January 16, 2025

伊野尾書店2024年売れたものランキング

新年も半月過ぎたタイミングで出すのも何ですが、伊野尾書店で2024年売れたものランキングを出しました。
圧倒的に『成瀬』でした。
すごいんですね。
ちらほら見かける滋賀県全体での成瀬推しの空気に圧倒されます。
あと目立ったのは『百年の孤独』と『変な家』シリーズでしょうか。
矢部さんいつもありがとうございます。
一般書部門の7位に『死刑囚の理髪係』、8位に『虎の血』が入りました。
そんな2024年でした。

2025年はどんな本が売れるんでしょうか。


【総合】(コミック、文庫以外の書籍全般)

1 成瀬は天下を取りにいく   宮島未奈   新潮社   2023/3/14  66
2 成瀬は信じた道をいく  宮島未奈   新潮社   2024/1/20   37
2 なぜ働いていると本が読めなくなるのか   三宅香帆   集英社  2024/4/13   37
3 プレゼントでできている    矢部太郎    新潮社    2024/3/27  32
4 70歳からのスマホの使いこなし術   増田由紀   アスコム   2024/5/31  29
5 書いてはいけない   森永卓郎   フォレスト   2024/3/7   27
6 科学がつきとめた「運のいい人」  中野信子  サンマ-ク出版   2023/8/30   22
6矢部太郎の光る君絵   矢部太郎   講談社    2024/12/19 22
6 海の恐竜&Co. デアゴスティ-ニ・ジャパン 22
7 大ピンチずかん 2   鈴木のりたけ   小学館   2023/11/21    21
8 一日一生   酒井雄哉   朝日新聞出版   2016/2/14 20
8 わが投資術   清原達郎   講談社   2024/2/28 20
9 暗殺  柴田哲孝   幻冬舎   2024/6/15 19
9 こうして、人は老いていく   上村理絵  アスコム   2024/2/29 19
9 明るい暮らしの家計簿 ときわ総合サービス  2024/9/13 19
9 大ピンチずかん  鈴木のりたけ  小学館    2022/2/16 19
9 もっちりフレンズ おかしのなかま   デアゴスティ-ニ・ジャパン 19
9 マジキシュガーフレンズ   デアゴスティ-ニ・ジャパン  2023/2/28 19
10 ガザとは何か   岡真理    大和書房    2023/12/22 18
10 ’24 プロ野球カラー名鑑    ベ-スボ-ルマガジン社   2024/2/16 18
10 変な家2  雨穴   飛鳥新社    2023/12/15 18

 

【文庫】

1 百年の孤独    ガブリエル・ガルシア   新潮社   2024/6/26 63
2 変な家 文庫版  雨穴    飛鳥新社   2024/1/30 40
3 地面師たち   新庄耕   集英社    2022/1/20 38
4 クラスメイトの女子、全員好きでした  爪切男   集英社    2024/5/17 35
5 赤と青のガウン   彬子女王   PHP研究所    2024/3/30 31
6 傲慢と善良  辻村深月  朝日新聞出版   2022/9/3 31
7 他人が幸せに見えたら深夜の松屋で牛丼を食え  裏モノJAPAN編集部  鉄人社 2023/10/21 30
8 すべての、白いものたちの   ハン・ガン 河出書房新社  2023/2/3 28
9 白鳥とコウモリ 下  東野圭吾   幻冬舎  2024/4/3 28
10 透明な螺旋   東野圭吾 文藝春秋   2024/9/4 28


【コミック】

1 ONE PIECE 108   尾田栄一郎 集英社 2024/3/4 100
2 呪術廻戦 26   芥見下々   集英社 2024/4/4 91
3 ONE PIECE 109   尾田栄一郎 集英社 2024/7/4 83
4 呪術廻戦 25   芥見下々  集英社 2024/1/4 82
5 呪術廻戦 27   芥見下々  集英社 2024/7/4 81
6 HUNTER×HUNTER 38  冨樫義博  集英社 2024/9/4 75
7 呪術廻戦 30    芥見下々  集英社 2024/12/25 72
8 呪術廻戦 29    芥見下々  集英社 2024/12/25 69
9 呪術廻戦 28    芥見下々  集英社 2024/10/4 68
10 キングダム 71   原泰久  集英社 2024/2/19 66

 

