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November 2006

November 28, 2006

美しい国


懇意にさせていただいてる千駄木の往来堂さんは、開店10周年を迎えられたそうです。おめでとうございます。
http://d.hatena.ne.jp/oiri/20061018

さてウチは今何周年なんだろうと調べてみたら、昭和32年12月25日開店なので、来年で50年を迎えることがわかりました。
そんなやってたんですね。
とても身内が言うセリフではありませんが。
知らなければ知らないままでしたが、知ってしまった以上、来年は何か考えたいと思います。

それにしてもクリスマスに開店とは、うちの創業者も思い切ったことをしたものです。
それとも何か理由はあったんでしょうか。
今度調べてみたいと思います。


さて、脳を鍛えたりえんぴつでなぞったりする本がひと段落ついてきた先日、こんな本が入りました。

○Japan Travel Guide 日本名風景案内(プチグラパブリッシング)

Japantravel

http://shop.petit.org/?pid=2397814


”今、日本の美しい風景とはどこだろうか。”というテーマをもとに、6年の歳月をかけて選定され、2005年の愛知万博事業「日本の風景100選」で発表された日本全国103ヶ所の風景を美しい写真で紹介、現地へ足を運ぶための旅行情報を集録したガイドブックです。
”忙しい人の旅”、”ふるさとの味を知る・ご飯編/汁物編”、”安眠できる宿の見つけ方”などのコラムも充実。
海外旅行も疲れるし、かといって日本の古い歴史を紐解くのも・・・と思う世代から、人間の中で最も活動的な中高年の方々に向けても楽しんでもらえる、日本の美しさをもう一度その目で見て、歩き直して知る、一冊になっています。

たぶん、こういう本は前にもあったと思います。
しかしたとえ前に同じような本があっても内容がよければ、本屋はそういう本を前に出したいと考えます。
この本はそういう類の本です。
すごくキレイな作りをしており、最初から表紙にビニールカバーがついて汚れないようになっています。
こういう本は買って何年か経っても、捨てたり売ったりしにくいんじゃないかと思います。

それにしても改めて見返すと、日本は山と田んぼが美しい国だなあと実感します。
もちろん海や川も美しいのですが、特に山と田んぼに目を惹かれます。
それは私がずっと山も田んぼもない土地に暮らしていることと、いくぶん関係あるのかもしれません。


(H)

November 23, 2006

奮闘中

初めて書店で行うフェアの担当を任されてみました。
どうにもこうにも大苦戦です(+_+;)
クリスマス向けのフェアということで、「ちょっと心暖まる本」を集めてみようと思ったまではいいのですが、日頃から偏った本の読み方をしているので、たくさんの人に薦められる本を選ぶということがこうも難しいものかと頭を悩ませています。
ここは、たくさんの人からお薦めの本を聞きだして並べれば間違いないのではないか!というひらめきのもと(けして手抜きではない)、何人かの友人にお薦めの本を聞きました。
一番初めにメールの返事をくれた友人の本文には一言「稲中」とだけ書かれていました。協力してくれる気ゼロです。たしかに面白いけど今回は違うよね・・。
次に返事をくれた友人のメールには「東野圭吾の『手紙』が面白いらしいよ!」と・・・協力してくれようという気持ちは伝わったが、もはや『手紙』は何もしなくても売れているのでごめんなさい。
次に届いたメールには「みんなのお薦め本を私にも教えて!」と(-△-)もういや!
私の友達にはろくなのがいない。
ということで自力で頑張ること決定。
昔読んで感動した作品をいくつかと、ジャケットがかわいい本などをセレクトしながら、せっかくだから何か一冊新しく読んでみてよかったらフェアに加えてみようと!と思いたち、本を選んでみました。
題名のかわいさと気になっていた作家だったので、いしいしんじの『プラネタリウムのふたご』を購入してみました。
プラネタリウムのふたご/いしいしんじ/講談社
Puranetarium

