     CLAMP 講談社
8 BLACK LAGOON   7 広江 礼威 小学館
9 ホタルノヒカリ  10         ひうら さとる 講談社
10 ハヤテのごとく!  13     畑 健二郎 小学館

「ホームレス中学生」があいかわらず売れ続けております。
気がつくとオビの推薦コメントが麻生太郎になっていました。

『家庭にも“突然の解散”があるとは』

よくこう気が効くコメントが出てくるもんで。

最近は多くの書店が自店販売ランキングをこうして出していますが、「雑誌販売ランキング」というのはあまり見ません。
たぶん毎回同じような顔ぶれになって出したところで変わり映えしないからじゃないかと想像するのですが、せっかくだから調べてみました。
といっても月に4回、多いと5回出る「少年ジャンプ」と月に1回しか出ない「小学一年生」を同じ土俵で戦わせるのもフェアじゃないので、週刊誌と月刊誌で見てみます。
月二回出る雑誌は2号分の平均値で出してみました。

 <週刊誌>

1、少年ジャンプ
2、週刊文春
3、週刊新潮
4、少年マガジン
5、昭和タイムズ全国版 ←これを週刊誌に入れていいのか悩みますが
6、少年サンデー
7、週刊朝日
8、女性セブン
9、TVガイド
10、女性自身

<月刊誌>

1、きょうの料理
2、ビッグコミックオリジナル ☆
3、文藝春秋
4、月刊ザ・テレビジョン
5、Oggi
6、TVnavi
7、CanCam
8、ちゃお
9、ポポロ
10、オレンジページ ☆

☆は月2回発売になる雑誌

こうやって見ると週刊誌は男性向き、月刊紙は女性向きのモノが強いなという印象を受けます。
まあ、今はどのジャンルの雑誌も細かく分散化しているので、マジョリティの話になりますが。

同じように商店街で書店を経営している人と前話したときにわかったのは、ウチは「ジャンプ」が標準より売れてて「ちゃお」が標準より売れていない、ということでした。
たぶん本屋の立地と、「その本屋以外で他に雑誌を買う場所が近くにどれくらいあるか」によって決まるんだと思います。

このランキングには載りませんでしたが、雑誌でいま売れているのは「BRUTUS」10/15号(「特集 言葉の力」)です。

もう2回追加注文して仕入れましたが、まだ売れ続けています。

  Photo

http://www.brutusonline.com/brutus/issue/index.jsp?issue=626

「私はぞうきんになりたいね

 ぞうきんになって
 
 私の汚れた一生を磨きたい」

という高銀氏の詩にドキッとしました。
ジョン・レノン、ボブ・デュラン、尾崎豊、ケネディ、ジム・モリスン、中原中也…。
言葉の持つ鋭さを今一度思い知らされる特集です。

けど猪木はなあ…どうなんだろう猪木。元気ですか。人生のホームレス。

(H)

November 03, 2007

まちの本屋の文庫フェア

3年前から、NET21という中小書店のグループに加入しています。

http://www.book-net21.com/

今は何をするにでも小さな単位より大きな単位の方がコストを少なくできることが多いので、経営者の違うあちこちの本屋が寄り添って協業化できるところは協業化しましょう、そういう組織です。
時々業界紙などに「中小書店の希望の光」的書かれ方をすることがありますが、あまりに昨今街場の本屋に関して暗いニュースばかりが取り上げられるためその反動でやや過大な期待をされている、というのが実情のところです。
実際は「利害関係がない同業者なら一緒にできるところは一緒にやりましょう」というだけであって、一緒にできたところでどうしようもない部分はたくさんあります。

まあそんな内輪の話は置いといて、そのNET21に加入する全国(といっても北は茨城から西は岡山までですが)の書店の売り場担当者が「この本はおもしろい!」と推薦する本を集めたフェア、「まちの本屋の文庫フェア」をやっております。

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実は去年もやったので今年で2回目なのですが、今回はいくつかのテーマに沿った本を並べています。

テーマは、

「僕は正直、知りませんでした ~傑作ノンフィクション」
「小さな踏み台、大きな跳躍 ~私を導く本」
「あの頃が、僕らを呼んでいる ~青春のバカヤロウ」
「非日常さえも、超えています ~異世界・ミステリー・ファンタジー」

の4つです。
なんだかえらく気が効いたタイトルがつけられていますが、これは私がネーミングしたわけでなく、武蔵小杉の歩きながら本を読むのが特技な書店員の人が考えたもので、店頭で無料で配布しているプロ顔負けの小冊子は新小岩の書店員の方が作ってくれたものです。
こういう感じでそれぞれ得意な作業を分担してやれるのがグループの良いところではないかと思います。

ちなみに私の仕事は会議の場を提供することと、お茶を出すことと、茶々を入れることと、尻を叩くことでした。いや重労働だった。

各テーマごとに10冊の選書があります。
どんな本が入っているかはぜひ店頭でお楽しみください。
開催は12/31までです。

推薦コメントを読んで個人的に読んでみようかな、という風に思ったのは、「あの頃が、僕らを呼んでいる」に収められている遠藤周作の「わたしが・棄てた・女」(講談社)でした。
感想はまた後日。

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同時にアンケートも募集しています。
店頭の本にアンケート用紙が挟まっていますので、よろしければお買いになったあとご記入いただき店頭ポストまでご投函ください。
抽選で100名の方に図書カードが当たります。

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(H)

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