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May 2005

May 27, 2005

新しい試み

プロ野球はセパ交流戦がちょうど折り返しにきたところですが、案の定観客増員の起爆剤にはなってないようです。
まあそうですよね。
「松坂vs清原」とか、「阪神投手陣vs新庄」といった注目度の高い組み合わせはほんの一握りで、あとは普通の人にしてみれば普通の公式戦なわけですから。
けど私のような野球マニアにとっては「下柳vs小笠原」とか「ロッテvs巨人の応援を巡って生まれた密かな因縁(探せばいろいろ出てきますが、この辺を参照ください)に直接決着をつける対戦」とか、楽しめるポイントががポツポツ生まれるので大変うれしい企画です。
ぜひ来年以降も継続してもらいたいものです。

まあよっぽどのことでもないかぎり、日本プロ野球はかつてほど人々の注目を独占できないわけですから、これからはマスを捨てて本当に好きなファンのために運営してってほしいです。
テレビ放送がないのに黒字経営をしているJリーグの運営を見習って。

しかしこれだけ野球人気が落ち込んだのに、いまだに巨人戦だけが中継されているというのは不思議な感じがいたします。
球界もテレビ局も、いろんな新しい試みにチャレンジしていってもらいたいなと思います。


翻って伊野尾書店では現在書棚の内容・配置変えを少しずつおこなっているところです。
「あれ、前ここにあった本どこ行ったんだろう?」ということも多々あると思いますので、その際は遠慮なくお尋ねください。
もっとも中には販売不振で外れた商品も何点かありますので、その際はどうかご容赦をお願いします。


(H)

May 24, 2005

●靖国問題

yasukuni

JRの脱線事故以外で他にわかりやすいネタがないという事情を差し引いても、ここのところ日中関係の悪化がニュースに取り上げられることが多くなっています。
今日も中国の副首相が靖国参拝についての小泉発言に強い不満を表明したのがトップニュースになっており、それに対し政府の一部筋から「内政干渉だ」と反発する様子が対比して書かれていました。

日中関係のみならず日韓関係にも影を落とし、大変やっかいな問題になってしまった「靖国」。
しかしTVニュースだけを見ていると、靖国は
「中国(韓国)がいつまでも昔のことを引き合いに出すために使う攻撃先」というニュアンスでしか使われないので、どうしてそんなに問題になるのかわからないまま嫌中・嫌韓感情を引き出してる面が多々あるように思います。

いみじくも反日デモが活発化する前にひっそりと出たちくま新書「靖国問題」はこのやっかいな問題を
「感情の問題」
「歴史認識の問題」
「宗教の問題」
「文化の問題」
「国立追悼施設の問題」
と5つの問題にわけて考え、なぜここまでこじれてしまったかを解析します。

なぜ靖国参拝があれほど問題になるのか。
それを解こうとすれば必ず先の戦争の問題と、その戦争で誰を悪者にしようとしたのか、という命題ににつながります。

外国からとやかく言われる前に、本当は日本人全員が考えないといけない問題なんだと思います。


(H)

May 22, 2005

B級グルメ本を語る

近所に「スピガ」というオシャレなスパゲティ屋さんがオープンしました。
開店記念サービスで全品500円という値段もあってか連日大賑わいのようです。

私個人はスパゲティも好きですがお客の9割が男性で占められているような町の定食屋も大好きです。
そんな町の定食屋を写真つきエッセイでひたすら紹介し続けるのが

「定食バンザイ!」
teishokubanzai


この本をここで取り上げた一番の理由は、神保町と高田馬場・早稲田と自分がよく知ってる街がやたら出てくる、それだけです。
いや神保町が定食の聖地とは知りませんでした。
確かに安くてうまい店はいっぱいあるけど。


もうひとつB級グルメを読む本としてとりあげたいのが

泉麻人「なぞ食探偵」
nazoshoku

「ドイツ風ライス」「ゼリーフライ」「佐世保バーガー」といった、名前を聞いただけではどんな料理なんだかわからない「なぞ食」を、泉麻人氏が徹底検証しています。

ちなみに泉麻人氏は地元・落合の出身です。
エッセイを読んでると生まれ育った下落合近辺の話がよく出てきます。
氏の街ネタ本としては

「新・東京23区物語」
new23ku


あたりがおすすめです。


(H)

May 18, 2005

そしてみんなスクリーンへ

「いま、会いにゆきます」がドラマ化だそうです。
http://www.nikkansports.com/ns/entertainment/p-et-tp0-050516-0002.html

「電車男」も映画化に続きドラマ化が決定。
http://www.sanspo.com/geino/top/gt200505/gt2005051102.html

なんだか最近「一発当たった本(小説)はダシを絞れるだけ絞ろう」というコンセプトが極端になってきたような気がします。
好きな人にとってはいろんな楽しみ方ができるから幸せなんでしょうけど、これって小説のファンの人は映画版を満足できるものなのでしょうか。
過去自分の経験では好きな小説が映画化されて見に行くと「……。えぇー?」ということが多かったので、つい疑心暗鬼に見てしまう癖がついております。
いかんいかん。
まあ「魁!クロマティ高校」がひっそりと映画になっている時代にこんなことを言うのもナンセンスかもしれません。
(メカ沢の声が武田真治…うーん)

