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May 2006

May 24, 2006

「ちょいワル」の次に

今日24日は男性誌が一斉に発売の日です。
いっとき毎月売り切れをおこしていた「LEON」が、ここのところ少し落ち着いてきました。
「ちょいワル親父」もいよいよ矛を収める時が近づいてきたということなのでしょうか。
次は何親父が出てくるのか皆目検討もつきません。

まあそんなことはさておき、6月は父の日があります(6/18)。
今年は父の日に合わせて、こんなフェアを組んでみました。

「ダメな父ちゃんに贈る本フェア」

さえないおっさんが娘のカタキをうつために高校生たちに鍛えられ、戦う親父へと変わってゆく様を描いた「フライ、ダディ、フライ」(金城一紀)、元過激派の父親と彼の行動に翻弄され続ける小学生の息子との交流を描いた「サウスバウンド」(奥田英朗)、悪役プロレスラーのお父さんと、その存在が恥ずかしくてたまらない息子との親子関係を描いた「お父さんのバックドロップ」(中島らも)など。

また、もっと具体的な本としては「ヤクザに学ぶできる男の条件」(山下重樹)なんてのも並べてあります。
ぜひ一度ご覧になってみてください。

さて、一冊とりあげるのは、このテーマからすると「え、ちょっとそれは違うんじゃない?」とも思われそうな、この本です。


「青春ノイローゼ」みうらじゅん(双葉文庫)
Seisyunnoiroze


東京に来た。
横尾忠則みたいなイラストレーターになるために。
酒飲んで、口論して、暴れて、夜通しバカができる友人ができた。
イラストレーターへの道が、ぼんやりと霞んだ。
彼女ができた。
「これ、オレの彼女」友人に紹介した。
友人は「おまえ変わったな」と言って離れていった。
「卒業したら、結婚しよう」と彼女に言った。
「四年も待ってたら、あたしお婆ちゃんになっちゃう。大学行ったら、きっと新しい娘見つけちゃう」彼女が言った。
「そんなことないね!オレ卒業したら絶対おまえと結婚する!」
オレはノイローゼ。
恋と性のノイローゼ。
彼女の冷静な予想は的中していた。
(「Ⅲ 俺だけの旅」)

みうらじゅんは、すべての男の中にある。
たとえ今は、ダメな父ちゃんであっても、一人称が「俺」である限り、お父さんは男である。
日本中のダメな父ちゃんに、みうらじゅんを。


(H)

May 20, 2006

“書店員”と“本屋さん”は違う。

Hurry6


今週は週明け早々に従業員が体調を崩してしまい、月・火はその穴埋めに奔走し、水曜日には「ハリー・ポッターと謎のプリンス」が発売になり、木曜日はとある業界関係の飲み会に参加し、翌金曜日は営業関係の打ち合わせをしてからその事務処理も平行して行い、今日は新しく入ったアルバイトの子の歓迎会をやったら、さすがに疲れました。

ハリー・ポッターは発売日が雨に見舞われたせいか前巻よりも販売数がだいぶ少なく、仕入れた在庫の行方が不安になりましたが、おかげさまでこの週末にだいぶ買っていただきました。
ありがとうございます。

ハリポタは発売日に5件のお客様に配達をしたのですが、どの方も持っていった時に本がハリポタだとわかると表情がパアッと明るくなり、その時だけはを日頃の雑事を忘れて「あー、本屋ってのはいい仕事だなあ」と思うことができました。


先日、名前を聞けば誰もが知ってる都内のある大型書店で働いている方とお話させてもらう機会があったのですが、その時その方がこんな話をしてくれました。

「私は小さい頃から本が好きで、大きくなったら本屋さんになりたかった。
だから書店に就職した。
けれどなることができたのは大きな売り場のあるセクションを任される“書店員”であって、そこに住む人が気軽に本を買いに来る場所である“本屋さん”にはなれなかった。
だけど私はずっと“書店員の顔をした本屋さん”でありたい」

この話は、非常に頭に残りました。
今でも残っています。
そして、自分の仕事は幸か不幸か絶対的に「本屋さん」の方であり、「書店員」の側には行けないんだと、改めて再確認させられた言葉でした。
日本でも有数な、おそらく相当遠方からもお客様が来ているであろう大型書店の方がそういうことを考えているなら、自分は「本屋さん」の側として何ができるだろう、何をしないといけないんだろうということを考えさせられました。


さまざまな環境が変わりつつある現在、「本屋さん」はいずれなくなる仕事かもしれません。
でもだからこそ、やってて面白いのかもしれません。


(H)

