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July 2005

July 31, 2005

●コーヒーもう一杯

夏休みに入り、中井の人通りが普段より少なくなってきました。
そんなときこそ一冊の本と、一杯のコーヒーを。
なんてこんな本を。

●コーヒーもう一杯

coffeeonemore


新刊で一冊だけ入ってきたとき妙に気になり。中を少し読んでみたらその深い味わいにやられました。
西岸良平のようなタッチと、素朴なのに味わい深いストーリー。
別れて暮らす息子との再会の日、「今日は何がしたい?お父さんなんでもいいぞ」と訊く父親に「今日はお父さんの遊びに僕がつきあうよ」と息子が答えることで始まる「バビロン再訪」は特に味があってよいです。
同時発売の「口笛小曲集」も味がある作品です。
だいたい推薦文を書いてるのが森薫とこうの史代という時点で大きくハズレになるわけありません。
読後誰しもコーヒーを飲みたくなるにちがいない一冊です。

といいながら私は何年か前に胃を悪くして以来、コーヒーが飲めません。
飲むと胃の下あたりが痛くなってきます。
むかし学生時代は毎日のように飲んでいただけに、街でコーヒーのいい匂いを嗅ぐと懐かしいような、失ったものを惜しむような複雑な気持ちになります。


(H)

July 27, 2005

本来のかわら版


しばらく間が空きましたが、フリーペーパー「伊野尾書店かわら版」作りました。
レジ脇に置いてあります。
ぜひお持ちください。

本来、このWEB版はそっちの補完みたいなつもりで始めたのですが、いまやどっちがメインだかよくわかりません。


(H)

●働きマン 2巻(以下続刊)


hatarakiman2


松方弘子、職業・雑誌編集者。

筋を通すために、ハッキリ物を言い過ぎて敵を作ることもしばしば。
それは彼女が自分の仕事にプライドもって働いているからこそ。

落ち込んでも自力復活の方法を知っている、タフでパワフル・男前な彼女の生き方には共感が持てます。

老若男女、職業問わずご一読ください。
エネルギーフルチャージ確約です。


(K)

July 23, 2005

猛暑と工事


「東京・首都圏未来地図 超拡大版」


miraichizu

ウチの店の裏を通っている山手通りは首都高速を地下に開通させる工事をもう十何年やっていて、まだまだ工事は終わる様子がありません。
その首都高速環状新宿線はこの本によると、2006年完成予定だそうです。
それ以外にも道路整備計画・都市整備計画が載ったこの地図を眺めていると、都市開発というのはどこまでいっても終わりの無いような気すらしてきます。


翻って、今までありそうでなかったタイプの本。

「図解・何かがおかしい!東京異常気象」

tokyoijokisyo

多少脅し気味の本ではありますが、それぐらい言っておかないとこの異常気象は酷くなる一方なのかもしれません。
ヒートアイランド現象ならぬ「クールアイランド効果」など、東京を冷やすための対策が興味深い本です。

特に意図したわけではありませんが、入り口正面に位置したこの2冊はポツポツ売れています。
なんとなくセットで売りたくなる組み合わせです。

森達也がこれからのマスコミの役割に対して「『諸君』の読者に『週刊金曜日』を読ませたくなるような、『金曜日』の読者に『諸君』も読んでみようという気にさせるような、そういう記事を書いていかないと」という話をしていましたが、なるほどなと思ったものです。


(H)

July 19, 2005

コミック情報


コミックに関するお知らせです。


(1)限定版

20centryboy-19

T.REXの歌う「20th Century Boy」のCD付き20世紀少年19巻特装版、まだあります。
BECK19巻Tシャツ付限定版も若干ですがあります。
ヤフオクで定価以上の値がついているという話ですが、こちらは普通に定価で販売中です。
お早めにどうぞ。


(2)大売れ

dragonsakura01


ドラマ化で大売れ中の「ドラゴン桜」、全巻あります。
それにしても東大信仰がまだこんなに根強いとは…。

逆に言うとその他のドラマ化作品は今のところ…です。


(3)電車男

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ながらく品切れ中だったチャンピオンRED版「電車男~でも、俺旅立つよ。~」入荷しました。
詳しい人に聞いたところ、いくつか出ているコミック版の中でこの作品が一番原作の空気に近く、且つオタクに偏見の無い作風だそうです。
そう言われるとヤングチャンピオン版の「電車男」はずいぶん怖い風貌です…。

July 13, 2005

●打撃の真髄 榎本喜八伝


enomotokihachi

1960年代、高度経済成長期、学生紛争。
変わりつつある日本の中で人々の最大の娯楽だったプロ野球。
その中心で輝いたのはご存知長嶋茂雄、そして王貞治。
華麗なる栄誉と賞賛を浴びた二人とは対照的に観衆まばらなパ・リーグでひっそりと、本当にひっそりと打ちまくっていた一人の男。
彼はのちのヒットメーカーたちが必ず与えられる「安打製造機」という尊称を最初に授かることになる。

男の名前は榎本喜八。
イチローより早く1000本安打を達成し、首位打者2回、通産2314安打を誇りながらも引退後は解説・コーチなどをいっさい引き受けず球界からフェードアウトした伝説の大打者。