だまされる才覚がひとにないと、この世はかさっかさの世界になってしまう。
―星の見えない村のプラネタリウムで拾われ、彗星にちなんで名付けられたふたご。
ひとりは手品師に、ひとりは星の語り部になった。
おのおのの運命に従い彼らが果たした役割とは?こころの救済と絶望を巧まず描いた長編小説。

まだ読み終わってないのですが、久しぶりに物語のような文章の本を読んですっかり世界にはまってしまいました。ということでフェアに並ぶことはほぼ確定です。
「感動して涙が止まりません」系の本というよりは、読む人ひとりひとりがそれぞれの心になんだか響いて暖かくなれるような本を集めたいと思います。
そしてばかな友達たちに自力で頑張ったぞと報告しようと思います。
W

November 14, 2006

買い物の気持ち

このところ知り合いの方に「これはいいよ!」と薦められた本がイマイチだったことが何回か続きました。
その一方、今までの自分の読書傾向ではまず手を出さなかったような本をちょっとしたきっかけで読んだところすごく面白くて、もっと早くこういう本を読んだらよかった、ということがありました。

日頃我々(この場合書店も出版社も)は「この本おすすめ!」とか「絶対号泣!」といったPOPや宣伝コピーを臆面もなく使っていますが、その薦めた本が先の私の事例のようにイマイチであったら買った人は次からはその文言を鵜呑みにすることなく、慎重になるでしょう。
できたら後の事例のような「ちょっとしたきっかけ」で気になった分野の本を常に取り揃えておけるような本屋になりたいと思いますが、それをかなえるにはもっといろんな努力が必要なわけで、なかなか難しいのが現状です。

なにしろ、
「書店を経営してますが儲かりません。どうしたらいいですか?」
という質問に
「セブンイレブンかマクドナルドに又貸ししなさい」
と答えたという話が全然笑えない業界です。
たよりない店主としては常にあちこちにアンテナはって考え続けたいと思います。


余計な前フリが長くなってしまいましたが、ちょっと「グッとくる題名」の本が入ってきました。


○「おまけより割引してほしい ―値ごろ感の経済心理学」徳田賢二(ちくま新書)
Omakeyori

この本では商品の価値を費用(金額以外にも手間なども含めた意味でのコスト)で割った数値を「値ごろ感」という言葉に置き換え(よく言う『お得感』とは微妙にニュアンスが違うようです)、それの変動を見ることによって消費行動を解析しています。

具体的に吉野家が例のBSE輸入禁止による牛丼騒動の前、並の価格を280円にしたのは300円台と200円台ではまったく効果が違い、290円と280円ではさらに違ったが、280円と270円ではあまり違いが出なかったので「280円」になった、という話が紹介されています。

タイトルにある「おまけより割引してほしい」の説明は、我々の心理には常に「失いたくない」という心理バイアスがかかっていて、割引はお釣りを戻す分そのバイアスをやわらげるがおまけはそのバイアスをやわらげない、とのことなんだからだそうです。
クレジットカードで2万円買うのは平気でも財布から2万円出て行くのに抵抗感があるのもそのためだ、とか。

商売人としても、また消費者としても興味深い内容です。
もっとも、どんなに効果があるとわかっていても本は割引できませんが…。

(H)

November 08, 2006

人生は悩みの連続である


11月に入ってかなり肌寒くなってきました。
このところ「のだめカンタービレ」と、東野圭吾「手紙」と、「世界の日本人ジョーク集」ばかり売っているような、そんな店頭風景です。
映画化、それに合わせての文庫化と「手紙」はまず売れるだろうと思ってましたが、ここまで売れるとは思いませんでした。
まだ映画は見ていませんが、あのストーリーで小田和正の「言葉にできない」をBGMに使ったらそりゃあまず泣くだろう、という気がします。あれはずるい。あれは反則です。
TBSも罪な映画を作るものです。