それにしてもこれを見ると、あまりにきらびやかでなんだか違う話のようです。原秀則のコミックもそうですが。

(H)

May 14, 2005

●こころ


kokoro


好む好まざるにかかわらず、日本人なら誰もが一度は手にしているであろう、あの夏目漱石「こころ」を「セントメントの季節」の榎本ナリコが現代風にアレンジしたというリメイク版です。
少し斜に構えた大人のためのコミック誌「ビッグコミックスペリオール」で連載していて、その頃から話題を呼んでいた作品のようです。

ところどころ設定を変えたり端折ったりしている部分はありますが、基本的には原作の世界(これも読んだ人の数だけあるわけですが)を守ろうという著者の意思が伝わってきます。
あの話を現代を舞台にすると登場人物がストイック過ぎて浮いてしまうのでは?という懸念が読む前はありましたが、読んでみるとまったく気になりませんでした。

あー、やっぱり「こころ」はすごい話だ。
すごいわ漱石。
やるなあ榎本ナリコ。

この流れが定着したら、次は山本直樹の書く「痴人の愛」とか、松永豊和の「人間失格」とか読めるんでしょうか。
がんばれ小学館。


(H)

May 10, 2005

きょうのできごと

「○○という雑誌はありませんか?」とお客様に聞かれました。

それを聞いて「あれ?」と戸惑いました。
なぜならその本は今日出たばかりで、自分が朝並べたからです。
すぐに売り場に行くと、確かに自分が2時間前並べたばかりのその雑誌がありません。
「え?おかしいな?確かこの辺りに…」
と出した辺りの雑誌を何冊か手にとったら、下から見覚えのある表紙が出て気ました。
横でお客様の「あ、あった」の声。

そう、自分が朝出した雑誌の上に別の雑誌が載せられていたのです。


こういうことはときどきあります。
今日みたいにお客様の問い合わせですぐ気づけばいいケースで、ひどい時はパッとどかしたら下から別の雑誌が出てきて、「いつからこうなっていたのか」と青くなることもあります。
そうなってる間に下になってる雑誌を買いにきたお客様が「あ、ないや」と帰られてるかもしれないわけですから。

どこの本屋でも、
「読んだ雑誌は元の位置にお戻しください」
と書いてある理由はここにあります。
後から来た人が見つけられないからです。

1冊しかない雑誌はどこにあったかわかんなくなっても仕方ありません。
そういう時はだいたいで結構です。

別の雑誌の上に戻していくのだけは、どうかやめていただきたいと、切にお願いします。


ここをご覧いただいているような方にはまずお門違いの話ではあると思うのですが、失礼を承知で愚痴を書かせてもらいました。
気分が悪くなられたら申し訳ありません。


次回はプロ野球交流戦か、「シガテラ」か、静かに売れてる本の話でもしたいと思います。

(H)


May 05, 2005

途中で投げ出せる本、投げ出せない本


なんだか草思社の本のタイトルみたいですが。


去年の今頃の日報を読み返すと、
「『世界の中心』(せかちゅーという呼び名はまだこの頃なかった様子)、飛ぶように売れてゆく」
と書いてありました。

今年、飛ぶように売れる本はありません。
せいぜい『ちびくろさんぼ』が歩くようにポツポツ売れるぐらいです。


さて、連休中一冊ぐらいは小説を読むべと某大手出版社発行の、“○○賞受賞!脅威の新人デビュー!”とのオビがいさましいミステリーを読んだわけです。

ところがこの本が面白くない。
たぶんこれが話の取っ掛かりになるだろうと思ってた最初の事件がずーっと引っ張られてそのまま最後までそれ以上の展開がなく、人間関係の背後に横たわっているのが陰惨な事件、とってつけたような精神分析と、斯様に凡庸な設定のまま、この後何か劇的な展開が待っているんじゃないかと期待するのを裏切るようにそのまま終了。
あー時間とカネの無駄だった…と思ったら。

この小説を桐野夏生とか、唯川恵とかが激賞しているわけです。
自分にミステリーを読む目がないのか、それとも大御所の作家でも出版社に気を遣って賛辞のメッセージを送るのかわかりませんが複雑な気持ちになった連休の夜でした。

最近どうも小説を避ける傾向があったのですが、今回理由がわかりました。

小説というのは、途中で投げ出すことが出来ないのですね。
一般書の場合だと、ある程度読んだところでだいたいの内容は把握できます。
「こりゃこれ以上読んでも時間の無駄だぞ」と判断したら残りのページをバーっとめくり、そのまま投げ出すことができます。
ところが小説、特にミステリーは途中から劇的な展開があったりするとそれまで義務のように読んでいた部分が実は重要な意味を持っていたりするので、通読しないと評価が下せない部分があります。
ので、読み出してすぐに「これは…」と思っても放り出すことができない辛さがあります。

と、ここまで書いて
「そっか、だから“このミス”とかミステリーのランキングが流行るのか」と今さらながら思い至りました。
その程度の駄目書店員が書く駄文におつきあいいただいて誠に恐縮です。


「書店員が選ぶ本屋大賞」という文学賞が去年からありますが、
「書店員が怒るこれだけは買うな!大賞」があればいろいろ投票したいのはありますねえ。
なにもプラスが生まれないから誰もやらんでしょうけど…。


(H)

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