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February 08, 2006

静かに売れ続けるコミックをご紹介します

「アンダーカレント」
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夫が失踪し、家業の銭湯も手につかず、途方に暮れる女。やがて銭湯を再開した女を、目立たず語らずひっそりと支える男。穏やかな日々の底で悲劇と喜劇が交差し、出会って離れる人間の、充実感と喪失感が深く流れる。
映画一本よりなお深い、至福の漫画体験を約束します。


ページをめくるたびに、上質な映画を観ているかのごとく、ぐんぐん引き込まれてゆきます。
多くの人がそうであるように、一度心にかかってしまった靄を取り払うにはその原因を知るしかありません。
それがどんなに辛い現実であっても、受け止めるしか前に進む方法はないのです。

もし今、その一歩が踏み出せないでいる方がいたら、そっと薦めてみたくなる、
そんなコミックです。


「ソラニン」
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大学を卒業して1年が過ぎ、OA機器メーカーのOL・井上芽衣子はあることを実感するようになっていた……「わたしは社会人には向いていない」。とはいえ、自分に特別な才能がないと自覚してしまった今となっては、もはや人生のレールを外れる勇気もないというのが現実。多少辛くても、頑張ってつつましく生きていくしかないのだと、彼女は今日も会社へ向かうのだったが…


漂うのは「虚無感」。
上流だの下流だの、希望だの絶望だのがいまいちリアルに響いてこない世の中で、
これだけリアルな世界を突きつけられると、泣く気もないのに涙が出ます。
「やりたくないこと」はわかっているのに、「やりたいこと」はわからない。
なんとなく、なんとなく…

巻末で事件が起こります。
この先この「ソラニン」の世界がどう動いていくのか、登場人物たちは何を受け止めていくのか。
目が離せません。


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