【文芸】

1 成瀬は天下を取りにいく   宮島未奈   新潮社 2023/3/14 66
2 成瀬は信じた道をいく   宮島未奈   新潮社 2024/1/20 37
3 暗殺  柴田哲孝   幻冬舎   2024/6/15 19
4 転の声 尾崎世界観  文藝春秋   2024/7/9 15
5 俺たちの箱根駅伝 下 池井戸潤   文藝春秋   2024/4/24 14
6 近畿地方のある場所について  背筋   KADOKAWA 2023/8/26 14
7 八月の御所グラウンド  万城目学   文藝春秋  2023/8/1 13
8 美しく枯れる。 玉袋筋太郎   KADOKAWA 2024/3/26 13
9 俺たちの箱根駅伝 上  池井戸潤   文藝春秋 2024/4/24 12
10 続 窓ぎわのトットちゃん  黒柳徹子   講談社 2023/9/30 12


【一般書】
1 プレゼントでできている   矢部太郎   新潮社 2024/3/27 32
2 書いてはいけない   森永卓郎   フォレスト 2024/3/7 27
3 矢部太郎の光る君絵   矢部太郎   講談社 2024/12/19 22
3 科学がつきとめた「運のいい人」  中野信子   サンマ-ク出版 2023/8/30 22
4 ガザとは何か   岡真理   大和書房  2023/12/22 18
4 ’24 プロ野球カラー名鑑  ベ-スボ-ルマガジン社 2024/2/16 18
4 変な家2  雨穴   飛鳥新社    2023/12/15 18
5 家が好きな人 井田千秋  実業之日本社   2023/2/1 17
6 小学生でもわかる世界史   ぴよぴーよ速報   朝日新聞出版 2023/12/16 16
6 3か月でマスターするピアノ  本田聖嗣   NHK出版 2024/9/21 16
6 光る君へ 前編   大石静   NHK出版  2023/12/25 16
7 精神科医が語る 発達障害のすべて  ニュートンプレス   2024/7/9 15
7 死刑囚の理髪係   ガリ   彩図社   2024/5/24 14
7 東京となかよくなりたくて  月水花   月と文社   2023/12/13 14
8 虎の血 阪神タイガース、謎の老人監督  村瀬秀信  集英社 2024/2/1 13
8 なが生きしたけりゃ居場所が9割   川口雅裕   星雲社 2023/11/16 13
8 変な絵 雨穴  双葉社  2022/10/18 13
9 言語学バーリ・トゥード2  川添愛   東京大学出版会  2024/8/20 12
10 東京 消えた街角   加藤嶺夫  河出書房新社  2024/6/21 11
10 知りたいこと図鑑みっけ  KADOKAWA  2023/8/24 11
10 喫茶 行動と人格 1  田房永子  竹書房   2024/4/25 11
10 俺、つしま 4  おぷうのきょうだい  小学館  2024/4/24 11


【実用書】
1 70歳からのスマホの使いこなし術 増田由紀 アスコム 2024/5/31 29
2 こうして、人は老いていく 上村理絵 アスコム 2024/2/29 19
3 明るい暮らしの家計簿 ときわ総合サービス  2024/9/13 19
4 歩く地図 東京散歩 2025 成美堂出版 2024/2/17 15
5 糖質疲労 山田悟 サンマ-ク出版 2024/3/5 13
6 今さら聞けない睡眠の超基本 ビジュアル版 柳沢正史 朝日新聞出版 2024/8/17 10
6 ’25 お料理家計簿 講談社版 講談社 2024/10/9 10
6 今年こそヘルシー! とうふ七変化 堤人美 NHK出版 2023/12/25 10


【ビジネス】
1 わが投資術  清原達郎 講談社 2024/2/28 20
2 本当の自由を手に入れるお金の大学  両@リベ大学長 朝日新聞出版 2024/11/16 17
3 人は話し方が9割  永松茂久 著 すばる舎  2019/9/1 15
4 頭のいい人が話す前に考えていること  安達裕哉  ダイヤモンド社 2023/4/18 13
5 生きのびるための事務 坂口恭平 マガジンハウス 2024/5/14 12