このところいじめの問題がメディアでクローズアップされているのでそれに関したことを途中まで書いていたのですが、読み返してみるとあまりにもドス黒くて読んだ人の気分がまず沈みそうな内容になっていたので、それはボツにしてもっとどうでもいい本の紹介に充てることにします。
そもそもそっちがこのブログの本義ですし。

というわけでこんな本を。

○「がぶ呑み人生相談」明川哲也(情報センター出版局)
Gabunomi


最初著者を見て「子育てハッピーアドバイス」の人が今度は人生相談も始めたのか、と思ったらあちらは明橋大二さんでした。「明」しかあってませんね。いいかげんなものです。

でもどっかで見た字面だな、と思ったら朝日新聞で人生相談をしている、元叫ぶ詩人の会のドリアン助川さんでした。一時期はTETSUYAさんだったような。また改名したんですね。

「人生相談ばかり任されて、俺は俺の悩みを誰に相談したらいいんだろう?
そうか、自分で回答すればいいんだ」
と、自分に相談して自分で回答する変わった人生相談本です。

Q,「先日ある女性と中華料理を囲んでいたところ、食事の途中でトイレに立った彼女の皿を見て驚きました。彼女が半分ほど食べてしまったその皿の中にチャバネゴキブリが入っていたのです。店にたいして猛烈な怒りが沸いてきた半面、ここで騒ぎを起こしてしまってはかえって彼女にショックを与えてしまうと思い、慌てて灰皿に捨てて、トイレから戻ってきた彼女に何も伝えずすぐ会計に向かったのですが、私の対応は正しかったのでしょうか」

という質問に対する回答が奮ってます。
まあ答えるのは本人なんですが。
どう奮っているかは、読んでみてご確認ください。
やっぱりパンクだなあ、金髪先生。

(H)

November 02, 2006

歴史の舞台裏

同じ書店グループの仲間である西荻窪の今野書店さんより、三浦しをんさんのサイン本を分けていただきました。
直木賞受賞作の「まほろ駅前多田便利軒」、朝日新聞に連載されていたエッセイ集「三四郎はそれから門を出た」、箱根駅伝を題材にした青春小説「風が強く吹いている」の3冊がございます。
店にあるだけですので、お早めにどうぞ。

Vfsh0072


だいぶタイミングを逸しましたが、日本ハムファイターズ優勝、そして日本一おめでとうございます。
後楽園球場を本拠地にブリューワ・パットナム・古屋がクリーンナップを打っていた時代から日本ハムファン一筋の友人がいるのですが、さすがにファン歴21年目にして初の優勝は格別だったようで、当日は歓喜にむせび泣いたようです。
中日ファンの方には申し訳ないですが、今回は日本ハムが勝ってよかったなあと思ってしまいました。
そんなわけで日本シリーズ特集の「Number」、絶賛発売中です。

一方、そんな沸き立つ北海道を尻目に先月ひっそりとこんな本が出ました。

○「Gファイル 長嶋茂雄と黒衣の参謀」/武田頼政/文芸春秋
Gfile


ジャイアンツの監督に復帰した長嶋茂雄の裏には、マスコミはおろかチーム内ですら限られた人間しか知らなかった、ある一人の参謀がいた―。
「GCIA」なる情報機関を創設し、真の長嶋政権を実現しようとした男・河田弘道。
読売ジャイアンツという巨大組織の一大改革に挑んだ4年間の記録がここにある。


白鳥は、悠然としたそのたたずまいとは裏腹に水面下では激しく足を動かしているとよく言われます。
我々野球ファンがTVなどのメディアで見ている野球が水面の上だとすれば、水の下で行われていることがいかにえげつないやり取りにあふれたものなのか、この本は教えてくれます。
TVと新聞の結果やリポートだけで野球を見てきた人は、間違いなく価値観が変わります。
そして、企業があり、メディアがあり、それを見ている我々がいる、「プロ野球」そのものについて考える機会を与えてくれることになると思います。


(H)

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