September 30, 2023

10月連休のお知らせ

いつも伊野尾書店をご利用いただきありがとうございます。
下記日程で連休をいただきます。

10/8(日)
10/9(月・祝)

ご迷惑をおかけいたしますが、よろしくお願いいたします。


伊野尾書店

August 12, 2023

「イラク水滸伝」高野秀行

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〇「イラク水滸伝」高野秀行(文藝春秋)

「誰も行かないところへ行き、誰もやらないことをし、誰も書かない本を書く」という活動で知られる辺境作家・高野秀行さんの新作。
イラクのティグリス川、メソポタミア川周辺に存在する巨大湿地帯〈アフワール〉。
そこは古くから権力に抗うアウトローや、迫害されたマイノリティが逃げ込む場所だった。
とある新聞記事をきっかけにそこへ向かうことになった高野さんは『世界で一番川を旅した男』の異名を持つ山田隊長をパートナーにいざ〈アフワール〉に乗り込むが、これが予定外に予定外を重ねる大変な旅の始まりだった…!


東京生まれで、アウトドアにも縁遠い私が「湿地」と聞いて最初に浮かべるのは尾瀬である。
なので「巨大湿地帯」と聞くと「イラク国内にあるえらい広い尾瀬」みたいな場所を連想し、そんなところに高野さんは行ったのかな…と思ってページを開くとそこに載ってるのは川だった。

https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784163917290

え、これが湿地帯?川じゃなく?

これが場所によっては川みたいになっていて船で移動し、同じ湿地帯でも別の場所では水の無い巨大な道路になってそこを車で通ったりするそう。
高さ8メートルくらいの葦が生えててジャングルみたいになってる写真もある。

イラクは各都市での内戦やテロ事件が報道されるが(地上派ニュースで見る機会は減ってきている)、この湿地帯についての報道や調査はほとんどされていない。
そこは古代メソポタミア文明発祥の地であるにもかかわらず。

そういう場所を見つけた高野さんは俄然、そこに行ってみようとする。

しかし最初に向かった2018年の段階でイラクは渡航中止勧告が出ている状況であり、イラク国内に到着したらしたでまた大変な思いをする。
なぜなら湿地帯のあるイラク地方部はほぼ外国人の訪問者がないエリアであり、そこに向かった高野さんたちは紹介こそ得ていたもののたびたび「不審者」と見なされてしまう…。

そんな場所でも高野さんは持ち前の語学力と「現地語ギャグ」をいかしたコミュニケーション能力で、仲間を増やし調査を進めていく。

「美味しくて苦しい」というイラク料理、「マアダン」という湿地民の暮らし、「新世紀エヴァンゲリオン」のような終末思想の古代宗教・マンダ教、フセイン軍に激しく抵抗した「湿地の王」、資産家でなくても妻を複数娶るための衝撃的な奇習「ゲッサ・ブ・ゲッサ」、イスラム文化を逸脱した美しいマーシュアラブ布。

知らない話しか出てこない。
なにより、イラクの辺境で生きる人々が、今となりにいるかのようにリアルに迫ってくる会話と出来事。

あらためて本というのは「自分で体験できないこと」を追体験するエンターテイメントだと実感する。

「戦禍の国」というイメージだったイラクが、この本を読んでからブリコラージュ(寄せ集めて自分で作る)文化と鯉料理の国、というイメージに変わりつつある。
ゲーマル(水牛のクリーム)食べてみたい。

 

(H)

August 07, 2023

「『射精責任』ご購入感謝記念品お渡し会」開催のお知らせ

 

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発売前から話題沸騰、『射精責任』(ガブリエル・スタンリー・ブレア著、村井理子訳、齋藤圭介解説、太田出版)の重版を記念しまして、お買い上げいただいたお客様(※下記ご参照)に記念品を配るイベントを伊野尾書店で開催いたします。


日時:8月26日(土) 15時~20時(予約不要)
場所:伊野尾書店

 

下記条件のいずれかの方に『射精責任』記念品(非売品)をお渡しいたします。

1,イベント当日に『射精責任』をお買い上げいただいた方
2,他でお買い上げになった『射精責任』をご持参のうえ、当日伊野尾書店で何か本を買ってくださった方

イベント当日に当店で『射精責任』をお買い上げ予定の方は、ご連絡いただければ本をお取り置きしておきます。
その際は

・お名前
・ご住所
・お電話番号
・ご注文商品と冊数(例;『射精責任』1冊)

をメールまたはDMでお知らせください。

Email:inooshoten@gmail.com
TwitterDM https://twitter.com/inooshoten


ご来場そのものにご予約はいりません。お時間の都合がつく中でいらしていただければ幸いです。

記念品はレジで『射精責任』担当編集者・藤澤さんから直接手渡される予定です。

(当日、藤澤さんは一日限定書店員として伊野尾書店で働く予定です)

みなさまのご来店をお待ちしております。

 

(担当編集者・藤澤千春さんコメント)

「みなさまのご好評のおかげで、
この度、『射精責任』を重版することができました。
ありがとうございます。

感謝を込めて、8/26に東京・中井の伊野尾書店さんで、
本書の装丁も手掛けた水戸部功さんデザインの
『射精責任』ご購入感謝記念品をお配りします。
ささやかではありますが、邦訳版の担当者として、
『射精責任』の理念を実践できればと思います。