【新書】
1 なぜ働いていると本が読めなくなるのか 三宅香帆 集英社 2024/4/13 37
2 一日一生 酒井雄哉  朝日新聞出版 2016/2/14 20
3 間違う力  高野秀行  KADOKAWA 2018/3/7 15
4 世界は経営でできている 岩尾俊兵  講談社  2024/1/16 14
5 「老けない人」の習慣、ぜんぶ集めました。 ホームライフ取材班 青春出版社 2023/9/15 13
6 堤康次郎  老川慶喜  中央公論新社 2024/3/14 13
7 続・一日一生  酒井雄哉  朝日新聞出版  2014/3/1 12
8 話す力 心をつかむ44のヒント  阿川佐和子  文藝春秋 2023/12/13 11
9 荒木飛呂彦の新・漫画術 悪役の作り方  荒木飛呂彦  集英社 2024/11/15 11
10 人生の壁  養老孟司  新潮社 2024/11/14 10
10 世界はラテン語でできている ラテン語さん  SBクリエイティブ 2024/1/9 10
10 言語の本質  今井むつみ  中央公論新社  2023/5/20 10
10 バッタを倒すぜアフリカで 前野ウルド浩太郎 光文社 2024/4/13 10


【児童書】
1 海の恐竜&Co. デアゴスティ-ニ・ジャパン 22
2 大ピンチずかん 2 鈴木のりたけ 小学館 2023/11/21 21
3 大ピンチずかん 鈴木 のりたけ 著 小学館 2022/2/16 19
4 もっちりフレンズ おかしのなかま デアゴスティ-ニ・ジャパン 19
5 マジキシュガーフレンズ デアゴスティ-ニ・ジャパン  2023/2/28 19
6 スーパー恐竜!&co. デアゴスティ-ニ・ジャパン 18
7 大迫力!異常存在SCP大百科 朝里樹 西東社 2023/11/2 13
8 おしりたんてい あらたなるかいとう トロル ポプラ社 2024/3/7 12
9 LaQコレクションシリーズ トレイン 2023/7/4 12
10 とにかくかわいいいきもの図鑑 今泉忠明 監修 西東社 2023/3/9 10

 

January 14, 2025

「高野秀行さんが2024年読んで面白かった本」フェア

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ノンフィクション作家の高野秀行さんが昨年読んで面白かった本を集めた
「高野秀行さんが2024年読んで面白かった本」フェアが今日から始まりました。
高野さんの実際の感想をまとめた読書録リストも配布中。
どんな本が入ってるかは店頭でお確かめください!

高野さんの新刊『酒を主食とする人々』は1/22発売予定です。

 

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January 11, 2025

細田昌志さんノーツイートトークイベント「本には書けなかった話を語る会」開催のおしらせ

『格闘技が紅白に勝った日』『力道山未亡人』などの著作がある細田昌志さんトークイベントを行います。
今回のイベントは格闘技界の取材を長年続けてきた細田さんが取材の過程で知ったものの、活字化することに何かしらの障壁があったため本には書けなかった秘話を「ここだけの話」として会場に来た方にだけお話ししてくれます。
イベント参加者は限定20名です。
90年代、2000年代にK-1、PRIDE、プロレスを見ていた方にはきっと楽しいお話が聞ける会になると思います。

お申し込みはこちらから

https://forms.gle/4QwwTCeFCGZr1CtU7


『格闘技が紅白に勝った日』出版記念 
細田昌志さんノーツイートトークイベント「本には書けなかった話を語る会」

日時:2/8(土)19:00~20:30(開場18:40~)
場所:伊野尾書店店内
ご参加料金:2500円(税込)


(ご参加にあたって注意事項)

・今イベントは「ここだけの話」という前提で運営されています。 
 お話の具体的なエピソード、人名などをSNSに投稿することはご遠慮ください
 
・イベント中の写真撮影は可能です 

・終了後、細田さんのサイン会を予定しています。 
当日店内でも販売しますが、他店で買われた本でも細田さんの著書であればサイン可能です。 
(サインはお一人様につき2冊まででお願いします)

 

みなさまのご参加をお待ちしております!