May 13, 2006

本屋のバイト


「今日バイトなんだ~。」
と言うと必ず
「何のバイトしてるの??」
とお決まりの質問をされます。
「本屋だよ!」
と答えると、本に興味がある人と無い人でもすごく反応が違います。
興味を示してくれた人はご愁傷様・・
これでもかと私の本屋ライフについて聞かされます。
たぶん本に興味があっても
私の本屋ライフには誰も興味はないんでしょうけど(笑)

私が好きな本屋の仕事の中に
POP(ポップ)を書く作業があります。
POPというのはよく本屋で見る
紙に本の紹介を書いて本の横に飾ってあるやつです。
店長に
「悪いんだけどPOP書いてくれる?」
と言われたら心の中では
「よろこんで~」
とどこぞの飲み屋の店員並みにいい返事をしています。
あくまで心の中でですよ。

今日は
「スコットくん」(フジモトマサル 中公文庫)
Sukkoto


「JILLE」(女性雑誌 双葉社)
のPOPを「誰にも頼まれていない」のに描きました(笑)
伊野尾書店にきたら是非見てください☆
本自体も見てください!

「スコットくん」はペンギンなんですけど
ペンギン界のニューヒーローなんですよ。
ちょっとピンボケなニューヒーローっぷりが
つぼにはまったので
みなさんにもぜひシュールなスコットくんを
お試ししてみて欲しいです!
(コミック文庫の棚に置いてます)

私は小さい頃から絵を描くのが好きだったので
高校では文化祭の屋台の看板かいたり
大学ではサークルのTシャツやタオルのデザインを描いたり
そんな人が面倒くさがる作業を
最高の楽しみと思って没頭します。

さくらももこさんはその絵を描くのが好きというところから
本当に「絵と文章を書く」
という天職について
しかも売れて
お金持ちになって
さらに自分のおばかワールドを
世界規模に広げて本当に本当にすごいと思います(笑)
彼女の新しい著書に

「焼きそば うえだ」(さうらももこ 小学館)
Yakisoba

という本がありますが
この本こそそんなさくらももこの人生を物語っていると思います。
自分の仕事で貯めお金を
こうもばかばかしいことに使うことができるなんて・・
ここまで自分の娯楽を追及できるなんて・・

たくさん本を読んで疲れたときは
彼女の笑えるエッセイを読んで
楽しい気分にさせてもらいます☆

(W)

はじめての勉強

図書券の販売を終了して約半年が経ちましたが、いまだに年配のお客様からは子どもや孫にあげるのは図書カードより図書券の方がいい、というご意見をいただきます。
カードは一枚で3000円とか5000円という高額で、小さい子が落とすと困るから、というのが主な理由です。
まあそれもわかるのですが、落としたら落としたで子どもの時分はそれも貴重な経験ではないかという気がします。
(もちろんその後にすぐまた買い与えたら学習する機会は生まれないわけですが)
ぜひ小さなお子様にも図書カードをあげてほしいなと個人的には思います。


さて、こんな本が入ってきました。

『はじめまして!10歳からの経済学』全3巻(ゆまに書房)

Hajimemasite1  Hajimemasite2  Hajimemasite3


なんだか某ベストセラー作家が書いた『ハローワーク』を連想しないでもないですが、なかなか面白い本です。
この本は3冊セットのシリーズで、1巻が「もしもお金がなかったら」、2巻が「もしも銀行がなかったら」、3巻が「もしも会社がもうけばかり考えたら」という副題がついています。

できれば3冊セットで買っていただきたいところですが、1冊が2940円(税込み)するので全部そろえるとなると8820円となり、ちょっとおいそれと買える金額じゃなくなってくるので、今日は3巻の「もしも会社がもうけばかり考えたら」を紹介したいと思います。


お菓子の星からやってきた、パン作りが得意なロボくん。
ロボくんはパン作りに必要な道具も、パンの材料も、すべてからだの中におさまっています。
ロボくんは自分一人でパンを作り、パンを売ります。
あまり多くの人には売れませんが、自分一人で人をやとわないのでちょっとした儲けは出ます。
(第一章「もしもロボパン屋が個人商店だったら」)

「ロボパンはおいしいので、もっと大勢の人に食べてもらおうよ。パンを焼く以外の仕事は全部してあげるから、いっしょに会社を作ろうよ」と地球の人間にもちかけられ、ロボくんは株式会社をつくります。
ロボくんはパン作りに専念できるようになりましたが、組織の一員となっていきます。
また、個人商店でやってた時のように一つ一つのパンに心をこめて作るのがむずかしくなったので、ある方策をとることにします。
(第二章「もしもロボパン屋が株式会社だったら」)