剣豪が剣の道を究めるように、打撃の道を究めようとした彼は合気道をバッティングに取り入れ、その打撃の極意を「臍下丹田(せいかたんでん=ヘソの下)でバットをとらえること」と語っています。

「臍下丹田に自分のバッティングフォームが映るようになると、ピッチャーとのタイミングがなくなってしまった。最初からないから、タイミングが狂わなくなったですね」

入団9年目の63年7月のある期間、彼は自分の脳裏にバッティングをする姿が映り、まるで夢を見ているように打てたといいます。

そんな榎本は試合前の練習に参加せず一人ベンチで座禅を組んでいたり、4打数4安打でも本人の納得しない当たりだと「今日はダメだった」とベンチで落ち込んでいたりしていたことで、周囲からは変人扱いをされることもあったようです。

バッティングのためにすべてを投げ出し、すべてをバッティングに費やした榎本。

――打撃とは、いかにボールを的確にバットでとらえるかであって、いかに野手のいないところに打つか、ではない――

そんな男が、かつてのプロ野球にはいたのです。


(H)

July 08, 2005

理想の本屋にはなれないかもしれません


「論座」8月号の特集「理想の書店」読みました。

文化人と呼ばれる方の多くが現状の書店、それも特に街の本屋に不満が強いことはよくわかりました。

「入るたびに発見のある書店」とか、「つい長居してしまう書店」という店なら、今後努力していきたいと思っとります。

けど佐野眞一のように「くだらないベストセラーだけが置いてある金太郎飴書店ではなく、文化の香りがどうのこうの」とか言ってるような人には一生認められない本屋でいいやと思っております。

街の本屋は文化人、およびそれに類する方だけが来るところではありません。

「小学一年生」を買いに来る子供も、「popteen」を買いに来るお姉ちゃんも、免許の取り方の本を探しに来る兄ちゃんも、その他教養のキョの字にも興味がないような人、みんなひっくるめてウチのお客さんです。

一般書もコミックもゲーム攻略本もコバルト文庫もエロ雑誌も、たまたまウチが一番自宅に近いからウチに買いに来るという方がたくさんいます。

そういう方々を放り出して「文化」の香りなぞ取得したくはありません。

中には中井で「文化」を求められる方もいらっしゃるかもしれませんが、ウチで出せる「文化」はこんなもんです。
ご要望に応えられなくてすいません。


ウチはそういう本屋です。

先のことはわかりませんが、もうしばらくは今の路線でやれることをやっていってみようと思っております。


(H)

July 06, 2005

●これが私の優しさです――谷川俊太郎詩集


koregawatasino


谷川俊太郎の詩集です。

今どき詩集?それも谷川俊太郎?
ちょっと古臭いんじゃないの?

そう思われる方も多くいらっしゃるかもしれません。

もしそう思われたなら、今文庫台のすみの方に置いてあるので手にとって読んでみてください。
ほんの4、5編でいいので読んでみてください。

詩集というととかく甘い言葉にまみれた甘い情景だけが詠われているイメージがあります。
特に谷川俊太郎には「美しい詩を書く詩人」という評価が昔からあります。

しかしこの作品には、そんな甘いばかりじゃない、時には下世話で時には独りよがりな人間の逃れられない情動を描いた詩も数多く収められています。

そういった美しいとは言いがたいものまで含めてはじめて「これが私の優しさです」と言い切ってしまう作者の姿勢を通して、本当の優しさとは何なのか、考えてみませんか?


(H)


July 01, 2005

夏です


7月に入りました。

暑くなってくると仕事で憂鬱なことは、蚊です。
蚊はどうやっても出入り禁止にできません。
レジの近くにアー○ノーマットという蚊取り用品を置いていますが、これがまたほとんど効きません。
緑のランプがついてる上を奴は悠然と飛んでいたりします。
アレは狭い部屋でしか使ってはいけないものなのでしょうか。


さて、この夏最大の話題作といえば「スターウォーズ・エピソード3」でしょうが、本屋としてはやはり京極夏彦作品初の映画化「姑獲鳥の夏」
http://www.ubume.net/
が気になります。
あの作品世界をどう表現したのか、大注目です。

予告宣伝だけを見ると、角川映画と奥山和由の「RANPO」を足して2で割ったような雰囲気がありますが、さて。
非常に楽しみです。
ただ一点難癖をつけたいのは、木場=宮迫はないだろうと…。
その他のキャストがなかなか「ああ、いいんじゃない」という感じだっただけにちょっとガッカリです。
まあそれも映画を見て「いや、意外に・・・」となることを期待しましょう。

「姑獲鳥の夏」は講談社からノベルス、愛蔵版、文庫、分冊文庫版と多種類に渡って出ていますが、オススメは分冊文庫版です。
理由は読んでて疲れないから。
弁当箱のような本で読むのも京極スタイルなのかもしれませんが…。

「姑獲鳥の夏」で京極ワールドにハマったら、シリーズ最高傑作「魍魎の厘」もぜひ。


(H)

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