 

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January 04, 2025

お休みのお知らせ


1/13(月・祝)は休業をいただきます。

翌日1/14(火)以降は通常営業となります。

どうぞよろしくお願いいたします。


伊野尾書店

January 02, 2025

2024年を振り返って


2025年になりました。
本年もよろしくお願いいたします。
みなさまにとってよき一年になることを心より願っています。

2024年は個人的にいくつかの出来事がありました。


〇父親の逝去 
 
介護生活が約四年あったのでまあまあ心の準備はできており、そんなに喪失感なく迎えましたが残された母親が寂しそうで、そこのケアをするために時間を使うことが増えました。
ただ、家族環境の変化は「順番だな」と思うので、今の自分にできることを粛々とやっていきます。


〇書評連載の終わり

日刊SPA!という媒体で定期的に本を紹介していましたが、昨年11月で終了になりました。
別の人に交代ではなく、書籍紹介ページそのものが更新停止だそうです。
ウェブベージ全体の中でアクセスが少なかったみたいでそのような経営判断となりましたが、担当編集さんは連載中非常によくしてくれて、感謝してます。

https://nikkan-spa.jp/spa_comment_people/%e4%bc%8a%e9%87%8e%e5%b0%be%e5%ae%8f%e4%b9%8b

連載書評をしてみて少しわかったのは、読書傾向が少し変わる。
「自分の好きな本」より「紹介できそうな本」を読むようになります。
担当編集さんからは「なるべく出てから1ヶ月くらいの新刊で」というリクエストが出てました。
これは出版社が新刊が出てから最初の1ヶ月の販売数を見て増刷をかけるか、かけないか判断をしているのが理由です。
また出てからすぐなら「比較的」あちこちの書店やネット書店に在庫ありますが、出てから3ヶ月後とかだと「入ってきたけど、もう店にはないよ」となることが書店には多々あります。
担当編集さんはそういったミスマッチを起こしたくないのと、それが他社の本であってもできることなら売れるきっかけになってほしいという思いからそういう縛りをつけてました。

で、そうすると少しずつ読む本が変わる。
著者やテーマで「これは紹介しやすそうだな」とか考えてしまう。
「自分が好きな服を着る」ことから「人にどう見えるか考えて服を着る」に変わってく感覚です。
それはそれで新しい経験や学習だったんですが、そこから降りることでホッとする部分もあります。

連載は終わりましたが、普通に生活していると本の情報に接する機会が本当に少ないのを年々実感してます。
紹介場所が変わっても、できるかぎりいろんな本の紹介をしていきたいとは思っています。


〇本の産直市

2024年の仕事でひときわ印象に残ったのは11/3、4に開催した『本の産直市』です。

いつも取引してるトランスビューの工藤さんと会ったときに「こういうのがあるんですがやってみませんか」と話されたのが9月後半。
そこから準備始めて結構急ぎではあったですが、結果的にお客様にも出展した出版社のみなさんにも喜ばれて、お客様多かったので売上もまあまあよくて、本当の意味でのトリプルWINな企画になりました。

日ごろ店で本を売ってるわけですが、15社の出版社に来てもらって往来で直接お客様に販売する様子は「店の中」の空気とは違って、「人はなぜその本を読みたくなるのか」の形を今一度見せてもらった感覚です。
当たり前ですがすべては「きっかけ」なんですよね。
今年も秋にまたやりたいと考えています。

 

20241104_161225  20241104_140829  20241104_140822

 

 
〇2024年一番よかった本

2024年も素晴らしい本をたくさん読むことができました。
つくづく、よい本はたくさん、本当にたくさんある。足らないのは読む時間なのだ、と感じます。

そんな中から一冊選ぶならこの本を。


○角田光代『方舟を燃やす』

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自分の「当たり前」が揺らぐ、そんな読書体験を久しぶりにしました。
この本についてはこちらの書評に思いを乗せました。
https://nikkan-spa.jp/1987632

同じくらいよかった本は

○中原一歩『小山田圭吾 炎上の「嘘」』
http://inoo.cocolog-nifty.com/news/2024/07/post-9667b1.html

 

○田房永子『喫茶 行動と人格』
https://nikkan-spa.jp/2000792

 

○村瀬秀信『虎の血 阪神タイガース、謎の老人監督』
https://nikkan-spa.jp/1979450 

の3冊でしょうか。
テーマや作り方がバラバラな3冊ですが、読み終わると「人間ってなんなのだろう」と共通するものがありました。

 

 

☆今年、というよりこれからずっと考えていくこと


人は黙ってるとネガティブに引っ張られる。

何もないと悪い方を考える。

考えて解決することはない。行動だけが解決はしなくても、中和してくれる。

ネガティブなことを考えさせないでいてくれる時間が、自分の人生で大事な時間だ。

嫌な人はどこにでもいる。

嫌な出来事はどこでも起こる。

大事な時間と、大事な時間を一緒に作ってくれる人を大切に。


今年もよろしくお願いします。

 

伊野尾書店 伊野尾宏之

 

20240104

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