このあとロボパン屋の地球での評判を聞いたお菓子の国の王様が日本全国にロボパン屋を作ろうとする第三章(「もしもロボパン屋がチェーン店になったら」)、さらにその先の凋落を迎える第四章(もしもロボパン屋がもうけばかり考えたら)と続いていきます。


ストーリー的には現実社会で日々もまれる大人からすると口を挟みたくなる部分もないにはないですが、子どものためのファーストブックとしてはよくできています。
これをとっかかりにして、子どもがいろいろ会社とか経済とか考えてくれればいいのですから。

こういう本を社会科の副読本で使ってもらいたい、とか一瞬思いましたが、考えたらやたらその手のことに詳しくなった小学生が「ここの経常利益はどれくらいなの?何か社会貢献活動とかやってるの?」と言ってくるようになってもイヤなので、やっぱり社会科の副読本は「日本の歴史」とかにしておいてもらいたいです。


(H)

May 06, 2006

連休の終わりに

曜日の並びがよい、会社によっては9連休だなどと騒がれていたG.Wもいよいよ残りわずかとなりました。
9連休なんて一見すごくうらやましい気もしますが、よくよく考えるとそれだけ長いと旅行にでも行ってないともたないような気もしてきて、それはそれで結構大変なのかもしれません。
「仕事以外趣味がない大人=休みに何していいかわからないお父さん」という世間でよく聞く話に若い頃は「何だ、俺なんか時間があったらやりたいこといっぱいあるぞ」と思ったものですが、この頃はなんとなくわかるような、いや、むしろ自分もそうなるかも…というという気持ちが少し出てきました。
いかんです。
古谷実が怪作『ヒミズ』で語った「人類最大にして最強の敵は、『めんどくさい』である」という言葉はまこと至言だと思います。

で、近年そういう仕事以外に趣味がないお父さんなんかが定年後に掲げる目標、というか夢みたいなものに「田舎暮らし」「沖縄に移住」というものがあります。

それはそれで夢のあることですが、高橋秀実「からくり民主主義」(草思社)なんかを読むとそんな簡単なものでもないようです。
もともと現地に住んでいた人、同じように都会から現地に移ってきた“先輩移住者”たちと慣習・価値観の違いからうまく馴染めず、「やっぱ暮らすなら都会だよ」と考えが逆転することもあるようです。
孔子は「年老いてから動くのは得策でない」というようなことをどっかで言ってた気がしますが、生活慣習や価値観が固定した老年にそれを変えるというのは想像以上に難しいことなのかもしれません。
沖縄みたいなところは旅行で時々行くから普段との対比で特に素晴らしく感じるのであって、住んだら住んだでまた大変なのでしょう。

で、前置きが長くなりましたが、沖縄本を集めたフェアをやっています。
これは斯様な理由で「沖縄とは移住するところではなく、旅行に行くところなのだ」という主張から始めたわけではなく、「沖縄の本は5月に売れますよ」と出版社の方に聞いてほお、じゃあやってみるか、と単純に始めただけです。
じゃあそんな長ったらしい前フリすんな!とあちこちからモノが飛んできそうですね。
どうもすいません。

フェアの中身としては、沖縄を暮らすことを前提にした雑誌「沖縄スタイル」(枻出版社)、
ウチナーグチと呼ばれる独特の方言を解説した「ハイサイ!沖縄言葉」(双葉社)、
日本トランスオーシャン航空の機内誌に載った記事を編集した写真エッセイ「沖縄島々旅日和」(新潮社)、
あまり知られていない沖縄の歴史をまとめた「沖縄県の百年」(山川出版社)など。

その中で気になったのが、「沖縄大衆食堂」(双葉社)。
Okinawataisyusyokudo


たとえば沖縄大衆食堂の定番メニュー「味噌汁定食」。

味噌汁定食って…おかずは?
そう聞き返したくなるこの食事、味噌汁は確かに味噌汁でも、ラーメン丼ぐらいの器にポークランチョンミート(ウインナーとコンビーフの中間のような加工肉)、豆腐、コンニャク、青菜、卵が入ったボリュームたっぷりの味噌汁だとか、現地の方もいまいち定義がわからないらしい謎のメニュー「おかず」、あくまで副菜もしくはおやつ程度の扱いの「てんぷら」、店によってバラバラのメニュー「カツ丼」など、読んでて唸るメニューが次から次へ解説されてます。

店によっては定食にアイスティー(甘い)とバターがつくサービスがあるとか、24時間営業の定食屋も結構あるらしいとか、軽いカルチャーショックの連続です。


ぜひ一度ご覧になっていただきたいと思います。


(H)

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