すでに『射精責任』を他店でお買い上げの方は、
当日、『射精責任』をお持ちの上、
伊野尾書店で何かしらの書籍を一冊以上、お買い上げください。

当日、私は伊野尾書店の一日店員として店頭に立ち、みなさまに記念品を直接お渡ししたいと思っております(15時~20時)。
時間中、記念品の配布以外は棚出しや清掃などの書店員業務をする予定です。

ご購入いただいた皆様と直接お話できることを楽しみにしております。
ぜひお気軽にお声がけください。

お待ちしています!」

August 02, 2023

8月の営業につきまして

いつも伊野尾書店をご利用いただきありがとうございます。

8月の下記日時営業時間変更についてお知らせいたします。


8/11(金・祝)11:00~19:00営業

8/12(土)10:00~19:00営業  ※高野秀行さんサイン会開催


8/13(日)~8/15(火) 休業


8/16(水)通常営業再開


ご迷惑をおかけいたしますが、よろしくお願いいたします。


伊野尾書店

July 27, 2023

8/12(土)高野秀行さん『イラク水滸伝』出版記念サイン会のおしらせ

 

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新刊『イラク水滸伝』(文藝春秋)を発売された辺境作家の高野秀行さんが伊野尾書店でサイン会を開催します。

ご予約制となります。
下記ご確認の上、お申し込みください。


【日時】 8月12日(土)16:00~(終了次第撤収)

【場所】 中井・伊野尾書店 (地下鉄大江戸線中井駅A2出口となり)
  
    https://onl.sc/PZ8fis6

【ご参加条件】
『イラク水滸伝』(文藝春秋)、もしくは高野秀行さん著作をを伊野尾書店でご購入いただいたお客様

【ご参加方法】

・ご予約制です。
 ご予約いただいた段階で当日のご参加時間、整理番号をお知らせいたします。
 当日は「16:00」「16:30」といった時間ごとに参加いただき、整理番号順でご案内いたします。

・ご予約のない状態でいらした場合、当日の在庫・時間に空きがあればその枠でご案内いたします。


1,サイン会ご参加希望の方は下記項目ご記入の上、メールまたはDMをお願いします。

Email:inooshoten@gmail.com (件名「8/12高野秀行さんサイン会参加希望」)

TwitterDMはこちらから https://twitter.com/inooshoten

・お名前
・ふりがな
・ご住所
・電話番号
・購入商品と受け渡し日時(下記参照)

(購入商品)
1,『イラク水滸伝』 2,それ以外の高野さんの著作(ご指定ください)
(受け渡し方法)
1,サイン会より前に伊野尾書店で購入 2,サイン会当日購入

追って参加時間、整理番号お知らせいたします。


みなさまのご来店をお待ちしております。

 

(高野さんコメント)

「伝説の『本屋野宿』から13年ぶりに伊野尾書店から招聘を受けました。
全力ファイトでサインします!!」(高野秀行)


https://twitter.com/daruma1021


【サイン対象書籍】

・『イラク水滸伝』(文藝春秋)
・高野秀行さんの既刊(多数あります・手配可能なものは当日販売します)

 

【新刊案内】

●『イラク水滸伝』高野秀行(文藝春秋)
2,420円(税込)

“現代最後のカオス”に挑んだ圧巻のノンフィクション大作!

権力に抗うアウトローや迫害されたマイノリティが逃げ込む謎の巨大湿地帯〈アフワール〉
―――そこは馬もラクダも戦車も使えず、巨大な軍勢は入れず、境界線もなく、迷路のように水路が入り組み、方角すらわからない地。

中国四大奇書『水滸伝』は、悪政がはびこる宋代に町を追われた豪傑たちが湿地帯に集結し政府軍と戦う物語だが、世界史上には、このようなレジスタンス的な、あるいはアナーキー的な湿地帯がいくつも存在する。
ベトナム戦争時のメコンデルタ、イタリアのベニス、ルーマニアのドナウデルタ……イラクの湿地帯はその中でも最古にして、“現代最後のカオス”だ。

・謎の古代宗教を信奉する“絶対平和主義”のマンダ教徒たち
・フセイン軍に激しく抵抗した「湿地の王」、コミュニストの戦い
・水牛と共に生きる被差別民マアダンの「持続可能な」環境保全の叡智
・妻が二人いる訳とは?衝撃の民族誌的奇習「ゲッサ・ブ・ゲッサ」
・“くさや汁”のようなアフワールのソウルフード「マスムータ」 
・イスラム文化を逸脱した自由奔放なマーシュアラブ布をめぐる謎……etc.

想像をはるかに超えた“混沌と迷走”の旅が、今ここに始まる――
中東情勢の裏側と第一級の民族誌的記録が凝縮された圧巻のノンフィクション大作、ついに誕生!

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【8/10追記】

8/12(土)開催の高野秀行さんサイン会ですが、予約なしでも参加できる「当日飛び込み枠」を設けました。
「予約しなかったけど、当日行けることになった!」という方は下記時間にお越しください。高野さんがお待ちしています。

【当日飛び込み枠】
17:00~17:30(予定)

 

 

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