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February 05, 2005

●夕凪の街 桜の国

yuunagi

昭和30年、灼熱の閃光が放たれた時から10年。ヒロシマを舞台に、一人の女性の小さな魂が大きく揺れる。最もか弱き者たちにとって、戦争とは何だったのか……、原爆とは何だったのか……。漫画アクション掲載時に大反響を呼んだ気鋭、こうの史代が描く渾身の問題作。


最近、つとに「過剰」が目立つ。
過剰な物言い、過剰な表現、過剰な振舞い。
そういうふうにしないことには自分のメッセージを伝えられない、という強迫観念でもあるかのように。

「夕凪の街 桜の国」はわたせせいぞうや宮崎駿の世界のような、澄んだイメージを与える静かな物語だ。
しかし、静かであるがゆえに作品が突きつける問題は読む者に深く刻まれる。
原爆、ヒロシマ、偏見、時代の流れ。

「忘れてはならない」という声がどこからか聞こえる。
わかっていながら愚かな僕らは少しずつ、だんだんと関心を払わなくなる。
それがどれほど恥ずかしいことなのか、この物語が寡黙に僕らを責め立てる。


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